こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
こちらでは、0歳から6歳までのお子さんをもつ50人のママさんに、英語学習に関するアンケートをおこなっていますので、ぜひ、その結果を参考にしてみてください。
今回のアンケート内容は「幼稚園での英語の授業がいらないと思う理由は?」というものです。英語学習を始める時期については、早ければ早い方がいいと言われています。そのため「幼稚園ではぜひ英語教育をしてほしい」と望むママさんもいることでしょう。
逆に「幼稚園では英語学習はむしろやらないでほしい」「幼稚園で英語の学習は必要ないと思う」と考えるママさんもいます。
その理由が気になりますよね。今回は、理由を解説しながら幼児期の英語教育に関する情報をお伝えしたいと思います。
第1位「英語に興味がない・嫌いな子もいる」
それでは早速、英語の授業がいらないと思うママさんの理由について見ていきましょう。ベスト3までを順にチェックしてみます.
第1位は「興味のない子どもがいるから」ということでした。
なるほど…。確かに、小さな子どもは英語に対する抵抗感をもちにくいかもしれませんが、何かしらの経験があり「どうしても嫌い」と感じている子どもがいるのは事実でしょう。
その子に幼稚園で英語を教えるのは苦手意識をますます強めてしまう恐れもあり、”できることなら回避したい”と考える気持ちはわかります。
実際は幼稚園で英語を教えることを期待している親がいるのは確かです。ただ、親が教育熱心であれば自宅で英語学習をしているかもしれません。このような状況を知っていてか…「わざわざ幼稚園で英語を教えなくてもいいのでは」と思う親御さんもいるようです。
また、「英語に限定しなくても”異文化”といくくりで体験的に学ばせてあげる感じがいいのでは」という意見もありました。
英語圏に限定せず、さまざまな国々の文化や遊びなどについて幼稚園児に教えるのは大切でしょう。また、日本国内でも方言があるように地域によって食文化や習慣が異なるため、その比較をさせれば子どもにとっては興味深い学びとなります。
英語学習に限定せず広い視野で異文化を知ることができる方が、将来に生かせる有効な手立てと考えられます。
タイミングよく楽しみながら学べる機会をつくれば、英語が好きになり学び続ける子どもに成長するでしょう。大切なのは、子どもが何に興味をもっているかを把握し、子どもの特性に合わせた学習や遊びを取り入れること。
決して強制することなく、子どもが「〇〇したい」という思いを育てられるようサポートするのが重要なのです。
その意味で、幼稚園に英語学習を導入する場合は、いきなりアルファベット文字や発音の仕方に焦点を当てず、歌や遊びで充分に英語に親しませることを念頭に進めるのがおすすめ。
また幼稚園の先生も、英語学習に対する不安をもつ保護者の方々に、学習の趣旨や方法について説明する必要があるでしょう。
2位「英語以外にも大切なことがある」
第2位の回答は「ほかに大切なことがある」というものでした。英語、英語…と必死で学ぼうとするよりも、もっと大切なことを先に学んだ方がいいのでは?ということです。
この考え方も一理ありますね。たとえば後述する「英語よりも日本語を正しく使えるようになってほしい」という思いも英語以外に大切なことの一つになります。
「たくさんの友達と仲良くしてほしい」「いっぱい遊んで幼稚園生活を楽しく送ってほしい」という願いもあるでしょう。小学校に入れば毎日宿題が出され、意外に多くの時間を自由に使えなくなります。
「それだったら幼稚園時代には、思い切りやりたいことをやってほしい」と思うのは親心ですよね。
3位「まずは日本語を勉強」
まずは、日本語を優先してほしいと思う親御さんの気持ちも分かります。確かに英語のリスニング力を伸ばすためには、できるだけ早めに英語に触れた方がメリットは大きいのですが、「日本語もままならないのに混乱してしまわないかしら」という不安を抱くママさんはいます。
ほかに「日本人として価値観やマナーを学ぶことが中途半端になってしまわないかしら」と心配になる方もいるでしょう。
「まずは日本語、ある程度の言語力がついたら英語を習えばいい」と考える親御さんが一定数いても別に驚くことではないかもしれません。
それでは続いて、そのほかの回答内容を見ていきましょう。
その他の回答
「良い指導者であればいいけれど…高圧的指導であれば英語嫌いになったり正しい英語を覚えたりできなくなってしまう」と心配されている親御さんもいます。
先生とウマが合わなくても子どもなりに合わせてしまうこともあるでしょう。ただ、「なんだかつまらないなあ」と英語に対する負の感情を抱いてしまえば、せっかくの英語学習もデメリットになってしまいます。
また、ほかの理由に「英語学習をしてもいいけど、絶対にすべき!とまでは思わない」というものがありました。こう感じているママさんやパパさんは結構多いかもしれませんね。
グローバル化が進み、時代の流れとともに幼稚園で英語学習をすることになりそうだから…と思っていても「別に無理にやらせなくてもいいのでは」という感じなのでしょう。
英語に対する興味や関心があまりない親御さんは、もしかしたら「別にいい」と思う度合いが強いかもしれません。
幼稚園英語の方向性とは?
