子育て英語アンケート調査

アンケート「将来子どもが英語を話せた方が良いと思いますか?」【その2】

こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。

今回は、小さい子どものいるママさん、パパさんたちに「将来、自分の子どもが英語を話せた方が良いと思うかどうか」とアンケートを取った結果について解説します。

英語を話せる方がいいか?と聞かれて「別に話せなくてもいい」と答える方はいると思います。英語でなくても〇〇を子どもにさせようと思えば、労力やお金、時間がかかるのは事実…。それもあって「今から英語を習わせる必要はないだろう」と考えるのも不思議ではありません。

ただ、アンケートから「英語を話せるに越したことはない」と考える親御さんは多いことが分かりました。大多数の人は「話せた方がいい」と考え、その理由についても回答してくれています。詳細につきましては、その1の記事をご覧ください。

今回は、その2として「話せた方がいい」と思う理由と「別にはなせなくてもいいのでは」と思う理由について紹介します。それぞれの価値観があり、もっともの根拠がある点をおわかりいただけるでしょう。

この記事を読んで、ご自身の教育方法の見直しを図ったり今後の方向性を探ったりできます。ぜひ最後までお読みください。

記事の本題に入る前に、その1で紹介した内容を簡単に説明します。「将来、お子さんが英語を話せた方がいいですか?」の質問に対して「はい」と答えた方は90%。かなりの親御さんが英語の必要性を感じていることが分かりました。

また「はい」と答えた理由については、以下の5つにまとめられます。

英語を話せた方がいいと答えた理由
  • 英語を話せた方が就職の際に優位になるから
  • 外国人が増え国内でも英語が必要になるから
  • 仕事で英語が必要になったときに役立つから
  • グローバル化によって英語は必要になるから
  • 英語は紛れもなく世界の共通言語であるから

どの親御さんも将来を見通していますね。就職や国内外の情勢をイメージして「現段階で子どもに何を身につけさせた方がいいのか」と下ろして考えています。

将来、英語の必要性がなくなることはなく、今以上に重要になると予想している結果でしょう。今回は、これ以外の理由をあげますが、同様に将来を見通しての回答になっているのが分かります。順番に紹介しますね。

「はい」の理由:「海外に住むという選択肢ができる」

子どもが将来、英語を話せた方がいいと思う理由に「海外滞在の選択肢ができる」というものがありました。こちらも子どもの職業の選択肢を広げるのと似て、生活圏や生き方の選択肢を増やす意味が含まれています。

 

まったく英語を話せなくても日本国内なら生きていけますが、英語を話せれば住める場所も広がります。観光や仕事で訪れた国が気に入ってしまい「ここで住みたいなあ」と思えば、とりあえず英語を話せれば不自由しないでしょう。

私
子どもが今、海外に興味をもっていないとしても、いつどこで「英語を習っておけば世界中どこにでもいけるのに」と思うかもしれないわよね。
ママ友
ママ友
そうなのよ、何がきっかけになるか分からないでしょう。「とりあえず英語」と言う考えはよくないと言う人もいるけれど、学ぶチャンスを与えるのは悪いことではないと思うのよね。

また、少し暗い話になるかもしれませんが、少子高齢化、生産性や国際競争力の低下などで日本の将来を不安に思う親御さんはいるでしょう。「日本でしか生活できない…となるより、自由に住む場所を選べる方が幸せかもしれない」から英語を習わせることも考えられます。

たとえ日本が大好きだとしても、観光で訪れた外国人に日本文化を説明したり、海外で活躍できるチャンスを得たり…など自分の力を発揮できる場が増えるのは自信につながるでしょう。

英語を習わせない場合のデメリットの方が多く感じる親御さんほど、子どもに英語を学ばせる傾向にあるといえます。

「はい」の理由:「異文化の理解や意思疎通ができる」

そのほかに、異文化への理解が深まりそうだからというものがありました。実用的な理由と比べて、これは人間性に関わる観点での理由付けです。

多様性の大切さを知る親御さんならではの発想でしょう。異なる文化や言語をもつ人々と互いの「違い」を尊重しながら仲良く生きていくのは、ひとりの人間として幸せなことだと思います。

