英語の学習を継続する上で、モチベーションをアップさせるのって、とても大事なことですよね!
では、どんな時にモチベーションがアップするのかというと、「訳を見ずに、英語の内容を聞き取れた時」や「ネイティブの人っぽく英語を発音できた時」というものが挙げられるでしょう。
まるで現地の外国人のように、相手の言葉をしっかり聞き取り、カッコイイ発音で返事をするためには、「リンキング」をマスターすることが重要なのですが、一体「リンキング」とは何のことだかわかりますか?
リンキングって何のこと?
リンキングをマスターすると強い』
なんのことだか、わかるかしら?
なんのことだろう…
「リンキング」というのは、「link」、「リンク」の「ing形」…つまり、ざっくりと「つながり」のことを表しています。
それぞれの発音と発音がつながり、2つの音がくっついて1つになる現象のことを指すわけです。
発音がつながるために起こる音の変化
のことを指すのよ!
これを読んでみて
『I like you』
たとえば、「I like you」を、日本語チックにカタカナ英語で読むと、「アイ、ライク、ユー」という3つの単語をつなげたような、ぶつ切りの発音になります。不器用で英語が苦手な日本人は、どうしても皆、この読み方になってしまっていますよね。
ところが、リンキングを意識した場合、3つの単語の発音が1つにつながります。さて、どのような発音になると思いますか?
アイ、ライク、ユー、の3語をつなげて発音すると…
「アライキュー」となります。
「アイライクユー」とはまったく違う音ですよね!
「I」と「like」と「you」を別々に読もうとするの
「アライキュー!」
「I need you」、アイ、ニード、ユー、は「アィニジュー」になりますし、「I want it」、アイ、ウォント、イットは「アィワニッ」になります。
身近なところで最も浸透しているリンキングされた単語でリンキングされているものといえば、それは「サンキュー」でしょう。
サンキューはの英語表記は「Thank you」ですね。「thank」と「you」、サンクとユー、2つの単語からできています。ですが、日常においてあまりにもよく使う表現なので、「サンクユー」よりも、リンキングされた状態の「サンキュー」の方が、日本においても広く知れ渡るようになっているというわけです。
サンキューだけは、文字も発音も知っていたけれど、リンキングされていることにすら気づいていなかった!という人が多いのでは?
リンキングされると印象が激変する
文字で見た時と、実際に発音するときでは
印象が変わることになるの
リンキングされた状態の発音は、字面で見る時と、かなり印象が変わります。
そのため、ネイティブな人の発音を聞いていると、本当はよく知っているはずの単語ばかりだったとしても、「あれ?なんのことだろう…」と、混乱してしまいがち。
ネイティブはリンキングを使って発音するのがふつうで、字面のとおりに区切って発音することはまずないからです。
聞き取り力をアップさせる上では、いずれの単語も、「リンキングされた状態で発音されている」ことをちゃんと意識して聞けるどうかが重要なポイントとなってくるのです。
つまり、リンキングをマスターすれば、発音の方も、聞き取りの方も、格段に能力がアップするのです。
聞き取りも発音もスムーズになるのよ!
発音がつながってできた言葉ってことか
他にも、英語の授業の最初の方に出てくる「What is your name?」(あなたのお名前は何ですか?)の発音も、リンキングしていますよ。
「What is your name?」は、「ホワッチュアネイム?」のように発音するように習いませんでしたか?Whatとisとnameを別々に発音せず、3つをすべてつなげて発音しているのです。
「ホワット イズ ユア ネイム?」と発音するとぎこちないカタカナ英語になってしまいますが、「ホワッチュアネイム?」とリンキングすると、とてもこなれた発音になります。
馴染みのあるフレーズが実はリンキングしていたと知ると、なんだか親しみも湧いてきませんか?
他にも、それなら知ってる!と思える、意外なリンキングフレーズがあるかもしれないので、是非、探してみてくださいね。
リンキングは日本語でも起こる現象
リンキングは、英語限定の概念だと思った人もいるかもしれませんが、実は日本語でも、リンキングに近いことが起きているフレーズは存在します。
たとえば、「なんということ」と「なんちゅうこと」と言ってみたり、「やるしかない」を「やるっきゃない」と言ってみたり、「私のうち」を「私んち」と言ってみたり。
他にも、「ありがとうございます」を「あざっす」と言ってみたり、「そうなんですね」を「そうなんすね」と言ってみたり。他にも、いくつか思い浮かぶフレーズがあるのではないですか?
