こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
今回のアンケートは、0歳から6歳の子どもをもつママさんで、なおかつ英語学習を現在「させていない」というママさんにしてもらったものです。
「英語学習をしない理由は?」の質問に、多くの回答を得られました。
現在、子どもに英語学習をさせていることに対して、何の迷いもないという親御さんや、英語学習をスタートさせるにあたって迷いを感じている親御さんも、このアンケート結果が気になることでしょう。
英語を習うのを子どもが嫌がっている場合はどうしたらいいのか、やめさせるべきか…と悩んでいる方がいるかもしれません。
このような方々にとって、世間の親御さんたちが「英語学習は別にさせなくていい」と感じる理由が分かれば、なんとなく安心するのではないでしょうか。
「〇〇させなくては!」「やめさせてはいけない」と義務感や否定語などに縛られていると、英語学習をさせ続けるのは苦しいですよね。また、イヤイヤ続けている子どもにとっても、デメリットになります。
「子どもがどうしても嫌だったらいつでもやめさせていいんだ」と心のどこかに残しておくことで、逆に英語学習を続けられるかもしれません。
今回の記事で「英語学習をしない理由」を知れるのは、英語学習の本来の目的を見直す機会となるでしょう。
英語学習をしない・させない理由とは?
早速ですが、親が子どもに英語学習させない理由の1位から8位までを紹介します。以下のグラフをご覧ください。
上記から分かるように、子どもの英語学習に必要性を感じなかったり、金銭面との兼ね合いもあり、ほかの習い事を優先したり…などの理由が挙げられます。上位から順に確認していきましょう。
1位「英語学習はまだ早い」
英語学習をさせるには、年齢や発達段階のうえで「まだ早い」と思う親御さんがいます。小さい子どもは、食べたり寝たり、そして遊んだり…など、生活習慣を身につけながら、自分がしたいように遊ぶ時間は必要でしょう。
伸び伸びと成長してほしいと願う親御さんであれば、早期の英語教育に抵抗感を抱くかもしれません。おそらく「勉強=大変」と捉える人ほど、「小さいときくらい、子どもの思うがままに生活させたい」と思うでしょう。
ただ、英語学習そのものに対して完全に否定しているわけではありません。時期が早いとしているだけで、英語学習そのものについては、もしかしたら必要性を強く感じている可能性もあるのです。時期が来たら始めさせたいと思う親御さんもいるでしょう。
それまでは、イラストのコメントにあったように、さりげなく英語の歌を取り入れるなど、上手に”移行”させている方もいます。なかには、英語で絵本の読み聞かせをする親御さんがいるかもしれません。
早くから英語を教えることに抵抗感を抱く親御さんは、英語学習を「学校やスクールの勉強」と捉える傾向があります。どちらかといえば、決められた環境やカリキュラムに基づいて行われる教育と捉えているのです。
しかし、最初から「学び」と捉えるのではなく「遊び」とするのであれば、早くから英語に触れさせるのはいいかも…と考え直すのではないでしょうか。
早期の英語学習にはメリットがあります。言語習得の第1臨界期は生後6~8ヶ月と生後10~12ヵ月の間、第2臨界期が7歳前後といわれ、早い段階で英語のインプットを行うのは、英語力の習得にプラスに働きます。
子どもの英語学習については、子どもの興味や関心からスタートさせると考えれば、「遊び」を上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。。
2位は「子どもが英語に興味をもたない」
「子どもが英語を聞きたがらない、使いたがらない」ケースもあるでしょう。楽しそうなアニメーションを英語で見せれば興味をもつだろうと思っても、必ずしも子どもが興味を示すとは限りません。
「英語なんて覚えたくない」「日本語があるんだからいいじゃん」と子どもが話す言葉を聞いて「無理に覚えさせなくてもいいかな」と親御さんが思うのは普通でしょう。
