マタニティからの『英語』は効果アリ!
赤ちゃんはママのおなかにいるときから、聴覚や記憶能力が備わっていることが分かっています。
このため、胎内にいるときから音楽を聞かせたり声をかけたりして、成長をサポートすることに関心のある方もいるでしょう。
英語シャワーもその一つ。英語シャワーとは英語の音やリズムに親しむインプット型の聞き流しを指します。
赤ちゃんや子ども時代から英語を聞かせることで、英語耳や英語脳を育てる効果があるとされているためです。
実際、赤ちゃんがママのおなかにいるときから英語シャワーを聞かせるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は、マタニティ期に英語を聞かせる効果について解説します。子どもの英語耳と英語脳を育てたいと考える方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
マタニティ期の胎児は10ヶ月で急成長
まずは、赤ちゃんがママのおなかにいるときの聞く力、聴力の発達を含めながら赤ちゃんの成長について簡単に解説します。
マタニティ初期の赤ちゃん
妊娠初期1ヶ月目には脳と脊髄が作られ始め、5週目に入ると目の原型がつくられます。6週目から大脳や中脳、8週目には大脳皮質のもとができあがり心臓に血液が流れ始めるそうです。
3ヶ月目に入ると、ニューロンの数が急速に増え始め、赤ちゃんはおなかの中で足を動かしたり体の向きを変えたりします。その後は脳の神経細胞がつながりはじめ、指をすう動作も見られるようになります。
マタニティ中期
妊娠中期になると味覚も発達し、6ヶ月目になると脳の表面にいわゆるシワが見られ始めます。このときに視覚、つまりママのおなかのなかで明暗を感じたり、身体や指を活発に動かしたりする様子がうかがえるとか。
そして「聴覚」も急速に発達します。英語を聞き始めるのにもっとも適した時期といえます。この時期に、ママの声や血液が流れる音を聞き分けるようになるといわれるため、積極的に赤ちゃんに語りかけるとよいでしょう。
マタニティ後期
妊娠後期になると、さらに大脳が発達し、聴覚がほぼ完成します。好きな音やリズムが脳の中のネットワークに良い影響を与えるでしょう。赤ちゃんが心地よく感じるのは、ママも同じです。親子共々できるだけリラックスした状態を心がけるようにします。
9ヶ月目に入ると、脳が大人とほぼ同じ形になり、眼球を動かしたり瞬きをしたりします。10ヶ月目の胎動が少なくなれば、お産がもうすぐ!
マタニティ期|英語シャワーのタイミング
赤ちゃんがおなかにいるときに英語の聞き流しを始めたい方は「いつぐらいからがいいのかしら」と疑問に思うでしょう。前述したように、妊娠中期ごろから始めるのがおすすめです。
ただ、きっかり中期とは思わなくてもいいでしょう。大切なのは、ママ自身が心身ともにリラックスできていること。「英語を聴かせなければ!」と張り切り過ぎたり義務感をもったりするのはよくありません。
ママが「聴きたいな〜」と思うときから始めればいいのではないでしょうか。赤ちゃんができたとわかったころから、あるいはつわりのひどいときのリラックス方法の一つとして…。
「つわりがひどすぎて、音楽さえ聞いていられない」状態なのに、無理をして英語シャワーを浴びようとすれば逆効果となるかもしれません。
赤ちゃんのために…と思い込まず、まずはママ自身が気持ちのよい時間をすごせるかどうかにフォーカスするようにしましょう。
マタニティ期に良い音ってどんな音?
英語だけでなく、音楽を聴くこともよいとされていますが、”よい音”とはいったいどのようなものなのでしょうか。
マタニティ期に聞くとよいとされる音のイメージは以下の2点といわれています。
- ママの心臓の鼓動くらいのはやさ
- 440~600Hzくらいの周波数
とくに周波数については528Hzが愛の周波数ともいわれ、もっとも神経に安らぎを与えるそうです。
市販の歌CDにもこの周波数を意識して作られているものがあるため、参考にしてみてください。ただ、記事を読まれている方のなかには、つぎのような疑問をもつ方もいるでしょう。
「英語の周波数はどのくらいなのかしら」
心地よく聞ける周波数であればよいのですが…実は言語の周波数について調べてみたところ、下記のように英語の周波数は意外に高いことがわかりました。
- 英語2000から12000Hz以上
- 米語1000から4000Hz
- イタリア語2000から4000Hz
- フランス語1000から2000Hz
- ドイツ語125から3000Hz
- 日本語125から1500Hz
- ロシア語125から8000Hz
この話を聞くとさらに次のような疑問がわきます。
「英語シャワーで本当に心地よくなるのかしら」
生後6ヶ月から8ヶ月ごろの赤ちゃんが日本語の音声のみを聴いて育つと、その後は英語の音を聞き取りにくくなるといわれます。ただ、赤ちゃんがママの胎内にいるときは、どちらかといえば、そこまで気にすることはないのでは…。
ママのなかには英語の歌ばかり聴いていたら、逆にストレスを感じる方もいるでしょう。
先ほどの周波数の数値だけ見ると疑問や心配が生まれそうですが、どの国の人であれ基本的に母国語が行き交う環境で赤ちゃんを生み育てているのは確か…。
日々の生活のなかで、ママ自身がリラックスできる環境であるかどうかが大切!と考えてみましょう。
マタニティ期赤ちゃんの聴覚は生後につながる?
