2020年は英語教育改革の年
こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
2020年に英語教育改革が行われたのはご存じでしょうか。
ミライコイングリッシュを読んでくださるママさん、パパさんは、英語に関する教育事情に詳しい方が多いことでしょう。
改革が行われたことを何となく知っているけれど、具体的な内容までは知らない方、あるいは、内容を把握したうえで「本当にこの改革で子どもの英語力が向上するのだろうか…」と疑問に思う親御さんがいるかもしれません。
こちらの記事では、0歳から6歳の小さなお子さんをもつママさん50人にアンケートを行いました。テーマは2020年の英語教育改革についてです。2回に分けて解説しますので、ぜひご確認ください。
気になるアンケート結果は…
それでは、早速「2020年の英語教育改革を知っていますか?」といった質問に対する回答結果をお伝えします。
上のグラフでおわかりのように、英語の教育改革について「よく知っている」と回答した人は全体の8%と、かなり少ない数値でした。しかし「なんとなく知っている」「聞いたことがある程度」と回答した人も合わせると、全体の半数以上を超えているのがわかります。
「全然知らない」と回答した人も全体の36%。つまり3分の1以上は英語教育改革について知らないという結果になっています。
さて、引き続き「英語教育改革に何を期待するか?」といった質問の回答結果をご報告する前に、そもそもこの教育改革はいったいどのようなものを指すのか確かめたいですよね。次の章で解説しますので、ぜひご確認ください。
2020年英語教育改革とは?
ここでは、英語教育改革の概要と各校種のおける英語教育について紹介します。
2020年の英語教育改革は、日本の社会情勢の変化に応じて行われました。大学入試改革や学習指導要領改訂も深く関連しています。この改革は、グローバル化する社会に適した教育体制を整えるための重要な取り組みです。
新学習指導要領にもとづく英語教育改革は、段階的に実施され、高校でも2022年度の新入生からは英語の授業が新課程に移行しました。つまり2024年度から大学入試における英語の試験内容が新学習指導要領を反映したものになります。
今回の学習指導要領では、小学校中学年から「外国語活動」として英語教育が開始されます。4技能(聞く、話す、読む、書く)を実践的に伸ばすため、まずは英語の音や文字に親しんだり英語によるコミュニケーションを取り入れたりします。
また、小学校高学年からは英語が教科化され、読み書きのスキルも加わります。子どもたちが苦手意識をもたないように、英語のやり取りを重視しながらも基本的な表現や文法を学びます。
中学校では、「聞く」「話す」に重点が置かれ、授業が英語で行われる方針となりました。生徒間のコミュニケーションを英語で行うことが促され、また中学校では、語彙習得や文法、高度な表現方法なども学習します。このため、高校入試の出題傾向も変化する可能性があります。
高校の英語授業では、ディスカッションやプレゼンテーションを通じて、自分の意見や考えを論理的に伝えるスキルが育成されるのが特徴です。大学入試もアウトプットを評価する傾向が強まり、学校教育のアプローチが変わることが予想されます。
では早速、次章より、英語教育改革について質問した結果報告をお伝えします。
英語教育改革への期待は?
