目標が決まっている子の話を聞くと不安に…
こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
お子さんに英語を教えている親御さんのなかには、何かしらの、あるいは明確な目的をもって進めている方々もいるでしょう。たとえば「将来グローバル社会で活躍できるように」「英語の発音が上手になって自信をもってネイティブと会話できるように」といった目標です。
普段の生活では日本語オンリーで英語を使う必要性があまりないとはいえ、昨今の世界はますます開かれたものになっています。
日本語だけでコミュニケーションをするのではなく、子どもが成長して英語で自由に話せる将来像を思い描くのも自然なことでしょう。
幼稚園や保育園のママさんから「やっぱり一応やっておいたほうがいいわよね」といわれて始めた親御さんもいるかもしれませんね。
周囲の声に押される形で英語を学び始める場合もあれば、将来の目標が明確で英語学習を併行して進めている親子もいることでしょう。
サッカー選手やピアノ、バレエなどスポーツや芸術の分野で活躍する姿をイメージし、グローバルにチャンスを広げようとする取り組みを見ると、ときに尻込みしてしまうママさんがいるかもしれません。
目的や将来の夢が明確で、英語を習うというよりもむしろ「英語をツールの一つ」としている様子を見て不安に思うことでしょう。「ウチははっきりとした目的がないまま始めちゃったけど、大丈夫かしら?」と心配になっているママさんたちです。
なんでもかんでも、目的をもっていかねば、と頑なに考えてしまうと、子どもは窮屈になり、英語学習そのものを楽しめなくなる可能性があります。
本記事では、目的はいろいろ変わる可能性があり、英語を何かに活用せねば!と意気込むのではなく、英語を習うことで広がる世界観について解説します。
若干大げさな響きに感じられるかもしれませんが、少しでも不安を軽減して前に進むために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
夢や目標はその時々で変わるモノ…
子どもの頃に抱いた夢のまま大人になれれば良いのですが、現実はそう簡単ではないこともおわかりでしょう。また、そのときどきで夢が変わる場合もあります。
ピアニストになって世界で活躍するといった夢をもってピアノを毎日練習していても、その過程で「やっぱり幼稚園の先生になろうかな」と思えばピアノを弾けるのは強みになるでしょう。
あるいは、サッカー選手として外国チームでプレーするといった目的をもってトレーニングを積んでも、皆が外国に行く機会に恵まれるわけではありません。道を選ぶ段階になったときに、チームの運営者になったり子どものサッカースクールのコーチになったりすることも考えられます。
その過程で、もしも英語を学んでいたとすれば、どのような可能性が拓けるでしょうか、気になりますね。
英語は可能性を広げるための一つのツール
ピアニストやサッカー選手になりたい子どもが、英語も合わせて学ぶとしたら…。演奏やプレーが認められ海外で活躍できるようになれば、そのまま英語力を生かしていけます。
ただ、海外で活躍するまでにならなかったとしても、英語を使えるのは強みになるでしょう。人生では、何気なく実践していたことが知らぬ間につながる場合があります。
たとえばピアノと英語を習っていた子どもが、幼稚園の先生になったとします。子どもたちに音楽も英語も楽しく教える先生として、周囲からも認められる存在になることでしょう。
あるいは、サッカーと英語を学んだ子どもが成長して、将来少年チームのコーチとして小さな子どもを教えることになったら‥‥。もしかしたらチームに外国の子どもが入部してくるかもしれません。プレーの仕方を英語で教えられれば、ほかの子どもにも良い影響を与えるでしょう。
このように、英語にしろ、サッカーやピアノなどの習い事にしても、やって無駄なことはないと考えた方が前に進めます。
夢や目標が決まるタイミングは人それぞれ
将来の夢や目標というものは、早いうちに決まればいいというものでもなければ、大きくなってから決める方がいいというものでもありません。
人生や運命を変えるような出来事やつながり、刺激的な出会いといった経験は、人によって迎えるタイミングが異なります。
サッカー選手を目指して一生懸命練習していたところ、ケガをしてしまった…。そのときに治療に携わってくれたお医者さんとの出会いが、その後の人生を変えることだって考えられます。
英語についても同様です。最初は親に言われるままにどちらかといえば「イヤイヤながら」英語レッスンを受けていたとしましょう。担当する講師が変わったとたんに、一気にモチベーションアップとなるかもしれません。
ネイティブ講師と会話するうちに「ボクも海外で勉強してみたいなぁ」と思うようになる可能性もあるのです。
さらに、大人や周囲の友達に流されつつも、それなりに順風満帆な人生を送っていた人が、社会人になり挫折感をもったとします。そのときに初めて「自分の本当にやりたかったことは〇〇なんだろうか」と悩み、方向転換をする機会を得るかもしれません。
その人によって挫折やチャンスを得るタイミングはさまざまであり、その大きさも内容も人それぞれといえるのです。同じ経験をしても、人は同じように感じないのと同様に、人生そのものもやはり、個性豊かな様相を保っているといえるでしょう。
イラストでお伝えしているように、子どもの夢や目標というのは、成長していくにつれて自然に形作られていくものです。内面ではふつふつと育っていた思いが、ある日突然、表に出る場合もあります。一念発起ですね。