私
違いが分かるって大切よね。最近じゃ「同調圧力」と呼ばれるくらい、「同じ」でいることに慣れてしまうのも怖い気がするわ。
ママ友
ママ友
何かを成し遂げるには、協力しなきゃいけないけど、そうだとしても、違う意見を出し合って協力した方がいいものが生まれるしね。

とくに日本人は、ほぼ同じ人種で生活してきた経緯があるため、異国の人々と付き合うのが苦手な傾向にあります。「あ、外国人だ…」といってできるだけ接点がない状況をつくる…。しかし、こうした姿勢はこれから通用しなくなるでしょう。

なぜなら、グローバル社会が進行し、海外から多くの外国人が観光に訪れたり留学生や就労者として日本に滞在したりする人が増えているためです。

自分が海外へ行くときだけでなく、普段の生活で外国人と触れ合う機会が増えれば、英語を使わざるを得ないでしょう。互いの違い、これは考え方も含めてですが、双方がもつものに敬意を示しながら意思疎通を図る姿勢とスキルは、今後ますます求められると考えられます。

そのほかの意見としては、ほかの国の人々とコミュニケーションを取ること自体が「楽しいと思うから」というものがありました。

楽しさの背景には何があるのでしょうか。新たな言語を学ぶ際に得られる3つの要素が楽しさにつながると考えます。

新たな言語を学ぶメリット
  • 言語を通して新しい文化を知ることができる
  • 新たな言語を学ぶのは思考を柔軟にさせる
  • 訳し方の工夫や語彙力の向上につながる

新しい言語を学ぶのは、言葉そのものの意味や発音の仕方を身につけるだけでなく、言葉を通して新しい文化を経験できるのがメリットといえるでしょう。確かに実際に海外生活で本物の文化に触れられるのですが、日本国内で英語で会話をするだけでも、その一部を感じることは可能です。

この変化や新しさが、人間の知的好奇心を刺激するといえます。異なる考え方の持ち主から新たな言葉や思考を学ぶのは、世界が広がり心が踊るはず…。他者に対する共感力もアップするでしょう。

会話を通して得られるメリットが大きいため、自然と「人と関わり話をするのは楽しい」と思えるようになるのです。このため、外国語を習うと社交的になる…という人もいます。

私
分かるわ~。社交的になるっていう話。英語は日本語と違って、アクセントやイントネーションが強めだし、動的なイメージが強いのよね。
ママ友
ママ友
ジェスチャーや表情など、リアクション含めてオープンな感じよね。
私
不思議と気持ちが明るくなるのはなぜかしらね。
ママ友
ママ友
それと、外国語を学ぶと異なる方向から物を見れる感じがするしね。

会話にあるように、新たな言語を学ぶのは人間の脳機能を発達させることに加えて、物事に対する多面的な見方が可能になります。つまり思考が柔軟になるのです。

そのほか、それぞれの言語には独特のニュアンスが含まれる場合があります。訳すのが難しく、雰囲気をいかに伝えるのか難しさを感じる場合もあるでしょう。その際、もっている知識や感性を総動員させて説明しようとすれば、自然に語彙力を増やせます。

会話が楽しくなるのは、好奇心が刺激されたり新たな発見につながったりする場合です。こうした経験が増えれば増えるほど、コミュニケーション力を向上させられるでしょう。

心配するより楽しんで学べる環境づくりを

英語を学ばせる場合、子どもが感じる以上に親が「(子どもが)英語を話せなかったらどうしよう」「職業の選択肢を狭めたくないなあ」と心配するかもしれません。また「自分は英語が苦手で苦労したから子どもにはさせたくない」と思う人もいるでしょう。

しかし、心配しても始まらない…のは事実。心配や不安を減らすために「子どもに英語を身につけさせよう」と躍起になるのは、子どもから学ぶ楽しさを奪ってしまう可能性があります。まずは子どもが楽しめる環境づくりを心がけましょう。

あまり良くない例とは、子どもが「英語を話す必要性」を感じていないのに親が先走って無理やり習わせようとするケースです。親の心配や不安がすべて間違っているわけではありません。ただ、大切なのは「子どもが英語の必要性を知って学ぶ」こと。

