こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
ミライコイングリッシュの記事をお読みになっている親御さんのなかには、英語の学童保育に興味をもつ方もいるでしょう。あるいは、すでに英語で学童保育をする施設を利用しているかもしれませんね。
英語×学童保育が注目されている理由として、加速するグローバル化や小学校高学年の英語教科化が挙げられます。
また、幼児期に集中的に英語を学んだとしても、小学校入学後に使わなければせっかく覚えた言葉を忘れてしまいます。これを避けたい親御さんが、英語の学童保育を利用する場合もあるでしょう。
今回は、英語×学童保育を利用するメリットや利用前に知っておきたい情報をまとめて紹介します。また、学童保育に任せっきりではなく、自宅での英語学習や母語学習のサポートをする必要性についてもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
英語×学童保育とは?
昨今は共働き世帯が増えており「小学生の子どもが放課後も安心して過ごせる場所」である学童保育を利用する保護者が増えてきました。
保護者のニーズに応えるため、多くの自治体では小学生対象の学童保育事業を推進しています。なかでも、グローバル化や英語の必要性の高まりにともない、英語と学童保育を掛け合わせるサービスが生まれているのはご存じのとおりでしょう。
英語×学童保育とは、放課後に子どもを預かる際、英語を使って保育をおこなう事業を指します。特徴としては、下記のとおりになります。
- 活動のなかで英語が使われる
- ネイティブの先生と日本人の先生が常駐している
- 平日5日間、あるいは週2日の利用など希望に応じられる
- 長期休暇のみ参加ができる学童保育もある
英語×学童保育は、英会話教室のように決められた時間に英語の授業を受けるスタイルではありません。
英語を聞いたり話したりしながら宿題や遊びをしたり、おやつを食べたり…など、日常生活にかかわる英語力を自然と身につけられる場所といえます。
幼児期にプリスクールやインターナショナル幼稚園に通ったり、自宅で英語学習を進めていたりする子どもたちは、英語×学童保育にすんなり溶け込めるでしょう。
英語に初めて触れる子どもは、英語に難しさを感じる場合もあるでしょう。ただ、とくに小学校低学年のリスニング力は幼児に劣らず高いとされます。英語特有の音やリズム感などに少しずつ慣れて英語を覚えるようになると考えられます。
また、日数に関しては、平日フルタイムあるいは週2日からなど、希望に合わせて選べる学童保育が多いようです。なかには長期休みだけ利用するケースもあるため、子どもや家庭の事情に応じて選択しましょう。
英語×学童保育のメリットとデメリット
ここでは、英語×学童保育のメリットとデメリットについて解説します。
英語×学童保育のメリット
メリットは以下の4点になります。
- 英語のリスニング力やスピーキング力などを養える
- グローバル社会に必要なスキルを身につけられる
- 学習や運動などを通して英語を覚えられる
- 英語に自然に親しめる
上記について順番に解説します。
英語力がつく
英語力をつけるには自宅で英語学習をおこなうことも可能です。ただ、学童保育の良さは、何かをしたりたずねたりするのに「必要性」があって英語を使うため、子どもの英語力を効率的に養えるでしょう。しかも毎日、先生や友達と英語でやり取りできる点もメリットといえます。
一方、英会話教室を利用する場合は、週1や週2程度しか英語を使いません。学童保育となれば、英語のインプット量をかなり確保でき、英語学習の習慣化にもつながります。
グローバルなスキルが身につく
英語×学童保育のメリットの2つめは、グローバルなスキルを育てられる点です。少し長くなりますが、英語教育と同様に重要な視点であるため、詳しく解説します。
グローバルなスキルとは、たとえばSTEM教育やSTEAM教育、比較的新しいSTREAM教育が例として挙げられます。
STEM教育は、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の4分野が基軸となっており、IT化とグローバル化にともなって必要とされる能力を育てるシステムを指します。
STEMに芸術(Art)を加えたのがSTEAM教育で、科学技術と芸術を融合させた教育といえるでしょう。また、STREAM教育とは、STEAM教育にRobotics(ロボット技術)を加えたものを指し、より複雑化する社会を生き抜くために提唱されている教育方法です。
※ちなみに文部科学省もSTEAM教育を推進する文書を出しています。
上記の教育によって、次のような能力が育てられます。
- 情報分析能力
- 論理的思考力
- 問題解決能力
- 発想力
