こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
英語教育をできるだけ早く始めさせたいと思う親御さんは多いでしょう。
理想は「ネイティブに近い発音ができて、リスニングもスピーキングもスムーズにこなせる姿」ですよね。しかし、それには少しでもリアリテイのある「生の英語」に継続的に触れさせる必要があります。
これを実現するために、英会話教室に通う方法もありますが、週1のレッスンでは定着が難しいかもしれません。
そこで、YouTube動画!対象となる年代もさまざまで、多くの動画がアップされています。しかも無料です。活用次第では、英会話教室や教材に頼らず、英語力をつけるのも可能でしょう。
YouTubeチャンネルがあるテレビがあれば、大画面で見るのも可能ですが、手軽さを考えると、ついついスマホやタブレットで…というシーンは無きにしもあらず…。
実は、そこに落とし穴があるのです!
今回は、YouTubeで英語を学ぶメリットとデメリットを明らかにしながら、どのようにYouTubeを活用していけばよいのか解説します。記事の終わりに、海外のおすすめ動画を紹介します。
本記事を読むと、YouTubeのよりよい活用の視点が分かりますので、ぜひ最後までお読みください。
子育てのお供、YouTube
まざに、YouTubeは子育てや教育のお供といえます。
YouTubeに任せておけば怖いものなし!とは大げさかもしれませんが、子どもにスマートフォンをもたせる家庭も少なくないでしょう。
YouTubeには、教育系の動画もたくさん投稿されています。音楽にのせて楽しく英語が学べる動画もあれば、中高生にガッツリ英文法や長文読解を教える動画もあります。
いつでもどこでも無料で使え、子どもが興味をもてるチャンネルを発見すれば、すぐ視聴できます。
暇な時間をもて余すこともなくなるでしょう。イヤフォンをつければ周囲の目を気にせず、電車やバスの車内でも自由に視聴させられるのです。
YouTubeで英語を学ぶメリット
前章でお伝えしたように、今やYouTubeは教育用として大いに活用できる媒体になっています。
YouTubeで英語を学ぶメリットは、どのような点になるのでしょうか。「手軽で簡単、しかも無料」以外に、ここで紹介するのは4点です。
- 検索機能で年代やレベル、内容を自由に選べる
- 聴覚・視覚・言語情報を組み合わせて学べる
- 発音の仕方やジェスチャーなどが分かりやすい
- 海外発のものもあり、本場の英語を学べる
それぞれについて詳しく解説します。
検索機能で年代やレベル、内容を自由に選べる
YouTubeの検索機能によって、子どもの年齢や段階に合わせた動画を選べる点がメリットです。
Google検索と同じように、YouTubeの検索機能を使えば、簡単に目的の動画を探せます。
たとえば「英語学習 初めて 幼児 手遊び」と検索すると、数曲をピックアップした動画や海外発の手遊び歌など、多様なチャンネル動画が表示されます。
また、視聴履歴から関連する動画をおすすめしてくれる機能があるのも便利です。わざわざ検索をかけることなく、視聴目的に近い動画を見続けることができるでしょう。YouTubeアルゴリズムの目的が「好みの動画を見つけてたくさん視聴してもらう」であるためです。
※検索アルゴリズムの目的を達成するために、動画の内容やタイトル、説明文、ユーザーの反応などのデータから動画の自動表示に利用されています。これに実際の視聴履歴を掛け合わせて、ユーザーの求める動画が提示されるようになっているのです。
検索機能やアルゴリズムによって、目的に応じた英語学習が可能である点が、YouTubeを使うメリットといえるでしょう。
聴覚・視覚・言語情報を組み合わせて学べる
YouTubeで英語学習をするメリットは、聴覚・視覚・言語情報をフルに活用できる点です。
言語情報を取り入れるにも、聴覚や視覚の両者がそろった方が、スムーズな理解につながると考えられます。
CDで学習するだけでは、聴覚と言語だけになり、不足要素が生まれるでしょう。確かに聴覚は人間が得る情報源として重要ですが、視覚情報があれば、より正しく記憶にとどめられます。
メラビアンの法則とは、まとめると次のような情報と割合が基本の考え方となっています。
- Varbal(言語情報)…言葉の意味や話の内容(7%)
- Vocal(聴覚情報)…声のトーンや抑揚、話し方など(38%)
- Visual(視覚情報)…表情やしぐさ(55%)
「見た目が大事」「見た感じですべてが決まる」と解釈する方もいますが、真意ではありません。メラビアンは、円滑なコミュニケーションについて「非言語的コミュニケーションも重要である」ことを伝えたかったといわれます。
ビジネスの現場で使われる法則ですが、英語学習に当てはめると「英単語を覚えるのに聴覚や視覚を用いれば、さらにスムーズに理解できる」と解釈できるかもしれません。
YouTubeを活用した英語学習は、聴覚や視覚、言語情報を組み合わせて理解を深められるでしょう。
発音の仕方やジェスチャーなどが分かりやすい
先ほど挙げたように、YouTube動画は、CDの不足要素(視覚情報)を補う役目を果たします。英語の場合、とくに重要なポイントです。なぜなら、英語を発音しようと思うと、聞くだけでは上手くいかない場合があるためです。
ご存じのように、英語には日本語とは異なる音がたくさんあります。母音のほか、子音を含めると45種類(発音記号)ですから、英語の発音をマスターするのは至難の業!
