こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
絵本は親子の自然なコミュニケーションをつくってくれます。子どもがまだ小さくて、赤ちゃんであっても、お母さんが優しく語りかける言葉に笑みを浮かべることもあるでしょう。
「〇〇、すてきだねえ、きれいだねぇ」
「この言葉が好きなの?いいよねぇ、お母さんも好き!」
など、子どもの反応を見ながら、親が言葉や気持ちを返す…心の通い合いともいえるでしょう。親子ともども、ゆったりとした幸福感を味わえます。
しかし、英語で読み聞かせとなれば別…。新たな悩みを抱える親御さんがいるかもしれません。
絵本の読み聞かせが好きな子が「ねえねえ、英語で読んで」と言うかもしれません。その際、親として何とか読もうとがんばるのですが、子どもから「なんだか、変な発音…、もういいよ」と言われるかもしれません。
英語の読み聞かせは一切しない!と心に決めている方もいるでしょう。しかし、発音がうまくいかないのは、親御さんが悪いわけでなく、英語と日本語の大きな違いによるものだと考えられます。
この点をまず理解しましょう。英語と日本語の違いが分かり、「では、どうするのか」と考えるのが次のステップです。
記事では、まず、英語と日本語の違いを明らかにしてみます。そこから、英語の読み聞かせにどう向き合えばよいのかお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
記事を読んで「絵本を読むのが苦手だし、躊躇するのよね」と思っている親御さんが、少しでも前向きになれますように…。それでは始めますね。
英語の読み聞かせができない理由とは?
インターネットや書籍の情報、スクールの先生から「英語で読み聞かせは効果がありますよ」と言われても、実際はなかなか難しいと思う親御さんは少なくありません。
英語の読み聞かせを躊躇する理由は、ずばり「英語の発音に自信がない」ことが挙げられます。
英語の発音は難しい!
英語の発音の難しさは、日本語の発音と違ってバリエーションが豊富である点が影響しています。
英語で、日本語の「あいうえお」にあたる母音は、5音にとどまらず、26個もあるといわれます。しかも日本語の「あいうえお」に相当する音と微妙に違うのです。英語の発音が難しいとされる理由をまとめると次のようになります。
- 英語は唇や舌の動かし方が難しい
- 英語はカタカナとはまったく違う音
- 日本語の音の単位は1文字につき1音
- 英語はスペルト音が一致しない、例外が多い
- 英語はアクセントやイントネーションが強い
各項目について、簡単に解説します。難しさの理由を把握し、「こんなに日本語と英語は違うのね|と改めて気づくことで、逆に開き直ってもらいたいのです。
違い過ぎるほど違う言語が日本語と英語。5つの違う視点について、まずは順にお読みください。
英語は唇や舌の動かし方が難しい
日本語で「あいうえお」と言ってみましょう。舌の位置はどうでしたか?唇や口の形は変わりますが、舌の位置は、ほぼ変わらないと感じるのではないでしょうか。
しかし、日本語も、舌の「高低」や「前後」の位置が微妙に異なっているのです。ただ、英語の母音は、日本語の発音よりも舌の位置を細かく確認する必要があります。
英語の母音を発音する際は、舌の位置を「高中低」「前中後」のように「中」も含めて意識しなくてはなりません。英語は母音だけでも26個もあります。それぞれの音を区別させるためにも、微妙な舌の位置や動きを意識するのがコツです。
英語の音はカタカナとは違う
英語の発音が難しいと思うのは、実は日本語のカタカナの存在が大きいといえます。子どもが成長すればするほど(大人であればなおさら)英語を話すために、カタカナという道具を使おうとします。
課題解決法の一つといえますが、英語の発音を習う際にカタカナを多用するのは、おすすめしないといわれた経験はあるでしょう。おすすめしない理由は、英語がカタカナでは表現しきれないためです。
本来appleをカナカナで「アップル」としてしまえば、脳はそれを「良し」としてしまいます。この方法を続ければ、本来はありえない「英語=カタカナ」の世界から脱却できないでしょう。
カタカナで表現しようと思うこと自体が、英語の発音を難しくしているのかもしれません。
日本語と英語では音の単位が違う
日本語の文字には必ず母音がついています。たとえば「か」なら「k(子音)+a(母音)」のように、すべての文字音に母音が入っているのです。
私:あ~そういえば、そうだ。「あいうえお」以外の文字は「子音と母音」の両方が入っているわね。
ママ友:拍とも通じるよね。日本語では「あ・か」とパンパンという感じの拍、2拍だけど、英語はredと1拍で終わり!