これまでアンケート「幼稚園の英語学習はいらない?」の質問に対する回答を紹介してきました。回答内容を以下のようにまとめてみます。
- 英語に興味のない子どももいる
- 英語以外の言葉や文化にも触れさせたい
- 日本語がおろそかになる
- 英語講師との相性が気になる
- 小学校から本格的なスタートでいい
これらの回答については、どれも予想できるもので否定する必要はないでしょう。ただ、見方を変えれば、もしかしたら解決したり方向性を変えたりできるのではないかと考えられます。
よりよい方向性を示すための3つの視点を解説しますので、もう少しお付き合いください。
子どもの好奇心を刺激する
今回紹介する好奇心とは正しくは「知的好奇心」。知的好奇心は2つに分類されます。
- 拡散的好奇心:新しい情報を求める/具体的な目的を設定しないまま探索する動機付け
- 特殊的好奇心:整合しない情報に対して目的を設定して探索する動機付け
目的のない好奇心が拡散的好奇心で、「これはどうして〇〇なのか調べたい」のように具体的な目的のある好奇心が特殊的好奇心といえるでしょう。
新しいことにワクワクしたり、何かに興味をもって調べたくなったりするのは人間が進化する源泉だと考えられます。小学校に入ればどことなく「勉強」の要素が入り、純粋に好奇心だけで生活するのは難しくなるかもしれません。
英語学習を好奇心を刺激する一つの方法だととらえれば…、幼稚園時代にこれまでの生活では見聞きしなかった英語の音やリズム感に触れられるのは、子どもの五感や好奇心を刺激することにもつながるでしょう。
そうであっても、英語にどうしても興味をもてなかったり、恥ずかしくてネイティブの先生と接したりできない子どももいるかもしれません。しかし、子どもがその場にいて見聞きするだけでも効果はあります。
いるだけ、聴くだけで効果があると考え「子どもにちゃんと聞かせよう(話させよう)」としなければいいのです。いい意味で子どものしたいがままに英語学習に参加させていると「あ、その単語聞いたことある!」「この歌いいね!」とノッてくるかもしれません。
言語の力を育てる
英語を幼稚園で学ばせると日本語がおろそかになると考える親御さんがいるのは事実。しかし、週1で40分ほど英語レッスンタイムがあるからといって、日本語に大きな影響を与えるとは考えにくいでしょう。
会話にあるようなメリットのほかに、日本語と英語の違いを認識できれば、日本語のよさや特徴に気づき、国語力の育成にプラスに働くと考えられます。
タイミングはやっぱり大切
さきほどちらっとお伝えしましたが、子ども時代に英語の音に慣れていた方が、大人になってから英語を学ぶより苦労せずに音を認識したり発音したりできます。
赤ちゃん時代、とくに6~8ヶ月ごろの赤ちゃんは英語と日本語の音の違いを区別できるといわれ、聞き分ける力は言語習得の第2臨界期である7歳前後まで続きます。
つまり、英語耳(英語の音を聞き分かる力)をつくるにも幼稚園児までに英語学習を始めていた方がメリットを感じやすいといえるのです。
タイミングはやはり大切!外国語活動が始まる小学校中学年、あるいは本格的に英語科が始まる高学年になってから英語を学ぶのは、子どもにとってはハードルを高くしているようなもの。
”無理なく焦らず、幼稚園児から英語の音を聞かせたり歌を楽しんだりする時間をつくる…”。
これは、子どもにとって大きなチャンスとなります。
幼稚園児の脳は未知数
一般的に体操やピアノなどの習い事は早期に始めた方がいいといわれていますが、その理由は、脳内の運動野を含む「頭頂葉」が3歳から5歳くらいに発達のピークになるためです。
知能にどのくらいの影響を与えるかについてはまだ明らかにされていませんが、幼児期は認知機能が大きく伸びる時期。実際、子どもの脳は6歳ごろに大人の脳の9割まで成長するとされ、小学校卒業時ごろにほぼ完成するそうです。
非認知能力は別名「社会情緒的スキル」ともいわれ、学力やIQなど数値で評価する認知能力とは異なる力です。
たとえば次のような力を指します(カリフォルニア大学Oliver P.John,Ph.D.●オリバー ジョン 博士【OCEANモデル、ビッグファイブ】より)
