こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
子どもの英語力をできるだけ早めに身につけさせようとすればするほど、子どもを追い込んでしまう…親としても負担を感じ始めている…と思う親御さんはいらっしゃると思います。
この場合、同じような悩みを抱える親御さんの話を聞くと安心しますよね。「自分だけじゃないんだ、なんとかがんばってみようかな」など、前向きな気持ちになれるかもしれません。
そこで今回は、「英語学習で大変な点は?」というアンケートの結果をもとに、今後の英語学習のヒントになる話を紹介します。実際に早期英語教育に取り組んでいる親御さんの声ですので、悩みの共有や将来の視点を得られるでしょう。
「英語学習で大変な点」の1位から5位までについては、「その1」の記事でお伝えしています。結果は以下のとおりです。
- 1位「好きなもの以外は興味を持ってくれない」
- 2位「親が英語が苦手なので教えられない」
- 3位「英語学習の時間が取れない」
- 4位「発音が難しい…」
- 5位「日本語の方がラク」
実際にお子さんに英語を習わせている親御さんの悩みの多くは、上記の5つに集約されるのではないでしょうか。
本記事は、それ以外の回答について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
間違った英語を教えていないかヒヤヒヤ
そのほかの回答で多かったのは、親御さんが、自宅で子どもに英語を教える場合に「英語の発音や文法などを間違って教えてないかしら?」と不安になることです。
せっかく英語スキルを身につけさせようと思っても、最初から間違えて発音やフレーズなどを子どもに教えては、修正に時間がかかります。修正を強要すれば、子どもから「お母さんが、ちゃんと教えてくれないから」と言われるでしょう。
この「間違えた英語を教えてしまうのではないかと不安になる」という悩みは、英語学習だけでなく、日本語の学習にも通じる話かと思います。少し飛躍しますが、計算のやり方を親が教える場合も、学校の先生とは違う教え方をするケースもあるでしょう。
日本語でも間違える場合があるのですから、英語で間違えるのはある意味”普通”と捉えてもいいのかもしれません。間違えて恥をかきたくない気持ちは分かります。ただ、子どものころの間違いは、大人以上に許されてもいいのでは…。
ここで、次の2つの家庭を比較しましょう。
【ヒヤヒヤ宅の例】
親が間違って英語を教えるのを恐れて、たとえば英語レッスンに通わせるとします。ネイティブの先生が教える時間だけ、子どもは英語に触れます。つまり、1週間に1回、50分だけです。自宅では、親が英語を話したり教えたりすることはありません。
【ワクワク宅の例】
親は英語が苦手…。子どもには楽しく学んでほしいと考え、自宅でCDを聞かせたり動画を見せたりしています。子どもは、まるでタレントDさんのようなイングリッシュで話すのですが、親も調子に合わせて、夕飯時には自由に会話をしています。
いかがでしょうか。
英語をコミュニケーションのツールと捉えるのであれば、ワクワク宅の方が生きた英語を使っていますね。とはいえ、使う機会を家庭外に広げたときに、もしかしたら「それ違うよ」「変な英語」と指摘されるかもしれません。
言われた子どもが「なにくそ!」と思って、間違えた英語を少しずつ直したり、発音を見直したりし始めれば、この子の学習力は相当に身につくでしょう。言われてショックを受け、泣き出す子がいれば、親の出番です。
「教えてもらって良かったね、私も間違えて覚えていたから、2人でちょっと調べてみようか」
「日本語も間違えて覚えちゃうことってあるのよ。でも、それって話したり書いたりしたからよね。正しく覚えるチャンスよ!」
やっぱり「失敗は成功のもと」です!そう思えるような声掛けをしたいですよね。机上の空論ではなく、失敗や意義のある経験で学びを深められるのです。
そうなのです。ニュアンスの違いは、日本生まれで日本育ちの日本人が分かりずらいのは、ごく普通なのです。使ってみた際、相手に不思議がられたり指摘を受けたりして「あれ?ちょっと違うのかな」と感じることが大切なのです。