2020年の英語教育改革は、従来までの「読み書き」中心型の教育内容からの完全なる脱却を図っているものと考えられます。聞く・話す・読む・書くの技能をバランスよく育成し、実際の場面で「使える英語力」を育成するための改革と考えられます。
アンケートでは、「2020年の英語教育改革に期待することはありますか?」といった質問を行いました。その回答結果でもっとも多かったのは「会話中心の実践的な能力向上」でした。
先ほどの概要でもお伝えしたように、今回の英語教育改革では「英語の実践的な使用場面」を意識した教育方法が導入されています。このため第1位の回答結果はうなずけるものといえるでしょう。
学校や地域によって、取り組みの差が大きい点も英語教育の課題となっています。このなか、国をあげて子どもの英語力を総合的に向上させる必要があると判断して、今回の改革がなされたともいえるでしょう。
言語力は、豊富な語彙力を身につけたり文法を正しく理解したりすることを通じて、適切な表現方法で他者と意思疎通を図るなかでどんどん鍛えられます。英語力を単なる暗記力と解釈する人もいるかもしれませんが、実際は会話や体験によって、磨かれるものなのです。
いくらたくさんの単語を知っていても、その使いみちや使うタイミングを知らなければ宝の持ち腐れとなってしまうでしょう。あるいは「この場面では、使うにふさわしくない単語」を堂々と話してしまうミスをおかす可能性もあります。
こうした状況を改善するには、やはり子どものころから実際に使ってみる楽しさや意義を理解する必要があります。聞く、読むといったインプット的な要素に加えて、話す、書くといったアウトプットを取り入れることで、インプットの正誤も正しく把握できます。逆に、話したり聞いたりするには、ある程度のインプットが無ければ難しいでしょう。
実践的な英語力を向上させるには、簡単なやり取りや対話を取り入れた学習方法が有効です(ただ、会話力だけを重視するのは、本当の英語力を養えません。語彙力や文法力などはやはり重要な要素と考えられます)。
↑上記のように、ママさんたちは「全ての生徒が英語で突然話しかけられても普通に答えて、会話もある程度できる力をもってくれれば…」と思っているようです。
「机上の英語」ではなく…といったフレーズもあるように、問題集とノートを使って問題を解くといった学習方法に偏る段階では、総合的な英語力を養うのは難しいでしょう。
せっかく英語の教育改革が行われたのですから、実践的で使える英語力を身につけてほしい実践的で使える英語力が身につくようになってほしいと願うママさんたちが多いのは納得できますね。
2位は納得、3位は少し切ない回答…
「2020年度の英語教育改革に期待することはありますか?」の質問に対する回答結果は、「まずは英語に慣れ、興味をもってほしい」ということでした。
英語の授業が始まるといわれたときに、子どもたちが身構えてしまったり「できなかったらどうしよう…」など、恐怖心を感じたりするような授業であってほしくないと考えているのでしょう。
学校側が子どもに英語学習を「強要」するのではなく、子どもが「英語を話せるようになりたい」「もっとたくさん英語で話したい」といった意欲をもって学習に臨める環境づくりをしてほしい…といった内容です。
回答にもあるように「まずは英語に慣れ、興味を持ってほしい」という言葉は、多くの親御さんが納得できるものではないでしょうか。
第3位の結果は、「正直、期待していない」と言った内容でした。切ないというか、寂しいというか…微妙な印象をもちますね。
こうした答えを出している親御さんたちは、とても現実的な見方をしていると考えられます。「マイナス思考すぎる、もっとポジティブに物事を考えよう」と人からいわれたとしても、意外に冷静に「いやいや、学校に期待しないて自分たちでやるべきことやったほうがいいよ」と言うかもしれませんね。
実際に英語教育改革があろうとなかろうと、すでにご家庭で英語教育をスタートしていたり、子どもを英会話レッスンに通させたりしている可能性もあります。
4位「異文化への理解を深めてほしい」
2020年の英語教育改革に期待していることの第4位は、「異文化理解を深めてほしい」といったものでした。
英語力そのものを高めるだけでなく(あるいは英語力を高めるというよりも)英語圏の文化や歴史、生活様式などをしっかり理解してほしいと思っているようです。
母語とは異なる言語を習得する利点は、言葉の背景や由来、歴史などに触れることができる点です。日本人と海外の人々の価値観を比べても大きな違いがあります。
違いがあっても、仲良く生活するために「どう折り合いをつけるのがよいか」「互いをより良く知るにはどうすればよいか」など自分なりによく考える必要があります。
その過程で、言葉をどう使い、表現するのか…といった点も含めて、言語学習を通じて、さまざまなモノの見方や考え方を身につけられると考えるのは、正しい判断でしょう。
まとめ
「2020年の英語教育改革について、知っていますか?」といった質問と同時に「その英語教育改革について期待することはありますか?」といった内容でママさんたちに聞いてみました。
今回の記事を通じて、英語教育改革の概要や多くのママさんが考えている内容についておわかりいただけたでしょう。
今回の改革は、日本の状況やグローバル化を鑑み、英語力の育成が今度の社会や生き方をより良くするために必要だとする考え方が根底にあります。
他人事ではなく、自分たちや子どもに関わる大事な出来事として受け止め、親として子どものより良い未来をつくっていくにはどうしたら良いか考える機会となります。国や他人に頼り過ぎることなく、自宅でできることはないか、この機会に考えてみるのも良いかもしれませんね。