赤ちゃんは胎内にいるときに聞いていた声に、生後よく反応するといわれます。まったく聞いたことのない声よりも、おなかの中にいるときによく耳にしていた声に反応するというのです。
つまり、ひとつの言語で生活するママから生まれた赤ちゃんと複数の言語で話すママから生まれた赤ちゃんとでは、生後の言語に対する反応が異なるのです。
バイリンガルに育てたいと思えば、赤ちゃん時代から複数の言語を使って赤ちゃんに語りかけるのがよいとされているのは、こうした研究結果が背景にあるといえるでしょう。
実際は、まだ研究の途中ではありますが、周囲の環境がママの胎内で育つ赤ちゃんの成長に影響を与えるのは、少なからずあるというのが今の見解です。
マタニティ期の英語シャワーのコツ
周囲の環境が少なからず影響を与えるのであれば、できるだけ良い環境に整えていきたいですよね。しかし、赤ちゃんをバイリンガルにさせたいばかりに、ママが「英語シャワーを浴びなければ」と半ば強迫観念にもとづいて生活するのは、逆に悪影響です。
実際に胎内の赤ちゃんは妊娠6ヶ月ごろから聴覚を発達させるといわれています。周囲にいる人の声や言葉を聞き取れるようになるのです。
それ以前からでももちろん、お母さんが赤ちゃんにたくさん語りかけることは、聴覚だけでなくそれ以降の言語力や心の安定につながるでしょう。
まずは、ママの声で英語を聞かせてみましょう。
ペラペラ英語でなくても、愛情のこもった同じフレーズをくり返し使ってみるのです。ここでは、ママの声で英語シャワーを届けるコツを紹介します。
ママの声で英語フレーズ
ママが赤ちゃんに語りかけるフレーズとして、今回はシチュエーションごとに紹介します。どのフレーズも、自然な感じでリラックスしながら使ってみましょう。
赤ちゃんの名前が決まっていれば「○○ちゃん、今日はね…」と語りかけます。名前を付けた方が語りかけがしやすいかと思います。名前が決まっていない場合は、ベビーちゃん、かわいこちゃん、のようにしてもいいですね。
朝起きてから
- Good morning,baby.(おはよう、赤ちゃん)
- It’s sunny today! (今日は天気がいいわよ)
- I’m sleepy yet.(ママはまだ眠いわ)
食事を作るときに
- I’m hungry.(おなかがすいたわ)
- Toast smells good.(トーストがいい匂い)
- Here you are,it’s hot milk.(さあ、ホットミルクよ)
お出かけするときに
- Let’s go shopping together.(一緒に買い物にいきましょう)
- It’s a little chilly. I’ll put on a coat.(ちょっと寒いわね、コートを着るわ)
- Be careful…We’ll walk carefully. (気をつけて、歩きましょう)
愛情をこめて
- You look so fine.(とっても元気ねえ)
- How are you?(ごきげんいかが?)
- Are you sleeping?”(眠っているの?)
- I love you.(大好きよ)
- You are a treasure for me.(あなたは私にとって大切な宝物よ)
- I’m looking forward to seeing you.(あなたに会えるのが楽しみよ)
- I want to see you soon.(早く会いたいなあ)
絵本や音楽を使って
- This book is very good story.(この本はとってもいい話なの)
- I love this song.(この歌私が好きなの)
- Do you like it?(あなたは好き?)