ただ、この場合も「聞かせよう」「言わせよう」と親が頑張りすぎたり子どもに強要し過ぎたりする必要はありません。子ども園の送迎や家事の合間に、英語の歌やチャンツを流すようにするだけでも効果はあるのです。
赤ちゃんが言葉を覚えるのは、まずは「聴く」ことからスタートします。インプットの機会や量を増やせば、自ずと言語の音やリズムの聞き分けるようになるでしょう。
大人が「子どもは興味をもっていない」と思っても、何がきっかけで興味づけられるか分かりません。早々と「ダメだ」とマイナス的に判断せず、少し大らかな気持ちで英語に触れる機会をつくりましょう。
ただ、親御さんのなかには「子どもの自主性を尊重したい」と思い、あえて英語学習の場を設定しない方もいます。
たしかに子どもは自然に育ちます。たとえば赤ちゃんは、親から「歩きなさい」と言われて歩くわけではありませんね。親から「指を動かしなさい」と言われて自分の指を眺めたり指をなめたりするわけではないでしょう。
子どもには元来、好奇心があるという考えから、「興味を持たせるべく英語をわざわざ持ち出さなくてもいいのでは」と思う人がいてもおかしくありません。
しかし、自主性は、人間がもともともっている力とは別に、「よりよく在る」ためのきっかけを与えることで、一層強くなる場合があります。箱の中に閉じ込めては、子どもの自主性や可能性は広がりません。
「箱の外にも面白い世界があるよ」と情報提供すれば、子どもは「へえ~、面白そうだ」「う~ん、ちょっと違うなあ」と取捨選択できます。人間として成長もまた、与えられた環境によって良くも悪くもなるのです。
英語学習についても、外の世界を伝える情報の一つと捉えてみましょう。子どもに「英語って楽しいよ」とおすすめするのは、決して子どもの自主性を軽んじているわけではないのです。
むしろ、多種多様な情報から「何をどう選択できるのか」と考える機会を与えられるのは、子どもの自主性を育てるうえで大切なことだと思います。
3位「金銭的な余裕がない」
とても現実的な回答ですね。「お金があれば英語学習をさせられる」という理由が背景にあると推測できます。
決してお金がないわけではないケースもあります。スポーツ少年団やピアノやエレクトーンなどの習い事をさせている場合、プラスαの英語学習は、優先順位から遠のくでしょう。
しかし「英語=お金がかかる」のは、必ずしも正しいとはいえません。短期間で効率的に学びたければ、スクールに通うことも考えられます。しかし、自宅で英語を学ぶのは可能です。
図書館で英語のCDやDVD、絵本を借りたり、YouTubeで英語の動画を視聴したりできます。無料で参加できる地域主催のイベントに参加するのも、子どもの好奇心を高めるでしょう。
英語を学ぶのは、「塾に行かねば…」「教材を買わねば…」のようにお金のかかる方法だけとは限りません。英語だけでなく、どの学びであってもやり方次第なのです。
見方や考え方を変えて、自宅で簡単にできることから英語を取り入れてみてはいかがでしょう。子どもの興味を広げる方法は、お金がなくてもできるものがありますよ。
4位「まずは日本語をしっかり覚えてから」
英語を学習させない理由として、「英語よりまずは日本語」とする考え方があります。日本語をしっかり覚えないと、逆に困るだろうと親御さんが思うのは普通でしょう。
「日本語をまず覚えてから」と思い、早期からの英語教育に消極的な親御さんのなかには、バイリンガルの難しさを分かっている方が多いかもしれません。
たとえば、両親のどちらかが多国籍の場合でも、子どもが完璧なバイリンガルに成長するには、難しさや大変さがあるのは事実です。
父親が子に英語、母親は子に日本語、学校では日本語、家庭内の会話は英語…のように、夫婦でルールを決めて、しっかり守っている家庭の子がバイリンガルになるともいわれます。
結局、親の根気と努力の成果がバイリンガルにつながるといえるでしょう。
この事実を分かっている親御さんほど、「まずは日本語」と考えるのは、ある意味正しいかもしれません。しかし、子どもの将来を考えるならば…となればどうでしょうか。
