こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
日本人は「英語が苦手」と感じる割合が多いかもしれません。実際の統計がそれを物語っています。
日本でTOEIC®Programを実施&運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は「英語学習の実態と意欲」に関して、全国の20代~50代のビジネスパーソン男女500人にアンケート調査をおこないました(2019年発表)。
その結果によると、全体の53.6%の人が「英語が好き」と答えたのに対し、69.0%の人は「英語が苦手」と回答しています。
実際に英語学習を継続している人は、全体の2割ほど。グローバル化が進む現代でさえ、多くの日本人にとって「英語はハードルが高い」ようです。
このような状況を踏まえて、本記事を読んでくださるママさん、パパさんたちは「子どもは英語を話せるようになってほしい」と思っているかもしれませんね。
それにしても、どうして日本人は英語が苦手なのでしょうか。
次の章で少し考えてみましょう。
なぜ日本人は英語が苦手?
これには、次のような理由が考えられます。
- 日本人の生活環境では英語を使う必要がないため
- 英語が試験科目として重視されているため
日本はご存じのように、島国で多くは日本人です。言語も日本語のみ…。外国人観光客や労働者が増えるにしたがい、彼らとコミュニケーションを滞りなく進めるため「英語」が”外国語”として用いられています。
ただ、普段の生活で英語を使う必要性はなく、日本語だけ話せれば一生過ごせるといえます。
また、昨今のグローバル化やIT化によって日本語以外の言語習得が重要であるとされていることもあり、試験科目に英語が入るのは普通になっています。
早速、日本人とは異なりヨーロッパの人々が英語が得意な理由について考えてみましょう。
ヨーロッパの人々はなぜ英語が話せるの?
日本人に比べて、ヨーロッパの人々はみな、英語をペラペラ話せるといったイメージをもちますよね。国によって、ドイツ語、イタリア語、フランス語、デンマーク語…のように国によって母語があるにもかかわらず、みな一様に英語が話せます。
アメリカやイギリス以外の国々は、いわゆる”英語圏”でないのに…と不思議に思う人もいるでしょう。
ヨーロッパの人々がなぜ英語を話せるのか考える際、まずはヨーロッパの教育事情を把握する必要があります。
ヨーロッパでの英語教育はいったいどのようになっているのか…次章より詳しく紹介します。
ヨーロッパでの英語教育
ヨーロッパの人々が、みな英語を上手に話せる理由について、「それは小さいころから学んでいるからではないのかしら?」と思う人がいることでしょう。
しかし、ヨーロッパの人々が英語を学習し始めるタイミングは、日本とあまり変わらないといわれます(たしかに、ヨーロッパのなかでもオランダやデンマークのように、小1から英語教育を進めている国もありますが…)。
また、国全体で厳格にカリキュラム設定をしているわけでもなく、独自のカリキュラムかつ生徒主体型の教育法を用いている国や学校もあります。
陸続きで諸外国からの移民が多いヨーロッパの教育現場では、多様性を重視する向きも強く、一概に教員主導の教育システムではないといえるでしょう。
ヨーロッパの学習方法は日本とは違う?
日本とヨーロッパの英語教育で顕著な違いといえば、学習方法にあります。
日本人が英語アレルギーになってしまう背景には、先ほどお伝えしたように英語の学習方法にあるのです。
いったいヨーロッパの人々はどのような学習をしているのか、気になりましょね。もしも、その秘密がわかり、日本でも学習法を採用できるとすれば「英語嫌い」は減っていくでしょう。
日本の英語学習は「試験向け」
最初にお伝えしたように、日本人の学習方法は、「試験向け」になります。英単語や文法の仕組みを理解し、長文を正しく読解しながら…英単語だけでなく慣用句などを「暗記する」といった学習が基本的なスタイルになっています。
会話にあるように、中学校や高校での授業では、成績や受験といったテーマが重くのしかかってくるのが現状です。
ひと昔前の学習内容に比べて、リスニングやスピーキングを重視する傾向にあるとはいえ、依然、読み書きの重要性は高く、この背景に「試験」があるのは否めませんよね。
英語の先生のなかでも「実際に人とやり取りする楽しさを育てたい」と思っても「やっぱり現状は難しい」となり、複雑な心境かと思います。
ヨーロッパの英語学習は「会話」
一方、ヨーロッパでの英語学習は、基本的に「会話」が中心となっています。「読むこと」や「書くこと」よりも「聞くこと」「話すこと」に力を入れています。