- Let’s enjoy together.(一緒に楽しみましょう)
ちょっとママが調子悪いとき
- I’m tired so I’m going to lie down(疲れたから少し横になるわ)
- Morning sickness is a little hard.(つわりがちょっとつらいわ)
- I’m not feeling well today.(今日は調子が良くないわ)
ママが感動したとき
- The blue sky is so beautifu.(空がとってもキレイ)l
- The flowers are so beautiful.(花がとってもキレイよ)
- The moon is shining bright.(月がキレイに輝いているわ)
食事のとき
- I’m hungry. What do you want to eat?(おなかが空いたね、何食べる?)
- I want to eat tomato pasta.(私はパスタを食べるわ)
- I’m so full,aren’t you?(お腹がいっぱいね)
普段ママがしていることを、赤ちゃんに報告するようなイメージで語りかけてみましょう。
今の感情を赤ちゃんと共有すればいいのです。
また、最初のお産について、ママは大きな不安を抱える場合もあります。
そのときも、「ちょっとお産が不安なのよね、あなたは大丈夫?〇〇ちゃん、助けてね。一緒に頑張ろうね」I’m a little worried about birth. Are you Are you okay? Babe, please help me. We will work hard togetherのように語りかけてOK!
赤ちゃんが返事の代わりに、身体を動かしてくれるかもしれませんよ♪
英語絵本の読み聞かせで心も優しく
絵本は目の前に赤ちゃんがいないとしても、おなかの赤ちゃんにお話を聞かせるイメージで語りかけてみましょう。
胎内の赤ちゃんに語りかけるように読み聞かせするのは、生まれてからもくり返して読み聞かせができるようにするためでもあります。ただ、先のことをあまり考えずに「いま、このとき」を大切に赤ちゃんとのつながりを感じてみましょう。
生まれてから実際に読み聞かせに使えるよう、0歳児用の絵本を用意するといいですね。
ただ、現在は大人もリラックスできる絵本も多く販売されています。妊娠時のママは、つわりがひどかったり、メンタル面の浮き沈みがあったりとたいへんなときもあるでしょう。
そういうときに、癒しの時間をもてる絵本タイムは、赤ちゃんだけでなくママにとってもおすすめの時間といえます。下記の3つは、おなかの赤ちゃんへの語りかけにピッタリの絵本です。
Guess How Much I Love You
対象年齢 | 2~5歳 |
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作者 | Sam McBratney (著), Anita Jeram (イラスト) |
特徴 | 世界で5000万部以上売り上げているといわれる有名な絵本。お互いをどれだけ愛しているかを表現しようとしている世界観。 |
I Wish You More
対象年齢 | 5~8歳 |
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作者 | Amy Krouse Rosenthal (著), Tom Lichtenheld (イラスト) |
特徴 | インスピレーションを与える子ども向けの絵本。1つ以上の願い、さらには3つ…と無限のポジティブな願いに満ちている話の内容。 |
I Love You to the Moon and Back
対象年齢 | 2~5歳 |
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作者 | Amelia Hepworth (著), Tim Warnes (イラスト) |
特徴 | クマの親子の一日を追った絵本。フレーズは優しい韻を踏んでおり、何気ない日常に感謝と愛を感じる内容となっています。 |
英語の歌でママもリラックス
音楽も癒しのひとときとなるでしょう。ママのお気に入りの歌CDをおなかの赤ちゃんと一緒に聞くのもいいですね。
できることならCDを聞きつつ、ママが気持ちよく歌っていると赤ちゃんもきっと喜びます。赤ちゃんが生まれてから、同じ歌を歌って聞かせると笑みを浮かべるかもしれません。
ママがポジティブな気持ちで楽しく歌ってくれれば赤ちゃんはうれしいのです。
上手にうたえるかどうかではなく「歌ってあげたい」気持ちを大切に、ママが赤ちゃんに歌って聞かせてあげましょう。
こちらの記事(赤ちゃんに英語で子守唄を歌うメリット|おすすめ子守歌8選)では、ゆったりとした気もちで優しく歌える曲を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、まとめに入ります。
まとめ
今回はマタニティ期に赤ちゃんにどのように英語シャワーを届けてあげたらよいか解説しました。
赤ちゃん時代に日本語とは異なる言語でママが語りかけると、生後の音の聞き分けにもプラスの影響をもたらします。
ただ、ママが「ちゃんと正しく語りかけなければ」とプレッシャーを感じたり義務感を抱いたりして赤ちゃんに語りかけるのはよくありません。緊張感のあるママの声より、ゆったりとリラックスしたママの声を聞きたいはず。
英語表現のまちがいや失敗などをあまり気にせず、楽しみながら笑顔で赤ちゃんに語りかけられるように。そして、とにかく愛情をた~っぷり伝えてあげてくださいね。