日本語と英語には「違い」がたくさんある
突然ですがあなたにとって英語って、簡単ですか?それとも難しいですか?
日本人であれば「英語なんて超簡単!」と答える人は少数派かもしれませんね。多くの人にとって、特に大きくなってから英語を始めた人にとっては、英語ってとても難しい教科だと感じられるはずです。
その理由は、日本語と英語に、あまりにも「違い」があり過ぎるから。たとえば、フランス人や、イタリア人や、ドイツ人は、英語を学ぶことに対してそこまで高い壁を感じないはず。なぜなら、基本的に欧米諸国の言語はいずれも英語によく似ているからです。しかし、アジアの言語…特に日本語は、英語と真逆でまるで掛け離れているといってもいいくらい性質が異なっています。
しかし…「違っている=難しい」とばかり捉えていたのでは、なかなか前に進むことができません。そうではなく、「違っている=面白い」と捉えてみてはいかがでしょうか?
どんな違いがあるでしょうか!?
クイズ~!
たとえば、「日本語と英語には一体、どんな違いがあるでしょうか?」と、「間違い探し」を楽しむようなクイズなんかを出し合ってみるのはいかがでしょう。
言語の違いをクイズのように楽しんでみよう
えーっと、いっぱいあるよ
実際に、思いつく2つの言語の「違い」を挙げていってみてください。
漫画の中のママさんは、まず、文字の種類の違いに目をつけたようです。日本語には、ひらがな、カタカナ、漢字と3種類の文字がありますが、英語はアルファベット26文字のみ。これは誰にとってもわかりやすい、とても大きな違いですよね。
ところで、3種類の文字を使い分けているため、日本語ってとても「視認性」が高くなっていると思いませんか?意味のある重要なことは「漢字」で、その意味をサポートする補助的な文字は「かな」で表現されているため、新聞などをパッと開いても、細かく読み込む以前に、目に飛び込んで来る漢字の印象だけで、大体何が書いてあるのかを理解することができてしまいます。
漢字ばかりでも、ひらがなばかりでもなく、性質の異なる文字が絶妙にミックスされているおかげで、とても「読みやすい」「理解しやすい」と感じるはず。
ただし、漢字の種類はほぼ無限大なので、これはある意味厄介な性質かもしれません…。大人でも読めないような漢字があったりするくらいですから、海外の人からしたら、日本語ってどうしてこんなに覚えることが多いんだ!と、感じることでしょう。
一方の英語は、アルファベット26文字のみで全ての事象を表現しなければならないため、パッと新聞のページを開いただけのような状態では、何が書いてあるのかをなかなか理解できないでしょう。そういう点では難儀な言語かもしれませんが、覚えることは少なくて済みますよね!たった26文字だけで、この世の全ての事象を言い表せてしまうというのは、逆にとてもすごいことです。
一概にどちらの言語の方が優れている、劣っているということでなく、それぞれに個性や魅力があるので、その差を楽しめるようになってくると、言語学習はより楽しく感じられるでしょう。
漫画のママさんとお子さんは、引き続き、日本語と英語の違いについて、考えているようですよ!
英語には「複数形」があるとか、文章の最初が「大文字」で始まるとか、単語に「a」や「the」が付く、なんていうのも、日本語にはない特徴ですよね。
日本語特有の性質を挙げていくとするなら、メジャーなところでは「敬語がある」ところなんかがピックアップされがちです。海外の人の多くは、この日本語特有の「敬語」でつまずきを感じてしまう、なんて言われています。我々日本人の中にも、敬語をうまく使えない人は存在するくらいですからね。
丁寧語だけでなく、謙譲語や、丁寧語なども存在するので、全てを正確に使いこなしていくのって実は至難の技なんです。
私達は、目上の人とやりとりをする時に「◯◯させて頂く」という表現をよく使いますが、この表現が正しいかどうかも、実は微妙です。少なくとも、相手に対して「◯◯をやって頂けますか?」という表現を使うのは間違いで、「◯◯してくださいますか?」でないと、本当は失礼に値してしまいます。
しかし、ネイテイブな日本人であっても「へー、そうなんだ!」と、改めて気づくようなレベル。敬語って本当にややこしいですよね!
このように、日本語と英語の違いに注目していくと、意外に「あれ?実は、日本語の方が難しいんじゃない?英語って日本語に比べたら遥かに簡単なのかも…!」と思う瞬間が出てくるかもしれません。その気付きを得ることも実はとても大事です。
英語を学習していると「難しく感じるなぁ、自分ってあまり言語学習に向いていないのかなぁ」なんて、自信を失ってしまうことがあるかもしれませんが…。究極に難しい日本語をマスターできているのだから「自分は大丈夫!本当は超賢いはず!だって、日本語をペラペラ話せているくらいなんだから!」と自信を持てるのだとしたら、それは素晴らしいことです。
違いがあり過ぎる~!
英語と日本語には、違いがたくさんあるので「難しいと感じるのは当然!」という気づきに至るのもまた、大事なことです。大きく違っているのだから、難しく感じて当たり前だし、ハイスピードでマスターできなかったとしても、気にする必要なんてない!マイペースでのんびりと楽しくやろ~!なんて思えたとしたら、一気に気が楽になるでしょう。
感じられたりしたんじゃない?