私:redを「レッド」と日本語でいっちゃうと、うん?もしかして母音が3つも入っちゃう!?
さきほど「英語=カタカナ」から離れることの必要性を伝えました。appleの発音を「アップル」と日本語的(ローマ字的)に発音すると「a-ppu-ru」となります。母音が3か所(a,u,u)に入っています。
しかし、英語appleの発音記号は[ˈæpəɫ]。æはご存じのように、英語特有の発音ですが、以下pəɫを見ても分かるように、u(子音)はなくəという弱い母音が入っています。英語の場合は1文字1音ではないのもお分かりでしょう。
つまり、日本語の音の単位は等時性といって「音の時間」が同じなのですが、英語の音の単位はばらばらということになります。
英語は文字と音が一致しない
日本語は「文字=音」となりますが、英語の場合は必ずしも「文字=音」ならない点に特徴があります。
たとえば、日本語で「りんご」は「ri-n-go」のように、文字に決められた音があります。しかし、英語のappleでは、とくにeは読まず、文字に音が必ずあるとは限りません。また、aが[æ]の音ではなくtapeのように[ei]と発音される場合もあります。
つまり、英語は1文字が同じ音になるとは限らない言語といえるのです。
英語はアクセントやイントネーションが強い
英語の発音とは少し異なるかもしれませんが、単語一つとっても強弱のある言語です。英語は日本語よりも強弱が強めな言語といえます。
くり返しになりますが、appleをカナカナで覚えようとする場合「アップル」となり、平坦な印象です。しかし、英語のappleは、最初のaにアクセントをつけて、ほかの₋ppleの部分は、非常に弱い音になります。
waterを「ウォーター」、coffeeを「コーヒー」と、すべての音を同じ強さで読めば、ネイティブに通じにくいのはそのためです。waterならばwa₋の部分、coffeeならばco₋の部分を強めに話すのが英語的なのです。
英語の読み聞かせ|打開策は、開き直り?
イラストのように「英語の読み聞かせはいい」と分かっていても、以上のような英語の発音の難しさを感じて、なかなか前に進めない親御さんはいるでしょう。
しかし、先ほど説明したように、日本語と英語の発音の仕方や音の仕組みが、違い過ぎるため、苦手意識をもって当然なのです。
苦手意識は、英語を話す自信にも影響を与えます。「苦手」と少しでも思えば、前に進めず、経験を積むことも難しいため、どんどん苦手意識を高めてしまう…悪循環ですから、自信をつける間もありませんよね。
しかし、先ほど紹介した英語と日本語の大きな違いを知って、開き直ってみるのも一つの打開策です。「難しいのは当たり前、できないのも当たり前」と思ってみてはどうでしょうか。
そして、大切なのは、「○○が当たり前」と思った後、「では、どうするか」と必ずすなげることです。「もう、こうなったら、下手でもなんでも英語の読み聞かせを楽しんじゃおう!」と決めるのも一手でしょう。
英語の読み聞かせはやっぱり大切!