日本語と異なる音をどうやって出したらよいか困りますよね。Youtubeであれば、発話者の口元や口内の様子を視覚化した動画があるため、英語の音を再現しやすいでしょう。
また、英語を習得するには、口元だけでなく、ジャスチャーや身体を使って表現するのも有効です。とくに小さい子どもは、真似の天才!発音だけでなく、ジャスチャーや手遊びなどもすぐに習得します。
聴覚だけよりも視覚情報のある動画を用いれば、英語特有の拍やリズム感、イントネーションなどを身につけやすいでしょう。
海外発の動画もあり、本場の英語を学べる
YouTube動画には、海外発の動画もあるため、リアリティのある学びが可能になります。海外の子どもたちが「母国語」を習うときと同じ環境で、日本で学べるのは大きなメリットといえるでしょう。
たとえば、ネイティブも使っている英語のフォニックス、英語圏での音楽やダンス、英語で英単語の解説…など、豊富なジャンルがそろっています。
海外発の動画は、海外に住んでいる、あるいは帰国子女で英語力をキープしたい方にもおすすめです。また、大人の英語力のスキルアップに役立つ動画も多くあるため、親子で楽しみながら学習できるでしょう。
YouTubeの落とし穴
実は、冒頭でお伝えしたように、YouTubeには落とし穴があります。何でもそうですが「ただほど怖いものはない」のが、その理由です。
「無料」となれば、人は思わず飛びついてしまいますよね。手軽で無料なのは、大変ありがたいのですが、その代わり注意すべき点もあるのは事実です。
YouTubeについていえば、たとえば「粗悪なコンテンツがある」「クオリティが保証されていない」などの「落とし穴」といえます。
YouTube側も、きちんとチェックしているのは事実です。ただ、責任は見る側にあると捉え、親として子どもが視聴する動画をしっかり確認しましょう。
まずは次章で、YouTube動画で英語を学ぶデメリットを確認していきます。
YouTubeで英語を学ぶデメリット
YouTubeで英語を学ぶデメリットとして挙げられるのは以下の3点です。
- 子どもがYouTubeにのめり込んでしまう
- 体系的・網羅的に学ぶのが難しい
- 質のよくない動画にあたる可能性がある
次から順に解説します。
子どもがYouTubeにのめり込んでしまう
子育てのお供になるYouTubeですが、便利であるがゆえに、放っておいて気づいたときには「お・そ・い」となる可能性があります。
「お・そ・い」とは、気づいたときには修復できない状態になっているという意味です。子どもがのめり込みすぎて、1時間も2時間もスマホから離れなかったり、まったく違う動画を見ていたりする場合もあるでしょう。
YouTubeは、つまらなければ誰も見ません。制作者としては、視聴回数やチャンネル登録数を増やしたいため、良質のコンテンツづくりに努めます。良質で目的にかなう動画であれば、人気動画となり上位に表示されるでしょう。
初めて視聴する方は、ふつうは上位表示の動画を見るため、よほど合わない動画以外は最後まで視聴します。つまり、ユーザー目線で丁寧に作り込まれた動画であるため、余計に離脱しにくくなるのです。
体系的に網羅的に学ぶのが難しい
YouTubeを活用した英語学習のデメリットとして、カリキュラムにそって体系的・網羅的に学べない点があります。
有料の英語教材は、教材の内容は教育関連の専門家が監修しているケースが多いため、計画的に系統立てて学べます。しかし、YouTubeは、自己流あるいは何かの法則をアレンジして教えている動画も少なくありません。
また、制作者や使用した教材・資料名があいまいな動画もあります。広告収入を得るために作られた娯楽色の強い動画は、子どもの英語学習に不向きかもしれません。
やはり、親の確認は必要でしょう。
質のよくない動画に当たる可能性がある
Youtubeの英語学習に関する動画のクオリティは、本当にさまざまです。動画によっては、英語学習以外の要素で子供向けでない場合もあります。