- Openness(開放性):探求→興味、想像力、好奇心など
- Conscientiouness(勤勉性):自己制御→ねばり強さ、持続性、やり抜く力など
- Extraversion(外交性):アプローチ→気力、自信、社交性など
- Agreeableness(協調性):所属→協力、思いやり、やさしさな
- Negative Affect vs Emotional stabitity(否定的感情対情緒安定性):対処→ストレスに対する対処の仕方
向上心、自制心、コミュニケーション力、楽観性などすべてを網羅できる人になりなさい!というものではありません。外交的でない人がダメだというわけでもなく、O-C以外のE-A-Nについてはとくに、環境に対応したり自分なりにコントロールしたりして変化するものでしょう。
実際、非認知能力は思春期や成人を過ぎても伸ばせる能力といわれていますが、伸ばす際に重要なのが「自分の意識で伸ばす力」。つまり、非認知能力を伸ばすためにも、探求心やねばり強さといった”非認知能力”が重要な役割を果たすと考えられます。
また、開放性や勤勉性は認知能力にも影響を与えるといわれ、学び続けるための重要な能力となります。幼児期に非認知能力を育むことができれば、親や先生に言われなくても主体的に学ぶ子に成長するでしょう。
幼稚園でカリキュラムが設定されている場合、進行を妨げるような子どもの声に対応しきれなくなりそうですが、可能な限り子ども目線になるよう工夫できるといいですね。
導入当初は英語教育方法が定まらず試行錯誤かもしれませんが、子どもの声やモチベーション向上を重視した取り組みは「自分で考えて行動する子」を育てます。
そして「自分で考えて行動していいんだよ」という環境に育つ子は、人に頼りすぎたり人のせいにしたりすることなく、自信をもって他者と関われるようになるでしょう。
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少し話が飛躍したかもしれませんが、幼稚園や自宅で英語学習を進める際に知っておきたい大切な視点であるため、お伝えしました。いずれにしても、脳の機能がぐんと発達する幼児期に新しい世界を紹介するのは、子どもの認知・非認知面においてプラスに働くと考えられます。
実際プラスに働くかどうかは、子どもの自主性が大切にされているかによります。先生や親が「英語学習は絶対必要だから学ばせたい!」と思ってさせるだけではよくありません。
あるいは「英語は別に必要ない、だから学ばなくていい」と親の考えを押し付ければ、子どもの隠れた才能を無駄にしてしまうかも…。
おすすめの方法は(幼稚園でも自宅でも)子どもに「英語って楽しいんだよ」と誘ってみるイメージで!子どもが後ろ向きの場合は無理をせず、一緒に歌CDを聴いたり一緒にアニメーションを見たりする時間を楽しみたいですね。
それでは、ここまでの回答結果を改めてまとめ、おさらいをしていくことにしましょう。
まとめ
幼稚園での英語学習に関して「必要ないと思う」と答えた人の理由を1位から3位まで確認してきました。
目立っていた理由としては、英語よりも大切にすべきことがもっとほかにあるのではないか、という考えです。大切なこととは、たとえば日本語であったりお友達や先生との関わりであったりします。ほかにもマナーや外遊びなどが挙げられるでしょう。
私たちが子どものころには英語学習を導入する幼稚園は少なかったと思います。ただ、今はグローバル化にともない英語力を小さいころから付けさせたい親も増えてきました。実際2020年から小学校高学年に英語科が必修となっています。
このような状況から通っている幼稚園でも英語レッスンを始めるケースがあるかもしれません。さすがに早すぎるでしょ?と思う親御さんもいるでしょうが、今回紹介した内容を読むと「なるほど…」と納得する人もいるでしょう。
子どもの可能性をさらに拓くという意味でも英語学習の導入にはメリットがあります。少し見方を変えたり視点を広げたりして、「英語で楽しもう!」の発想で幼稚園の英語学習をとらえてみてはいかがでしょうか。