子ども自身が目的をもっている場合に楽しさを感じやすく、英語力もアップするといえるでしょう。たとえば、次のような目的です。

  • 大好きなアニメをすべて英語で観たい
  • サッカー選手になったらインタビューに英語で答えたい
  • 大好きな虫の名前を全部英語で覚えたい

共通しているのは、自分が〇〇になりたい(したい)思いと英語をうまくつなげている点です。大人でも自分の好きなものや興味をもっていることについて学ぶ場合は、モチベーションを高められます。

子どもはなおさら、自分の好きなモノに没頭するでしょう。英語を学ぶのではなく”英語で何をするか”が見えれば、子どもなりに英語を学ぶ意味を理解すると思います

つまり「英語を学ばないと受験や就職に不利になる」「グローバル社会では英語を使えないことがデメリットになる」と親が心配している環境では、何かを義務付けたり強制したりするリスクが生まれやすいのです。

それよりも子どもの「好き」や「興味」を英語とつなげる方向で学習させましょう。子どもは英語に対する印象をプラスに変え、前向きに学ぶ姿勢を示します。学ぶ楽しさを味わえるような環境づくりが何よりも大切なのです。

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さて「将来、子どもが英語を話せた方が良いと思いますか?」の質問に対する答えとして「いいえ」とした人も10%いました。次に「いいえ」とした親御さんの理由を紹介したいと思います。実は、どれも納得のいく理由となっています。

ここから学べる要素や今後に活かせる視点があるため、ぜひ最後までお読みください。

「いいえ」の理由は2種類

「いいえ」の理由には大きく分けて2種類あります。1つめは「日本で生きていくのであれば、とくに英語なんて必要がないと思う」というもの。もう1つは「まずは日本語をしっかり習得して欲しいと思う」というものでした。

「いいえ」の理由:「日本にいれば英語は必要ない」

日本国内で日本人として生きていくのであれば、確かに英語はヨーロッパ諸国ほど必要ではありません。日本はもともと、単一民族性が高い国なので、日本語さえしっかりできれば生活や職場で不自由な立場におかれることはないでしょう。

しかも、AI自動翻訳機能が発達した現代においては「わざわざ苦労して英語を学ぶことはないのでは?」と思えてきますよね。

ただ、この「日本にいれば英語は必要ない」と言い切れないのも事実。理由は3つあります。

英語を学ぶ必要性
  • 英語を学んだ方が異なる文化や価値観の理解が深まる
  • 将来を予測するのは難しいなか英語を学ばない方がデメリット
  • 英語は豊かなコミュニケーション力を養うためのツール

そもそも日本という国がこれからどう変化するのか…分かりません。グローバル化やIT化が進み、AIによって人間がどのような立ち位置になるかも見えないというのが大方の意見です。「日本にいれば英語は必要ない」とはいえないのです。

予測不可能な時代に生きていくには、既存の社会や価値観に縛られずに多様な見方で新しいスタイルを開拓するくらいでないと難しいでしょう

私
ちょっとドキッとする言葉よね、”日本にいれば安心とはいえない”かもしれないし…。
ママ友
ママ友
社会の何もかも変わっているでしょ、変化のスピードが早すぎるし。
私
確かに、人間がAIに追いつかないどころか追い越されちゃうかも?と言う人もいるし。
ママ友
ママ友
大事なのは、皆が皆、おなじことを覚えるんじゃなくて、違うものや考え方を受け入れながら新しいものを創り出していく発想力よねえ。
私
まさに!英語でそれが可能なの?と聞かれたら、私はYES!と答えたいわ。さまざまな言語でいろいろな人と渡り合っていく方が楽しそうだもの。

この姿勢を養うために英語は十分活用できます。語学を学ぶと、背景の文化や考え方も知れます。また、自分とは異なる文化や考え方を学ぶことで、視野や表現の幅を広げられるでしょう。

人間は言葉があるから考えを深め、進化を遂げてきました。よりよい考え方を見つけたりコミュニケーションを豊かにしたりするのは、まさに言葉といえます。多様な言葉を駆使できるほど、能力や人間性を向上させられるのです。