ほかにも、動画によってはカリキュラムが整っておらず、思いつきで動画を制作している場合があります。そのため、学習のステップが前後してしまうかもしれません。発達段階に合わせて順序立てて学ばなければ、かえって子どもの混乱を招くでしょう。
大人から見て質のよくない動画であっても、子どもの好きなキャラクターが出てきたり、動きの面白さに引かれたりすれば、子どもには楽しい動画となります。
ただ、「キャラクターが好き」「動きが面白い」は、英語を学ぶ目的とは離れてしまいがち…。やはり「質のよさは英語力がしっかり身につくこと」と捉え直し、脱線しないように注意する必要があります。
YouTubeで英語学習をする際のポイント
YouTubeのメリットとデメリットをお伝えしたうえで、YouTubeで英語学習をする際のポイントとして、以下の3点を挙げたいと思います。
- 時間を決めて親子で一緒に見る
- 目的を明確にし、計画的に見る
- 直接やり取りできる場をつくる
3点について、もう少し詳しく解説します。
時間を決めて親子で一緒に見る
最初にお伝えしたいのは「時間を決める」「親子で見る」です。
質がよくても悪くても、子どもの注意を集中力を見事にキャッチするのが動画コンテンツ。素直で何でも吸収する子どもは、大人以上にハマりやすい傾向にあります。
見過ぎたり悪影響を受けたりしないために、時間を決めて親子で見るのは意識したいところ。
海外の研究でも、動画の視聴が子どもに及ぼす悪影響について明らかにされています。
1~2歳児の睡眠時間は11~14時間といわれます(米国睡眠医学会AASM)。しかし、イギリスで行われた調査によれば、夜に動画(テレビ)を1時間以上視聴した子どもは、夜間の睡眠時間が11時間未満になるリスクが高いことが分かったそうです。
ほかに、米国の小学生500人を対象とした調査では、動画(テレビ)の使用は就寝時の抵抗や入眠問題、睡眠への不安、睡眠時間の短縮などと関係のあることが分かっています。動画の見過ぎは子どもの成長に必要な睡眠時間や眠りの深さに影響を与えるのです。
英語学習とはいえ、日中に動画で英語学習をさせる場合は、1時間以上見せない方がいいでしょう。また、デメリットで挙げたように動画の質が悪かったり、子どもが(親の思いとは)異なる動画を見ていたりする場合があります。
できるだけ親子で一緒にみることをおすすめします。集中してのめり込みやすい子どもであるからこそ、質のよさと時間を管理するのは、親の役目と捉えましょう。
目的を明確にし計画的に見る
目的を明確にし、計画的に見る姿勢をキープしておいた方が、子どもの英語力UPにつながります。
目的がないまま、やみくもに見せても、ただ「楽しかった」だけで終わってしまう可能性があるためです。
たとえば「正しい発音練習」を目的とすれば、フォニックス系の動画になります。目的を単語量を増やすとすれば「身近な英単語その1~5」のような動画に選ぶでしょう。
学習内容が系統立てられているチャンネルを順に見せるのも一つの方法です。また、テーマに応じて異なるチャンネルを見せたいときは、親がある程度選択して計画的に見せるといいでしょう。
YouTubeは、大変便利で手軽に英語学習できるツールです。しかし、英語スキルを向上させたいと思う場合、いつどう見せるかは、親の役目といえます。親が直接関わる姿勢で動画を見せるならば、子どもがYouTubeにのめり込み過ぎるのを回避できるでしょう。
直接やり取りする場をつくる
YouTubeは、五感を活かしながら視聴できる便利な教材といえますが、子どもの言語力を養うには、生身の人間と直接やり取りするのが重要です。
アメリカのパトリシア・クール(Patricia Kuhl)博士は「赤ちゃんは語学の天才」と話していますが、言語習得に臨界期(生後6~8ヶ月と7歳前後)があるという説に加え、もう一つ重要な研究報告をしています。それは次のような研究です。