IT化が進み、グローバル化が加速するなか、英語教育の必要性はどんどん増しています。これからの社会に生きる子どもたちにとって、「多様性」は一つの大きな価値観となるでしょう。
時代の潮流に合わせつつ、必要なスキルを身につけるうえで「英語を習う時期ではない」と親が判断するのは、子どもにとってリスクかもしれません。
それよりも、言語習得の臨界期に沿う幼少期から小学校低学年にかけて、英語に触れる機会を設定するのは、子どもの可能性を拓くために大切でしょう。
日本語が中心の生活環境では、英語をスパイスとして取り入れることで、かえって日本語のよさや理解につながるかもしれません。日本語と英語の違いに触れるのは、子どもの思考力を養うともいえるでしょう。
5位「英語学習に必要性を感じない」
ここまでお読みになって、こちら5位の「英語学習に必要性を感じない」の理由について、もしかしたら違和感をもたれる方がいるかもしれませんね。
親御さんによっては、「小学校で英語教育が始まっているし、わざわざ家庭で教えることもない」と思う方もいるでしょう。
たしかに、小学校低学年から外国語活動、高学年では英語が必修化となっています。テキストが用意されて、カリキュラムとして確立されているのは事実です。
しかし、語学は毎日継続して学んだり使ったり…をくり返すことで定着します。
ちなみに、学校で週に3時間勉強しても確保できたとして、年間で約150時間程度。2000時間までには、13年間かかります。
英語を必要とする社会になるのに、親御さんが「英語を学ぶ必要はない」と考えていいものか…。実は、子どもにとって酷な結果を招く恐れがあることを認識しておく必要があります。
小中高校と続く学びの継続性を考えましょう。「英語は難しいから嫌だ」と思う子どもよりも「英語は難しいけれど楽しい」と思える子どもの方が、ポジティブな学校生活を送れるのではないでしょうか。
ここからは、少数派の回答を確認していきましょう。少数派の回答は実にさまざまですが、どれも「うんうん、分かる分かる」と納得の回答内容です。
少数派の回答はさまざま
まずは、「英語よりほかの教育に力を入れたい」というものです。ピアノやエレクトーン、絵画かもしれません。また、サッカーやスイミングなど運動も考えられるでしょう。
語学が早期から…と同様に、音楽や芸術、スポーツに関しても、吸収力の高い幼児期から始める価値はあると思います。何かをさせるなら、あれもこれもとさせるより、1本に絞った方がいい面はあるでしょう。
「何から始めたらいいか分からない」というものもありました。これについては、あまり肩に力を入れず、やれるものを探してみることから始めましょう。英語に関する学習アイテムは、実は以前よりも広く多く存在しています。
自由な感じで始めたい場合は、CDやDVD、絵本など市販のものを使いましょう。YouTubeやアプリの活用もおすすめです。さまざまなものを試して、子どもが興味をもったり集中して視聴したりするものがあれば、似たような教材を探すことにつながります。
「親が英語ができないのでやれない」の回答は、実際に早期の英語教育を始めた親御さんにもある悩みといえます。間違った英語を教えてしまっては、あとで修正が難しい…と思うからこそ、躊躇してしまいますよね。
しかし、母国語ではない英単語の使い方やニュアンスを完璧に理解するのは、誰しも難しいのです。この辺りは、ある程度開き直り、「失敗してもやり直せばいい」と考えておくのは重要でしょう。
「英会話教室は敷居が高そう」という回答も納得できます。英語やネイティブに対して抵抗感をもっている親御さんほど、消極的になりますよね。
しかし、金銭面での課題がクリアできれば、ネイティブや専門スタッフが、独自のカリキュラムで教えてくれるため、安心してお子さんに英語学習の機会をつくれます。
とはいえ、やみくもに「英会話教室に通わせる!」と考える必要はありません。まずは、お子さんが英語に対して興味をもつことが先決です。きっかけは、英会話教室の体験レッスンであったとしても、無理強いをさせないようにしましょう。
子どもが多言語を学ぶメリットは大きい!