間違えるのを恐れて、守りに入り過ぎれば、学習を広げたり深めたりできません。それよりも、インプットしたら失敗を恐れず、どんどんアウトプットすることをくり返せば、新たな学びを得られるのです。
親同士が文化の違いで苦労
アンケートの回答には次のようなものがありました。「外国人の友達をつくるようにしているけれど、文化の違いで大人同士が苦労してしまう」というもの。これは、確かに難しい課題ですね。
先ほどの「インプットしたらアウトプット!失敗を恐れず、どんどん表現していきましょう」が大切とはいえ、実際のコミュニケーションに課題が残るのも事実でしょう。
悩みや苦労は尽きないもの…。言葉が通じる日本人同士でも、価値観の違いから、あつれきが生じることがあります。ましてや外国人の親御さんとお付き合いするのは、言葉以外の高いコミュニケーション力も必要になるでしょう。
しかし、言語や人種の違いを乗り越えるのは難しいけれど、見方や考え方を変えれば、意外と交流を深められる場合があります。
その解説に入る前に、まず、日本人の親御さんから見た外国人の親御さんは、どのように映るのか考えてみましょう。
まさに、そうですよね、双方が違いすぎて、同じものを探すのを苦労してしまうのですが、なんとなく気になる…。つまり、「違い」は相手に対する興味とつながるのかもしれません。
また、違いが多ければ、「違うのが当たり前」からスタートしているため、意見の相違があっても「あなたは〇〇だろうけど、私は〇〇だと思うわ」「なるほど、その考えは新鮮ね、見方を変えられるわ」など、レベルの高い認識が生まれます。
こうした感覚や認識は、同質社会に慣れてしまった日本人に必要なものだといえるでしょう。日本人同士であっても、似たもの同士より、まったく異なる価値観をもっている者同士が、うまくいくケースがありますよね。違う方が理解し合える場合があるのです。
外国人の親御さんと付き合うコツは、違いをプラスに捉えられるかどうかだと思います。日本人より、多様な人々との生活に慣れている外国人は、あなたが違う考えを述べたとしても、気にせず受け入れてくれるでしょう。もしかしたら、日本人よりも付き合いやすいかもしれません。
同化を求めるのではなく、違いを大切にする…つまり、互いの「違い」を尊重し合える社会が、これからの子どもたちの社会となります。違いを見つけることを喜び合えるような…極論そのような社会が生きやすいのかもしれませんね。
ただ、外国人との親御さんとの付き合いに、あまりに苦痛を感じる場合は、無理をしなくていいでしょう。お子さん同士が仲良くなれば、自然と親同士も仲良くなる場合があります。肩の力を抜いて、自然の流れに任せた方がいいかもしれませんね。
親が相手だと子どもはふざけちゃう!
アンケートの回答の中には「親が教えるとなると、子どもが言うことを聞かない」という悩みがありました。英語教室に通させている場合「先生の話は聞くけれど、家で英語を勉強するとなると真剣にやらない」…でも、これが子どもの姿なんですね。
先生はやはり他人です。他人だから、子どもは”おりこうさん”になります。ある意味、仮面をかぶるわけです。しかし、家族に対しては、どうしても甘えが出てしまいます。
英語に限らず、ほかの習い事でもそうかもしれません。
子どもの興味を引くために、さまざまな工夫をしている親御さんもいるでしょう。ふざけちゃうときは、一緒に遊ぶ感じで英語を歌ったり、フォニックスを順番に唱えたりします。
あるいは、公的機関が主催するイベントに親子で参加するのもいいですね。”外ではおりこうさん”であれば、おりこうさんでいられる時間に英語に触れさせるのもコツです。
ふざけ方がひどい場合は、お子さんと話をする必要があります。小さいお子さんであっても、親が真剣に話をしようとする姿勢を見せたら態度を変えるでしょう。親が感情的になると逆効果です。冷静に話をするように努めましょう。
話の内容は、子どもの発達段階によります。この場合、次の視点を意識すると効果があるかもしれません。
- どうしてもふざけてしまう理由とは?
- 子どもは本当はどうしたいのか?
- 親子で一緒にやれそうなことはないか?