「英語の読み聞かせが苦手で自信をもてないのに、楽しむなんて…」と思う親御さんはいるでしょう。ごもっとも、です。
ただ、英語の読み聞かせは、子どもの英語学習に有効なのは確かです。絵本を読み聞かせるメリットは、たとえば次のとおりになります。
- 親子のコミュニケーションがとれる
- 感情を豊かに、想像力を育てる
- 言語に対する興味を広げる
- 言語の理解力や活用力を上げる
おそらく、上記以上の効果を期待できるのが英語の読み聞かせです。何しろ、日本語での読み聞かせに+αで「日本語と英語の違いに気づく」「英語特有のリズム感を養える」「異文化を理解する」「日本とは異なる感性を育てる」などのメリットを得られるのですから…。
英語の読み聞かせをするために
では、英語の読み聞かせに向かうための準備やコツとして、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、3つの準備やコツを紹介します。すべてを一度にマスターしようとはせず、できることから少しずつ実践に移すのが大切です。
完璧な発音を求めすぎない
英語の読み聞かせをする前に、「英語の発音をまずはしっかり習ってから」と考える親御さんがいるかもしれません。
それも悪くはないのですが、いつになったら自信がつくかも分からず、「ねえ、いつになった読んでくれるの?」とたずねる子どもの興味をそいでしまう可能性もあります。
発音練習を続けながらも、どんどんアウトプットする…つまり、英語の読み聞かせをする方が効果が上がります。完璧を演じようとする親よりも、口や舌の動かし方を意識して発音しようとする親を見て、子どもは学ぶ姿勢や学び方を習うでしょう。
子どもと一緒に絵本を読むことを楽しむ感覚で、読み聞かせを続けていきましょう。
最初は文字の少ないものから
英語の読み聞かせをする際、できるだけ子どもの好みや興味に合わせたいところですが、最初から文字数が多い絵本を読むのは、負担感が大きくなるでしょう。
自信があまりないうちは、文字数が少なく、繰り返し同じフレーズが登場する絵本を選ぶといいかもしれません。子どもが気に入ってくれれば、何度も何度も読めます。
一冊の本を見ないで、表現豊かに読めるようになれば、自信にもなります。ぜひ、文字数の少ない絵本を選んで、その冊数を少しずつ増やしていくイメージで進めましょう。
声に抑揚をつける
声に抑揚をつけるのは、英語の表現力を高めるうえでも大切です。先ほど紹介したように、文字数が少なく短い絵本で構いません。一言一句の抑揚を意識して表現してみましょう。
英単語一つを言い表すにも、表情や表現方法を変えることで、感情をリアルに伝えられます。これは、子どもの表現力に大きな影響を与えるでしょう。
コミュニケーションをとる場合、声に豊かな”表情”を乗せる(抑揚をつける)ことで、相手に伝わりやすくなることを子どもは理解するのです。
英語は日本語と比べて、抑揚をつけた方が相手に伝わりやすい言語です。これを肌で感じるためにも、親御さんが英語を読み聞かせるときは、アクセントやイントネーションを大げさにつけるなど工夫しましょう。
・・・・・・・
このように、たとえば3つの方法を用いて、少しずつ英語の読み聞かせに挑戦していきましょう。長期目線でコツコツと取り組めば、苦手な英語の読み聞かせに変化が表れると思います。
大切なのは、お子さんと楽しみながら読み聞かせをすることです。苦痛と思っているうちは、子どもも楽しめていないでしょう。
「お母さん、また失敗しちゃった、もう少し練習してみるね。なんかアドバイスな~い?!」とお子さんに頼るのも、素敵なコミュニケーションの場となりますよ。
英語の読み聞かせで英語を好きになる!