漫画の中のママさんとお子さんは、英語と日本語の「間違い探し」を楽しんだことで、「面白かった!」「もっと見つけたい!」と感じ、より英語に親しみを覚えるようになれたみたいですよ。
英語を学ぶと、日本語の特徴やよさを再発見できる!
日本語と英語の違いに気づくことは、ふだん気づかなかった日本語の特徴やよさに気づくことでもあります。
3種類の文字をもつ言語は、世界中で日本語だけだそうです。例えば、お隣の韓国では、以前はハングル文字と漢字を併用していましたが、今では日常生活で使う文字はほぼハングル文字だけ。漢字を使う機会は、正式文書や人名など、日本に比べると圧倒的に限られています。
そう考えると、幼い子どもたちがひらがなもカタカナも読めるし書けるのは、それだけでもう、すごいことです。その上に漢字をどんどん覚えていくわけですから、外国人からしたら信じられないでしょう。「日本語ってすごいし、それを覚えているあなたもすごい!」と、お子さんを褒めてあげてください。
敬語があるのも日本語の大きな特徴ですが、英語を学んでいると、日本語は主語を省略できるということに気づきますよね。
平安時代に書かれた源氏物語などは、古文の敬語をきちんと理解すると、主語が省略されせりふを読んだだけで、誰が誰に対して言った言葉なのかが分かります。敬語があるから、主語が省略できるとも言えますね。
それに、日本人は外国の人に比べてあいまいな表現をするとよく言われますが、主語を省略できるから、表現がよりあいまいになる、と考えることもできるでしょう。
例えば、ドラマで「行かないといけない」というセリフがあった場合、ドラマの場面を見ていないと「私は行かないといけない」なのか、「あなたは行かないといけない」なのか、分からないですよね。
でも、英語だったら「I should go.」、「You should go.」のように、主語をはっきりさせないといけません。英語の場合、主語を省略したら文が成り立たないので、おのずとはっきりした表現になります。
日本語はオノマトペ、とくに擬態語が多いのも特徴のひとつです。擬態語とは、人の心情やものの状態を表す、「どきどき」「そわそわ」「ふわふわ」「すべすべ」などの言葉のことです。
「ぼく」「わたし」「おれ」「わたくし」など、一人称の種類が多いのも日本語ならではです。一人称を聞くだけで、しゃべっている人の立場や性格などをなんとなく想像できる、というおもしろさがあります。
英語を学ぶことは、日本語の特徴を再発見することでもあるんです。
大事なのは、違いをいい悪いで判断しないこと
でも、ここで大事なのは、先ほどもお話ししたように、「日本語には3種類も文字があるのに、英語はアルファベット26文字しかないんだ。」と優劣をつけるような考え方をすべきではないということです。
どの言語が優れていてどの言語が劣っている、ということはありません。それぞれの言語が歴史や文化を持っていて、それぞれのよさがあります。
グローバル社会では、違いを認め合う気持ちがなければよい関係を築くことはできません。
小さいころから英語を学び、英語を通じて異なる文化を感じ、知ることは、とても貴重な体験です。その過程で「違いを否定せずに認め合う」という考え方が身についていけば、それは子どもたちにとって大きな財産になりますよ。
何でもモノゴトは捉えようです。「違いがあるから大変…」「違いがあるから苦手…」とネガティブに捉えてしまうのではなく、「違いをいっぱい発見できるのは楽しい!」「性質の違う言語を学ぶのって興味深い!」とポジティブに捉えてみてください。このように、モノゴトを何でもポジティブに見るよう工夫し、楽しもうとするのが、学力アップのコツですよ!
実はこれって英語学習のことに限らず、何を勉強するにしてもそうですし、家事や育児や仕事や体力作りの運動などなど、全てのことに通じる万やで効果的な考え方だったりします。ネガティブ思考で、はなから「できない」「難しい」と決めつけてしまわずに、伸び伸びと色々な才能を開花させていきましょう。
まとめ
- 日本語と英語には、多くの違いがある
- そのため、難しく感じてしまったり苦手と思ってしまうかもしれないが逆に違いを楽しんで発見してみよう!
それでは、こちらの記事でお伝えしてきたことを、最後にまとめていきます。
日本人の中で、英語を「難しい」と感じている人は、とても多いはず。その理由は、英語と日本語に性質の違いがたくさんあるからです。
しかし、違いがたくさんあることをネガティブな要素として捉えてしまうのは、とてももったいないこと。むしろ、いくつの違いがあるのかな?どんな違いがあるのかな?いっぱい見つけられたけど、本当はもっともっとあるんじゃないかな?なんて、クイズ感覚で楽しんでみるようにすれば、考え方は一変するでしょう。
違いがたくさんあるからこそ、それらを1つ1つ見つけ、楽しみながらマスターしていく感覚にやり甲斐を覚えたり、むしろ燃える!という考え方をしたりするのも、大切なことです。
そんな風にマインドをコントロールしながら、英語学習を是非、上手に楽しんでみてくださいね!