また、「日本にいれば必要ない」と決めつけるのは尚早で、多言語を学んで、日本語のよさや日本人としてのアイデンティティが形成されるといえるでしょう。

「いいえ」の理由:「まずは日本語を習得してほしい」

この理由の真意もちゃんと伝わってきます。親御さんのなかには「英語を習わせることで日本語の学習がおろそかになるのでは…」と心配される方がいるでしょう。

最初に結論をお伝えしますと、日本にいて日本人の家庭で生活している場合、英語を習わせることで母国語の力が失われるとは考えにくいです

その理由は、学校や地域、お店などあらゆる環境では常に日本語が行き交っており、国際結婚で2ヶ国語が必要な家庭を除けば、家庭内でもほぼ日本語を使っているためです。

私
国際結婚している家庭でも、バイリンガルに育てるのは難しいみたいよね。
ママ友
ママ友
そうなのよ。知り合いのうちでは、子どもに話すときは「パパが英語、ママが日本語」で話すのを徹底していたみたいよ。
私
日本人の家庭なら母国語より英語の方が流ちょうになるっていうのは考えにくいわよね。
ママ友
ママ友
英語を習っているから日本語がおろそかになる、という理屈は通らないかもね。日本語を話すときに、正しい日本語を話したり教えたりする環境が大切なのよね。

実は、英語を習って日本語がおろそかになるというよりむしろ、外国語を学ぶメリットがあるといわれています。

2ヶ国語を学ぶのは、脳科学的にも、コミュニケーション力や感性の面でもプラスの効果を与えるのです。理解力、集中力、あるいは数学的な思考にも良い成果をもたらすという報告もされています。

さらに、第二言語の学習によって母国語の文法や語彙、話し方のスキルが向上する(『Impact of the Second Language』より)という話もあります。AとBの比較対象があった方が、分析が可能になりAの特徴に気づきやすくなるという意味でしょう。

「日本語の学習がおろそかになる」と一方的に解釈して習わせないのは、もしかしたら子どもが学ぶチャンスを奪っているかもしれないのです。

子どもの可能性を広げる英語

「将来英語を話せた方が良いと思いますか?」の質問に対して「はい」あるいは「いいえ」と答えた親御さんの理由について、その1とその2に分けて解説しました。

「子どもに何が必要で、何が必要でないか」は人によって異なります。ただ、気づいていただきたいのは、親が必要であると感じたものが子どもにとっては必要ではなく、またその逆もありうる…という点です。

学ぶのも生きるのも子ども自身。親の庇護下にあるとはいえ、子どもは一人の人間であり、親とは異なる価値観の持ち主であると考えましょう。

親ができるのは、子どもの可能性を拓くお手伝いをすることです。「もしかしたら英語って楽しいかもよ」「英語を勉強するといいことあるみたいよ」をさりげなく誘い、子どもがスイッチ(好きや興味)をポンと押して前に進めるようにする…。

逆に「あれもこれも面白くないよ」「無駄だよ」の態度で子どもに英語を学ぶチャンスを与えないのは、もしかしたら芽吹くかもしれない種をダメにしてしまう可能性があります。

何がきっかけで子どもの才能が開花するか分かりません。きっかけの一つとして子どもに英語を学ばせるのは、間違いでもなんでもないのです。

強制や制止をせず、子どもの成長を温かく支える姿勢を英語教育でも大切にしましょう。

さて、ここまでのことをまとめ、おさらいしていきましょう。

まとめ

将来「子どもが英語を話せるようになった方がいいと思いますか?」の質問に対する答えは9割が「はい」1割が「いいえ」でした。

「はい」と答えた親御さんたちは、子どもの未来を想定して「困らないように」「優位に立てるように」の思いが強かったように思います。

実際は英語学習で多様な価値観を知ったり、より豊かなコミュニケーション力を養えたりします。自分の好きなことや興味とつなげられれば、英語を介して自分の世界観を英語で発信できるようになるでしょう。

英語を習わせる場合は、他者と比較したり損得で英語を価値づけたりするのではなく、子ども自身の可能性を広げられるととらえた方が気楽ですし、実際に子どもが楽しめます。

子どもに英語学習を勧める際は、強要することなく時期を見計らいながら上手に誘いましょう。まだ英語学習必要ないと思っても、子どもの思いを確認したり英語CDや動画を見せたりして様子を伺うなど、柔軟に対応できるといいですね。

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ミライコイングリッシュ編集部
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