読み聞かせの効果については、前述のとおりなのですが、ここでは、英語の読み聞かせをするメリットの+α情報をお伝えします。最初に結論をお伝えすれば、英語の読み聞かせの+αのメリットとは「英語を好きでいられる」ことです。
実は、小学校以降、中学校、高校と上がるにつれて、学習する教科や内容はどんどん増えていきます。子どもは、最初は興味をもって学んだとしても、覚えるべき内容が増えるに従い、大変さや苦手意識をさまざまな場面で感じることでしょう。
英語も同じです。最初は、フォニックスや発音、会話などを楽しむ段階から、文法や構文などを覚えたり、長文読解、英作文などのスキルを磨いたりしていかねばなりません。
すべての内容をまんべんなく理解するのは、相当の労力と時間がいります。ただ、学び方が分かって、英語の「○○」が好きと思う感情が残っていれば、学びを続けられるでしょう。
つまり「会話は少し苦手だけど、絵本の読み聞かせは得意!」「英作文は抵抗感があるけれど、読むのは好き!」など「英語がすべてイヤ!」の状況に陥らずにすむのです。
これは、ほかの教科にもいえます。いずれにしても、少しでも可能性や選択肢を残しておくのは、子どもたちが学び続けるのに必要なモチベーションを保つうえで大切なのです。
このイラストのように、「英語を楽しく学べるように」「英語を好きになってもらえるように」するための、英語の読み聞かせと考えましょう。
絵本の読み聞かせを通して、英単語やフレーズを覚えたり、異文化を理解したりできるのは確かです。加えて、英語で表現する楽しさを感じられれば、子どもは英語にプラスの感情をいだきます。
また、子どもでなく親御さん自身が「英語の読み聞かせさせて~!だって、なんだか読みたいんだもん!」と子どもに要求するくらい、楽しめていれば、子どもは「しょうがないな~」と思いつつ、うれしいのではないでしょうか。
そのうち、「もう、一人で読めるからいいの」とお子さんがいうまで、英語を読み聞かせるのを続けてみましょう。子育ては、長いようで実はいっとき。子どもと密なコミュニケーションをとれるのも、実は10年に満たないかもしれません。
かけがえのない親子の時間を大切にしてほしいと思います。
くり返します!
親が子どもに英語の絵本を読んであげる際は、英語の発音を完璧にしようとしたり、英語を教え込もうとしたりする姿勢より、親自身が楽しむこと。
「ねえ、一緒に英語の絵本を読んでみよう」「わ、なんだか英語のお話って日本のとは違うねぇ」など、新たな気づきを得ながら楽しむことに努めましょう。その方が、子ども自身も雰囲気を楽しめます。英語の読み聞かせが楽しみになれば、英語そのものを好きになっているでしょう。
子どもが親に読み聞かせてもOK!
英語CDや動画を視聴させる時間を設定したり、英語スクールに通わせたりすることに加えて、昼寝や就寝の前に絵本の読み聞かせをするのは、英語力の向上に役立ちます。
この点については、記事を通してお分かりかと思います。親が発音の失敗を乗り越えつつ、楽しみながら読み聞かせをする姿を見て、幼少期の子どもは「ぼく・わたしが読む!」というかもしれません。
これはチャンスです。ぜひお願いします。親が想像する以上に、子どもは表現豊かに読んでくれると思います。
「やっぱり英語に自信がないわ~」と躊躇される親御さんは、最初から一緒に読んだり、お子さんに読み聞かせをお願いしたりしてみましょう。
親が立派に読み聞かせをすると、子どもが逆に躊躇してしまう…こともあるのですね。本当に、子育ては考えさせられます。結局は、何が絶対!と言う話はありえない…。
大切なのは、最初から完璧であるより、練習したり挑戦したりする親の姿勢を見せることかもしれません。こうした理由でも、親御さんが「発音が上手くない」のは、気にする必要はないのです。
子どもが伸びるチャンス!とプラスに捉えて、一緒に英語の読み聞かせを楽しんでいきましょう。
まとめ
今回は、英語の読み聞かせに苦手意識をもっている親御さんに向けて、英語の読み聞かせに関する情報や読み聞かせのコツを紹介しました。いかがでしたでしょうか?_
発音が上手くないから読まない、と決め込むのは、かえって子どもの英語学習の妨げになります。親が発音練習したり、一緒に楽しもう!と絵本に向かったりする姿勢を見せる方が、子どもの学習意欲に好影響をもたらします。
ぜひ、今一度、読み聞かせのメリットや、英語の読み聞かせを無理なく始めたり続けたりするコツを確認して、親子そろって英語学習を進めていきましょう。読み聞かせを通して、お子さんと温かい関係性を保ち、コミュニケーションの楽しさも学んでいけると思います。