- 創造性
- コミュニケーション能力
- プログラミング能力
グローバルな視野で保育をおこなっている学童保育では、教科書やテキストにもとづく教え方をしていません。探求型のカリキュラムで、子どもの考える力を引き出す支援をおこなっています。
先生はあくまでもサポーターであり、子どもと一緒に答えを探す過程を大切にしています。基本は「楽しい」「面白い」プログラムであることが重視されているのです。
グローバル・スキルを育てるためにはやはり、子どもたちの好奇心をくすぐる働きかけが大切なのですね。
活動を通して英語を覚えられる
英語×学童保育では、運動や遊びなどを通して楽しく英語を学べるのもメリット!「英語を学ぶため」というより、日常的な活動で必要とされる表現を「英語で学べる」といえます。
つまり「勉強」といったイメージではなく、英語が生活に溶け込んでいるため、自然と英語を覚えられるのです。
たしかに英語にあまり慣れ親しんでいない子どもにとっては、ハードルが高く感じられるでしょう。ただ、日本人の先生方からサポートを受けながら、毎日繰り返されるフレーズを見聞きするなかで、少しずつ英語で理解できるようになります。
しかも学童保育では英語を使う「必要性」があるため、一般的な授業よりも英単語やフレーズを覚えやすいといえるでしょう。
自然と英語に親しめる
たしかに学校の授業や英会話教室などで、先生に英語を教えてもらえます。ただ、英語×学童保育は、各活動のなかで先生や友達と英語でやり取りするため、自然と英単語やフレーズを覚えられるでしょう。
学童保育が「勉強」といった空間ではなく、「遊びと学び」が融合された環境である点もプラスに働いています。学校の授業と違って良い意味で緊張感がほぐれ「失敗してもいい」といった感覚をもちやすいのでは…。
つまり、子どもがリラックスしながらどんどん英語を使ってみる機会が増えると予想できます。
英語×学童保育のデメリット
ここでは、英語×学童保育で生じやすい状況や、デメリットに感じやすい内容について解説します。
- 英語に対して抵抗感を抱いてしまう可能性もある
- 本格的に英語を学びたい場合、それほど期待できないかも
- 自宅学習につながるかはわからない(母語の育成が心配)
- 公立の学童保育と比べて料金が高い
以上の4点について詳しく解説します。
英語が嫌いになってしまうかも
幼児期から英語を習っている場合は、それほどデメリットに感じないでしょう。しかし、初めて英語に触れたりネイティブの先生に出会ったりする場合は、英語×学童保育に通うことでストレスと抱える場合があります。
「英語は苦手だなあ」と思う子どもが、「幼児期からフォニックスを学び小学生で英検3級以上を取得する子ども」を見てどう感じるでしょうか。
英語×学童保育で、露骨なクラス分けはありません。しかし、ネガティブな感情を抱きやすい子どもにとっては、デメリットになる可能性が高いといえます。
本格的に英語を学びたいときはもの足りないかも
英語×学童保育に通う子どものなかには、英検対策やライティング&リーディングに関するスキルの習得をめざす子もいます。英語の実力を伸ばしていきたい子どもにとっては、若干もの足りなさを感じるかもしれません。
ところで、小学校の英語教育ーとくに高学年の英語教科化ーにともない、バランスのとれた英語力の育成が重視されるようになりました。バランスのとれた英語力は「聞く」「話す(やり取り・表現)」「読む」「書く」の4技能5領域が含まれます。
英語の力をバランスよく習得するには、英語×学童保育では足りない点を指摘する親御さんもいるようです。この場合は、自宅学習で補う必要があるでしょう。
学習力や国語力に影響が出る可能性もある
英語×学童保育は、子どもを預かってもらいながら英語習得が可能である点がメリットです。ただ、安心しきっていると実際の学習力や国語力に何かしらの影響が出る可能性があります。
学習力には複数の定義がありますが、ここでは、自ら学ぶ力ととらえてみましょう。自ら学ぶ力は、子どもが自分のもつ知識や経験を活かしながら、どう課題を解決すべきか考える力ともいえます。
英語×学童保育で英語が理解でき英語の表現力が身についたとしても、自宅で学習する習慣をつける必要があります。また、英語を聞いて話せるといった表面的な部分にばかり気を取られると、肝心の日本語力や論理的思考力を育てられません。
小学校高学年以降の学習は、それ以前より抽象的な内容が増えます。この場合、思考力が育っていないと授業内容を理解しにくくなり、力を充分に伸ばせなくなるでしょう。また分析力や思考力などの育成には、やはり母語の習得が欠かせません。
英語×学童保育を利用する場合は、子どもに与える負の側面にも目を向け、親が家庭学習の習慣づけや母語の習得をしっかりサポートする姿勢が大切です。