子どもがふざけてしまう理由には、たとえば「英語が面白くない」「英語の発音の仕方がうまくいかない」「話している内容が分からない」など、具体的なものがあるかもしれません。
また、「本当はサッカーやりたいのに英語があるからできない」「本当はもっと英語の話せるようになりたい」など、子どもの本音を聞ける可能性もあります。
これらの理由や本音が分かれば、親子の間にあるギャップを小さくできます。英語が面白くないのなら、サッカーの時間を確保してあげたり、サッカー用語と英語をつなげてみたりするのです。
あるいは「発音がうまくなりたい」と思う子どもには、学習の仕方を教えます。教材のすべてを覚えなさいとするのではなく、発音に特化した教材を与えて、親子で一緒に練習してみるのです。
ふざけてしまう子どもを何とかしよう(させよう)と親が思えば思うほど、親子の認識のギャップを埋められないでしょう。本当は、子ども自身が親以上に「どうしていいか分からない」状態なのです。
親はこの点を理解して、子どもとの距離を縮めましょう。具体的な対策を考えたり実行に移したりできるよう、子どもと話し合う機会をつくるのは大切です。
親子で話し合って「〇〇を一緒にやろう」と決める際は、「毎日5分でいい」と思って行うようにします。この5分を思い切り楽しめればOK!と捉え、できたことを褒めてあげましょう。
日本語と英語のバランスはどうしようか…
「日本語を教えるバランスと、英語を教えるバランスが難しい」という悩みは、かなりレベルが高いものですね。バイリンガルをめざしている親御さんにとっては、切実な悩みかもしれません。
赤ちゃん、あるいはお母さんのお腹にいるころから、英語の聞き流しを始めた親御さんもいるでしょう。※ちなみに赤ちゃんの段階から、英語の聞き流しをする効果については別の記事でお伝えしているため、参考にしてみてください。
ただ、日本語の学習を並行して進めなければ、英語も日本語も中途半端な理解力に留まるとも言われます。たとえば、日本語の語彙が乏しく、文法を正しく理解できなければ、文章を書いたり説明文を理解したりするのに苦労するでしょう。
そうなれば、他者とのコミュニケショーンも取りづらくなり、子どもが自信をもてなくなります。この話を聞くと、日本語と英語のバランスを取るのは本当に難しい…と余計に心配になるかもしれませんね。
これは、一例ですが、いずれにしてもバイリンガルに育てるには、日本人同士のご夫婦であれ、国際結婚のご夫婦であれ両者がよく話し合い、家庭内外のルールを決めておくのが一つの方法のようです。
ただし、ルールにがんじがらめになると、子どもに無理強いさせることになってしまい「英語は嫌い」「日本語も嫌だ」と言葉に対する興味を削ぐ結果となるでしょう。
意識したいのは、子どもに対して何かを強要するのではなく、親が楽しめるかどうかです。朝や夕方の英語タイムは、家族皆で英語に親しむ、幼稚園の送迎時にはCDを聴かせるなど、工夫します。
また、親自身が洋楽を聴くのを楽しんだり、子どもと一緒に資格試験に挑戦したりする姿を見せるのは、子どもにいい影響を与えるでしょう。
子どもに英語を「覚えさせる」という上から目線的なサポートではなく、「親子一緒に英語を楽しむ」「親が楽しむ姿を子どもが目にする」状況をつくることが大切なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、早くから英語教育を始めた親御さんが「英語学習で大変だと感じる」点と対処法について解説しました。
読まれた方のなかには「みんな大変な思いをしているんだなあ」と思ったり「意外と、自分の取り越し苦労だっかかもしれない」と安心したり、さまざまな思いをもたれたでしょう。
今回の記事でご紹介したように、英語学習をさせるときに、親が心に留めおきたいフレーズは、次のとおりになります。
- 失敗してもOK!失敗で学べる
- 違いがあるから親しくなれる
- 子どもの思いを理解する
- 親自身が楽しむ
子どもに、英語学習をさせたいと思う親御さんは、はっきりした目標をもっていると思います。思いが強いからこそ、知らぬ間に子どもに強要してしまうときもあるのです。
イライラしてしまう場合は、一人で悩まず、誰かに話を聞いてもらったりアドバイスをもらったりしましょう。ご自身を客観視できれば、子どもに冷静に接することもできるかもしれません。
お子さんをよりよく理解し、一緒に英語を楽しむ時間を大切にしましょう。お子さんが英語が得意になればいいのですが、「英語は好き!だって楽しいもん!」と話す際の笑顔を見たいですよね。