英語に限らず、子どもが外国語を学ぶのは、成長過程に大きなプラスとなります。本記事の終わりに、多言語を学ぶメリットを解説します。
- 集中力や記憶力がつく
- 国語や算数にも好影響
- 創造性豊かになれる
- 外交的になれる
早速4点の内容を説明します。
集中力や記憶力がつく
『Brain and Language(脳と言語)』に発表された研究では、多言語を話す人は、1言語しか話さない人より、状況によらず特定の作業に集中できる能力に長けているとされました。
米国神経学学会は「2言語以上の話者は、情報処理のチャンネル数が増加する」と報告しています。また、新しい言語の学習は、記憶力を向上させることも分かっています。
国語や算数にも好影響
『Impact of Second Language Education(第二言語教育が及ぼす影響)』によれば、新たな言語を勉強すると、母国語の文法や語彙、話し方のスキルが向上するそうです。
また、アメリカの外国語教育協議会は「外国語を勉強せず数学の授業を多く受けている学生より、外国語を学ぶ学生の方が数学の成績がよい」という内容を発表しました。ミシガン大学の言語学習誌記載の研究では、「外国語を週に90分ほど学んだ学生の数学と国語の点数が高い」と報告されました。
これらの背景としては、新しい言語を学ぶ際は、構造的な学びが必要となり、論理的思考力を発揮するためと考えられています。
創造性豊かになる
日本語の代わりに英語を使うとなれば、さまざまな情報を取捨選択し、何をどう組み立てるのか…などを考える必要があります。
ほかの人に伝わるような文を作るために、どうすればよいのか試行錯誤しますよね。つまり、問題解決力を鍛えるとともに、アイデアを出すための創造性を養えるといえるでしょう。
外交的になれる
英語学習は、新たな言葉を学習するにとどまらず、新しい文化に出会うチャンスとなります。つまり、英語学習そのものが、新たな「出会い」といえるでしょう。
外国語を学ぶことを通して、新しい人に出会い、コミュニケーションをよりよく進める力を養えるとする専門家もいます。
また、ネイティブと意志の疎通ができたときは、うれしいですよね。外国語を学ぶのは大変ですが、ときどきではあれ、成功体験が、学習する人に自信を与えます。
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このように、外国語を学ぶのは、子どもの成長にプラスの影響を与えます。日本語だけの世界より、英語やほかの言語の世界を知った方が、気持ちがオープンになり、物事を前向きにとらえるかもしれません。
ただ、外交的になれたり自信をもてたりするのも、すべて成功体験がカギを握っています。英語を学ばせるにも、親が「〇〇しなさい」「〇〇しなくてはならない」と強要しては、逆効果となるでしょう。
まずは、子ども自身が、英語や海外に興味をもつことが大切です。親御さんの自然なアプローチによって、子どもから「英語を学んでみたい」と言えば、グッドタイミングとなるでしょう。
まとめ
さて、さまざまな理由で「英語学習をさせていない」ママさんに対して、最後に「今後、英語学習をやらせてみたいですか」とたずねました。これに関しては61%の人が「はい」と回答しました。半数以上の親御さんは、心のどこかで「実は学ばせたい」と思っていたかもしれません。
今回は、英語学習をさせていない理由を紹介しつつ、背景にある悩みや課題を洗い出してみました。それぞれに関して、新たな情報や助言をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
「英語の必要性は分かっても、やっぱりまだ早すぎるのでは」と考える親御さんもいるでしょう。しかし、最初から、詰め込みで英語を教えるわけではありません。しかも語学の習得には多大な時間がかかりますから、数年で終わるのも難しい…。
まずは、語学の習得は長期戦!と捉え、英語に興味をもつことからスタートしましょう。少しずつ英語に触れる時間を増やしつつ、英語嫌いにさせないようにします。目に見える成果をすぐに求めないように…。
目に見えなくても、お子さんのなかにはスキルや可能性などが、すくすくと育っていると信じましょう。