もし、家庭で英語学習をしている時にリンキングの話題が出たら、ついでに親子で日本語のリンキングフレーズを一緒に探してみると、楽しめるかもしれません。
先に何も浮かばなくなった方が負け!なんてゲームをやってみると、意外に盛り上がれるかもしれませんし、頭の体操にもなるでしょう。
ちなみに、同様の現象をフランス語では「リエゾン」、韓国語では「漣音化」と呼びます。発音しやすいように音が変化する現象は、英語に限らず他の言語でもよくあることなんですね。
初級者のうちは聞き取りで使おう
ところで、英語のレッスン時や、海外の人と話す時、リンキングの知識や技術が役立つタのはスピーキング、リスニングのどちらでしょうか?発音に関する知識なのでスピーキングかな?と思う人もいると思いますが、どちらかというと、リンキングの知識は「リスニング」、つまり自分が相手の英語を聞き取るときに役に立つと思っておいた方が良いでしょう。
つまり、「相手はリンキングを使って英語をしゃべっている」ということを意識しながらリスニングするのです。すると、最初は早すぎて何を言っているか分からなくても、だんだん「この単語とこの単語がつながって〇〇に聞こえているんだな」と、理解できるようになってきます。
もしどうしても聞き取れなフレーズがあったら、聞こえたとおりにカタカナでメモしておくとよいでしょう。
例えば、会話の中で何度も「ガラミニ?」と言われて、よく分からないので「OK」と返答してその場を流していたとします。何度聞いても「ガラミニ」としか聞こえないので、「ガラミニ」とメモしておきます。
リンキングを意識してリスニングの練習を続けていくと、ある日そのメモを見て、「Got a minute?」(ちょっと待って)と言われていたんだ、と気づくでしょう。まさに目からうろこの瞬間です。
リンキングは会話のいたるところに散りばめられていますから、リスニングをしていると意外とすぐに発見できるものも多いです。「分かった!」「そうだったんだ!」という喜びを、英語学習の原動力になるはず。
一方、「スピーキング」、つまり自分が英語を話すときにリンキングを駆使するのは、上級者向けのコースになります。
話す時にリンキングを一生懸命駆使しようとすると、考えなければならないことが倍に増えてしまいます。すると、話すどころではなくなってしまい、言葉を紡げなくなってしまうかもしれませんので、慣れていないうちは、リンキングしなくても大丈夫。1つ1つの単語をゆっくりきちんと発音していった方が、相手に伝わりやすいと思っておいてください。
リンキングされていないフレーズを喋ると、外国人に伝わらないのでは?と思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。それは、日本語に置き換えてみればわかることでしょう。
外国の人に「なんちゅうこと」と言われなくても「なんということ」とハッキリ言ってもらえれば、意味がちゃんとわかりますよね?
ただ、本当にゆっくりゆっくり丁寧に喋るのであれば、リンキングを意識しながらでも話せるかもしれませんので、慣れてきたら可能そうな範囲で「ゆっくり+リンキング」の会話をしてみるといいでしょう。
リンキングは本来、素早く喋る時のためのものなのですが、ゆっくり喋る時からリンキングに慣れておけば、早く喋るようになった時に、それを早回しにすれば良いだけなので、よりネイティブに近い、カッコイイ発音をすることがスムーズにできるでしょう。
つまり…
初級時「ゆっくり喋る」+「リンキングなし」
中級時「ゆっくり喋る」+「リンキングあり」
上級時「すばやく喋る」+「リンキングあり」
という道筋で上達していくことをイメージしてみてください。
リンキングで英語学習のヤル気アップ!
リンキングができるようになると、英語の発音が聞き取りやすくなるだけでなく、外国の人っぽい発音ができている自分を「カッコイイ!」と思えるので、セルフイメージがアップし、英語学習のヤル気に拍車が掛かります。
お子さんがバッチリ、リンキングされたフレーズを口にできていたら「それ、イイ!」「やるじゃん、カッコイイね!」などと褒めてあげてください。
- 英語を効率的に習得するためには、リンキングをマスターしておこう
- リンキングというのは、音と音がつながって起きる、英語における発音の変化のこと
- 文字で読む時とは印象が変わるので、そのことを知っておくととても強い
まとめ
ちょっぴり高度な発音をマスターすることで、英語学習のモチベーションをアップさせるためにも、リンキングのことを知っておきましょう!
リンキングとは、音と音がつながって、ぎゅぎゅっと縮まる現象のことです。「アイライクユー」が「アライキュー」になるので、字面で見た時と音で聴いた時との印象が、大きく異なることも。
リンキングのことを知らないままだと、リスニングの時に、知っているはずのフレーズであっても「聴いたことない!なんて単語だろう…」と混乱してしまうので、事前にしっかり覚えておく必要があります。
初級者のうちは、主に聞き取りの時にリンキングの知識や技術を駆使しましょう。中級、上級になってきたら、自分が発音する時にもリンキングを意識しながら頑張ってみてくださいね!