英語だけに目を向けていると、結局は総合的な学力を伸ばしきれないことになるのです。「気づいたときには遅かった」とならないためにも、決まった時間に机に向かう学習習慣や国語力の育成を併行して進めていきましょう。
公立の学童保育と比べて料金が高い
スクールによって料金が異なりますが、英語×学童保育の費用は、相場として週2の利用で月2万円台~5万円程度、週5回で月5万~10万円程度といったように幅があります。
※公立の学童保育は、自治体によって異なりますが1万円以内とされています。一定の条件に当てはまる世帯については減免措置もあるため、さらに安く利用できる場合もあります。
また、学童保育でおこなう”英語教育”は授業ではないとはいえ、テキスト代が必要になるかもしれません。入会費や管理費、おやつ代をはじめ、延長保育の場合は追加料金もかかります。
スクールによってはバスの送迎サービスをおこなっており、利用する場合は別途料金が必要になるでしょう。
毎月支払う費用や諸経費については、あらかじめ学童保育の事業所に問い合わせるとともに、家計のやりくりが可能かどうかシビアに判断しなければなりません。
会話にあるように、家計に合わせたサポートの仕方を考えればよいのです。想定以上のお金を出すことばかりが親のサポートではありません。
英語教育をねらいとするのであれば、「学童保育以外にも方法はたくさんある!」と考えてみる姿勢も必要でしょう。
英語×学童保育の利用を考える場合は…
ここでは、英語×学童保育の利用を考える場合に、親として念頭におきたい点について解説します。
目的を明らかにする
一番大切なのは、改めて親の教育方針を確認し、何のために英語×学童保育を利用するのか見直すことです。
英語×学童保育の特徴やメリットを知ると、親御さんのなかには「やっぱり英語×学童保育って人気なのね!費用や母語習得は心配だけど利用したいわ」と思う場合もあるでしょう。
つまり、メリットを大きく感じてデメリットを「なんとか対処する」と決意し、英語×学童保育を正当化させようとする心理です。
ただ危険なのは、親として本当に望むものと子どもの気持ちに気づかないこと。
たとえば「〇〇さんちも英語×学童保育にするから」が理由になっている場合は、いま一度、ご自身の望むものや子どもの気持ちに目を向けてみましょう。
会話にあるように、さまざまな情報を得たうえで客観的に考える時間をとりましょう。この際、家族みんなで一緒に話し合う場づくりも有効です。その理由は、より一層客観的に物事を把握できるためです。
コースや内容などをしっかり把握する
目的を確認できると、その目的を達成するのに必要な要素について検討しやすくなるでしょう。
たとえば「英語×グローバルなスキルを子どものペースで習得できるように」と願えば、週5日の頻度ではなくても週2、内容はSTEAM教育を取り入れている学童保育を探してみる…となります。
本当は「週5で通って生活のリズムを整えながら英語に親しむ」のをねらうとしても、予算的に難しいのであれば回数を少なくしてみます。回数を少なくしたうえで「学童保育以外の日は子どもの好きな〇〇を入れてみる」などの工夫をすればよいのです。
このほか、英語×学童保育の活動内容や特徴、延長保育などのオプションに関しても細かに把握する必要があるでしょう。
目的を達成するには100%OK!の学童保育を選びたいところ…。しかし場所が遠かったり予算以上の費用がかかったりする場合は、パーフェクトではなくても”よりベターな選択”をめざしましょう。
在籍する先生の質を見極める
学童保育のシステムが親の希望と合っていても、肝心の先生が「いまひとつ」といった場合もあるかもしれません。
申し込んでから「ネイティブの先生が常にいるかと思ったら日本人の先生がほとんどだった」(あるいはその逆)とならないよう、あらかじめ確認しておきましょう。
ネイティブの先生とはいえ、教育関連の学部卒あるいは教育者や保育者であるかどうかも気になりますね。また、学童保育の雰囲気や英語が使われる様子も知っておきたいところです。
体験する機会があればできる限り参加をして、子どもの反応を確かめましょう。
子どもの性格や興味をしっかり見る
大切なのは、子どもの目線で英語×学童保育を選ぶことです。
英語のモードが「どうも肌に合わない」と感じる子どもは少なからずいると予想されます。
「私は静かな環境でゆっくり本を読んでいたい」と願う子どもに「英語×学童保育に入りなさい!」と親が強要するのはおすすめできません。
子どもの性格を親が変容させようとするのもしかり。自分の子どもですが、やはり親とは違う人格をもっています。ひとりの人間として、その趣向や興味を尊重してあげるのも親の役割といえるでしょう。
いつもいつも、共感できない場合もあると思います。しかし、できる限り子どもの良さや特性に目を向け、よりよく伸ばしてあげる姿勢が大切です。