母国語が英語の赤ちゃんを2つのグループに分けました。1つは「テレビを通して中国語話者に中国語を教えてもらうグループ」で、もう1つは「クマのぬいぐるみを見せながら音声のみでレッスンを受けるグループ」です。
どちらのグループも、中国語の習得に大きな効果を得られませんでした。
人とやり取りする場合、予想しない答えが相手から返ってくることがあります。そのときに「どうしようか」と思い、よりよい言葉を見つけては発する‥‥。
動画を見せているだけでは、受け身的なシチュエーションから離れられません。しかし、会話をする場を設ければ、発信側として思考する機会を得られるのです。
言語の力は、やり取りを通して培われるもので、そうした場や時間を設定するのは大切です。一緒に動画を見ている途中も親子のコミュニケーションを入れたり、視聴後や何気ない日常会話に英語を入れたりするなどしてみましょう。
YouTube動画でおすすめのチャンネル
初めて英語を学ぶ場合、アニメーションが含まれたストーリー系の動画もよいのですが、歌やリズムが入った動画をスタート時に入れた方がいいでしょう。
ストーリー性のあるものは、理解ができないと難しく感じる場合があるためです。また、英語の特有のリズムや拍のとり方に慣れるには、歌やチャンツが有効といわれます。
ここでは、歌やリズムが盛り込まれたチャンネルを紹介します。
Cocomelon-Nursery Rhymes
対象年齢 | 1.45億人 |
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内容 | 歌やリズムにのせて単語やフレーズを覚えられる |
特徴 | 明るい3D アニメーション/口元を見せる発音/生活習慣に関する単語など |
2006年からスタートしたCoComelonは大変人気のあるチャンネルです。就学前の子どもたちに楽しい学びの場を提供しています。
大変美しい3Dアニメーションとリズム感のある歌は、子どもたちの心と耳に残ることでしょう。
未就学児が文字・数字・動物の鳴き声・色など、基本的な単語を覚えるのに役立ちます。また、内容的にも社会性を養える内容となっており、親子一緒に見ながら会話をしたり遊んだりする機会を提供してくれます。
Pin kfong! Kids’ Songs & Stories
チャンネル登録者数 | 6150万人 |
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内容 | 童謡/数/子守歌/フォニックス/おとぎ話など |
特徴 | 実写とアニメーション/アルファベットを用いた単語/教育専門家作成 |
こちらも就学前の子どもたちが楽しめる内容です。2011年からスタートしました。子どもを飽きさせない工夫がされています。
子どもが英語の歌を歌ったり、アニメーションに乗せる効果音をふんだんに使ったりしている動画です。
アルファベットをマスターさせたい場合、こちらの動画は有効です。アルファベットだけでなく、単語も一緒に学べるため、自然な習得へとつながるでしょう。
まとめ
YouTube動画で英語学習ができるのは確かです。検索次第で、世界中の多様な番組を見ることができ、五感をフル稼働させて言語を習得できます。
ただ、子どもの好奇心や興味のまま、動画を見させっぱなしにするのはよくありません。目が悪くなるばかりでなく、睡眠に影響を与えるなど、健やかな成長にマイナスに働く場合があります。
回避するには、やはり親の目の行き届いた場所で見させた方がいいでしょう。まずは、何をどのくらい見せるのかを考えて見せる必要があります。また、視聴時間を決めたり、親子の会話の場を設定したりします。
このようにYouTubeは、親の姿勢が良くも悪くも働きます。系統立てて、計画的に…が難しい場合は、識者に頼ったり教材のカリキュラムを採用したりするなど、親側の努力が必要になる点を念頭におきましょう。