大人でも想像できないような、いろいろなパターンで生まれていきます。親としてはなかなか待てないかと思いますが、やるべきことをやりながら「とにかく焦らず待つ」といった姿勢も重要なポイントと考えられます。
いつか可能性が拓かれると信じる
さて、ここから先が重要なのですが…。もし、子どもの抱いた夢が英語力を必要とする確率が高いのに、英語学習に本腰を入れておらず、子ども本人が英語嫌いになっているとしたら…。せっかくのチャンスを手放さなければならないかも知れません。これは、子どもにとっては辛いものです。
たとえば、いま一つ夢をもてなかったけれど「やっぱりパイロットになりたい」と強く思うようになったとしましょう。英語学習をそれなりに進めていたとすれば、夢の実現に少しでも近くなります。
しかし、英語嫌いでそのまま来てしまったとすれば…、場合によってはパイロットを諦めなければならない可能性もあるでしょう。一念発起で、英語学習を日夜問わず続ける熱意があればなんとか壁を乗り越えられそうですが…。
英語で書かれた論文も多く、即座に読んで理解する力、英語で表現する力も必要となります。AIの進化で翻訳が以前よりも簡単におこなえるようになったとはいえ、正しく理解したり迅速に内容を把握したりする際には、英語力があったほうが効率的です。
いずれにしても「どう転んでも〇〇さえ身につけておけば応用が効き、可能性が拓ける」の〇〇に英語が入ってもおかしくないと考えられます。
「あぁ~ちゃんとやっておけばよかった」と後悔しないためにも、たとえ最初は大きな目的がなかったとしても、英語を学習しておくに越したことはないでしょう。海外で活躍したり日本の企業に就職したりしても、外国との取引や外国人労働者との対話で英語力が活用できるかもしれません。
実際に英語を活かす場面はある
企業では英語力のある人を優先的に採用する動きがあります。TOEICテストで何点を取ったか、あるいは入社後にTOEIC受験を課すところもあるようです。
たとえば、一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の「英語活用実態調査:企業・団体/ビジネスパーソン(2019)」によれば、TOEIC®Programスコアを採用要件あるいは参考としている企業の割合は以下のようになっています。
- 新卒採用:要件(4.2%)、参考(44.9%)
- 英語を使用する部署の中途採用:要件(10.2%)、参考(43.6%)
つまり、約半数の企業が英語力の必要性を評価しているといえます。また要件あるいは参考とする場合、新卒採用のTOEIC®L&Rスコア(平均)は、545点で、英語を使用する部署の中途採用では620点としています。
日本語以外に英語を話せる場合、実際の職場における活用のほか、さまざまなメリットがあります。
英語学習の過程では異文化理解を深めたり、柔軟な思考力を身につけたりできます。日本語以外の言語で話せるのは、豊かなコミュニケーションスキルを構築するうえで役立つでしょう。
複数言語を扱える人々の脳機能の高次性を示した研究報告もあるほどです。
たとえば、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻の酒井邦嘉教授らの共同研究によると、外国語は1つよりも2つ以上学ぶほうが脳活動のうえで有利であることがわかりました。つまり、英語とそれ以外の言語を同時に習うことで、相乗的に効果が高まるとされたのです。
親御さんのなかには、日本語以外に英語、ましてや英語と韓国語を両方…だなんて、余計に混乱しないだろうかと心配する方もいるでしょう。しかし、意外に私たちの脳は、臨機応変に、柔軟に対応する力を備えていると考えられます。
幼児期にはさまざまな経験をさせることが重要といった考え方もあります。たしかに子どもによって「好き」や「興味」に違いがあります。そして、とても集中してブロックに興じる時期もあれば、砂遊びに夢中になるなど変化します。
親としては、体験についてあまり限定せず、多様な体験をさせるなかで子どもの様子をよく観察していくことが重要です。英語学習についても目的を明確にし過ぎることなく、子どもの興味や関心を見極めながら、楽しく学び続けるためのサポートをしていきましょう。
それでは、この記事で解説してきたことを最後にまとめていきたいと思います。
まとめ
子どもの将来について、親がさまざまな希望や夢を思い描くことでしょう。子ども自身が持っている場合もあります。そのなかで、英語と夢の実現をつなげて考える親子もいることでしょう。
ただ、とくに目標を明確に定めていないとしても、幼少期から英語学習を始めることは、それ自体に意味があります。高いリスニング力を発揮して英語の発音を上手にしたり、英語と日本語の違いを子どもなりに認識したりするなど、その過程で確かに脳は発達していきます。
ほかにも異文化理解や柔軟性を養ったり、コミュニケーション力を高めたりすることにつながります。今は大きな成果として目に見えなくても、将来的に「あ、英語をやっていて良かったなあ」と思える場面がある!と信じる姿勢も大切なのではないでしょうか。
英語をさせるうえで「とくに目的もないのに学習させて意味があるの?」と疑心暗鬼になっていたママさん、パパさんはこの記事を読むことで少し安心したことでしょう。
子どもが英語を好きになり、英語でやり取りする楽しさを味わったりする…。英語にポジティブなイメ―ジをもって学び続けるお子さんになるように、保護者として温かく見守りながらサポートをしていきましょう。