子どもの英語力に合わせて「場」を選ぼう
学童保育を選ぶときは、子どもの英語レベルに合うところを選びましょう。ここでは、英語学習の初心者と中級以上の子どもに合わせた学童保育の選び方を解説します。
子どもが初めて英語に触れる場合
英語学習の初心者でも、英語×学童保育に通うことは可能です。常駐する日本人の先生が適切に支援したり、初心者向けのコースや方法を提案したりする学童保育もあります。
つまり子どもの英語レベルに応じたコース設定が可能なのです。英語×学童保育に通わせたい場合は、体験や説明会などに参加しましょう。わが子の英語力や性格、ペースにある英語×学童保育かしっかり見極めるのです。
英語初心者の子どもが通いやすい学童保育としては、ゲームや工作、プログラミングなどの楽しいアクティビティを取り入れている場所がおすすめです。
また、個別カリキュラムを設定し、英語初心者でも安心して過ごせる場づくりに努める学童保育も良いでしょう。
幼児期に英語学習を始めている場合
幼児期に英語学習を進めていた子どものレベルによって、学童保育やコースの選択をしましょう。幼児期にインターナショナル幼稚園に在籍して卒園後の英語力をキープするために、附属のアフタースクールに通う場合もあるでしょう。
インターナショナルスクール系の学童保育のなかでも、国際バカロレアプログラムを導入しているところもあり、英語力をさらに伸ばせます。将来、海外の大学に進み国際的な活躍をめざす場合はメリットを感じられるでしょう。
※国際バカロレア(IB)とは、スイスのジュネーブにある非営利団体が提供する国際的な教育プログラムを指します。小学校から高校までのプログラムで、高校のプログラムは、国際的な資格である大学入試資格「IBディプロマ」を取得できます。
子どもに合わせた英語学習の場はさまざま
英語×学童保育は、英語のレベルに合わせてスクールやコースを選べるため、予算や諸課題をクリアできれば利用する価値があるといえそうです。
ただ、英語の習得をめざす場合は、英語×学童保育のほかにもさまざまな方法があります。英会話スクールやオンライン英会話、英語教材やYoutube動画を使っての「おうち英語」などが挙げられるでしょう。
英語の習得には、インプット量2000時間以上が必要とされます。たとえば、小学校中学年の2年間で学校の外国語活動と学童保育(各日2時間×週5×2年間)を続けたとして1000時間。
幼児期と高学年の学習量を加えれば、意外にすんなり2000時間到達しそうに見えます。ただ、学習を継続して活用の機会をキープさせる努力は必要でしょう。
その際、大切になるのは前述で挙げた自分で学ぶ力です。自学力は、課題を見つけ情報収集&分析をしながら論理的に課題を解決していく力といえます。その際に、母語の力は必要不可欠な要素となるでしょう。
つまり、英語の習得だけに焦点をあてすぎず、子どもの力をバランスよく伸ばしていくことで学力の基盤がつくられると考えましょう。
人と比べることなく、わが子が昨日よりも少しでも成長していればOK!ととらえる姿勢も大切にしたいですね。
それでは、最後に本記事のまとめをしていきます。
まとめ
今回は、英語×学童保育の概要やメリット・デメリット、利用する前に念頭におきたい点などについて解説しました。
- 英語×学童保育は放課後に英語を使って学童保育をおこなう
- 楽しいアクティビティを通して英語を覚えられる
- 英語×学童保育でも英語力やグローバルなスキルを養える
- 子どものなかには抵抗感をもつかも
- 子どもの自学力や母語習得にプラスに働くとは限らない
- 公立の学童保育と比べて料金が高い
- 英語×学童保育を利用する前に目的を確認する
- 子どもに合うかどうか物的・人的環境を目でチェックする
- 子どもの目線に立って教育方法を考える
将来は予測不可能な時代だといわれます。そのなかで、今回の記事でも紹介したように、グローバルなスキルを習得する重要性を大人が認識する必要があるでしょう。
英語を学ぶというよりも、英語を通して広い視野で考える習慣を身につけたり、論理的思考力やコミュニケーション力などをバランスよく習得したりする必要があります。
その視点に立ったとき、親として目の前の子どもにいま、何が必要なのか見極めることが肝心です。子どもがみずから考える力をつけるには、英語力だけでは足りません。
親子の会話を通して、子どもにさまざまな考え方や見方を伝えていきましょう。この場合、親が共通の話題をもって「どう考える?」「これって何といったかしら」と問いかけるような場面も有効となります。
ミライコイングリッシュの英語教材は英語のインプット量を増やすだけではなく、子どもの自主性を大切にしながら「好き」や「習慣」の力を発揮できる教材となっています。ご興味のある方は、ぜひサイト情報よりご確認ください。