会話をベースに英語を学習しているからこそ、自然と話せる人が多くなっているといえます。
この点、日本とは異なりますよね。幼少期から英語学習をスタートする際、相当量のインプット量をストックできれていればいいのですが、なかなか難しいのが事実。
やり取りの時間が圧倒的に少なく、インプット量も確保できない状況では「アウトプットで楽しく会話なんて到底ムリ…」となるのも、仕方ないですよね。
さて、日本とヨーロッパの国々の英語教育事情を紹介しましたが、ほかにも日本とヨーロッパの相違点があります。それは、生活や家庭環境です。
家庭でも英会話を学べる環境
日本では、日本語を話せれば生活に困ることはないでしょう。英語があまり好きではないとしても、試験以外で英語が必要である状況はほとんどありませんよね。
このため、学校を卒業して就職すれば「英語を使わない」状況が当たり前で、家庭で話すケースもほぼないでしょう。
しかし、ヨーロッパでは普通に英語を話せる人が多いため、学校以外の場、つまり自宅で親が子どもに英語を教えることができます。その子どもも英語をペラペラ話せる大人に成長するため、好循環が生まれるわけです。
日本ではこうした状況が生まれにくいですよね。「英語が学生のときから苦手、というより嫌い…」「発音に自信がないから子どもに教えられない」という親御さんもいると思います。
このため「自宅で子どもに英語を教えるなんてとんでもない!」となり、英会話スクールに通わせるしかない…といった流れになりやすいのです。
ただ、英会話スクールに通わせるには時間やコストがかかります。ましてや自宅で復習したり親がサポートしたりする環境を生み出せない場合も多いでしょう。
さまざま理由が重なり、「やっぱりあきらめようか」となってしまうケースも考えられます。
英会話スクール以外でも英語学習は可能
ただ、英会話スクールへ通うことにこだわる必要はありません。自宅でも充分に、英語教育をおこなえます。親御さんが英語アレルギーで自信をもって教えられないとしても可能なのです。
ミライコイングリッシュのほかの記事でも紹介しているように、下記の方法で英語を学ぶ環境を整えられます。
- 英語の歌を聞く
- DVDや動画を活用する
- 英語の絵本を読み聞かせる
最初に紹介したIIBC「英語学習の実態と意欲」に関する調査結果のうち「現在英語の学習をしている」と回答した人(96人)の44.8%は、YouTubeなどの動画を観る、と答えたそうです。
これは、「教材・テキスト本を購入して学習する(39.6%)」「英語/英会話スクールに通う(35.4%)」人よりも多い結果です。
子ども対象の動画もYouTubeではたくさんアップされています。またYouTubeは世界各国のチャンネルともつながっているため、英語オンリーで視聴したり学んだりする場合にぴったりといえるでしょう。
毎日寝る前に英語の絵本を読み聞かせたり、おやつの時間に英語の歌やDVDに親しませたりして、英語の音やリズム、フレーズをたくさんインプットしていきましょう。
英語学習の成果は数年後に表れません。実は英語習得に2000時間はかかるとすれば、毎日15分の英語タイムでおよそ、20年以上かかる計算なのです。
英会話スクールにお任せで家庭でまったく英語に触れない場合は、いつまでたっても子どもの英語力を伸ばせません。
親御さんが「英語が苦手だから…教えない」となるのではなく、「英語が苦手だから…子どもと一緒に学習しよう」となった方が、子どもの英語学習にプラスに働くでしょう。
一緒に学んでやり取りを楽しめるようになれば、英語で会話する子どもに近づけられますよ。
補足:日本人の国民性から考える
さて、ヨーロッパの人々が英語を自在に操る背景について解説してきましたが、たとえば次のような疑問をもつ人もいるでしょう。
「日本人の学習方法を「聞く」「話す」などの会話に重きをおくとしても、簡単に英語力は改善されるのかなあ」
以前よりも英語の「聞くこと」「話すこと」を重視する学習法が定番になりつつあるとはいえ、英語の苦手な人が多い環境のなか、子どもたちが英語力を身につけるのは至難の業かもしれません。
ただ、もう一つ、日本人が「シャイ」である国民性を考えれば、「聞く」「話す」分野を改善できたとしても、越えなければハードルがあるかもしれません。つまり、積極性です。
たとえ英語が好きでコミュニケーションに必要なスキルを身につけたとしても、実際に街で外国人から声をかけられたら、どのように反応するでしょうか。
日本人はシャイで、人と違うことや状況を受け止めなければならない場合、後ずさりしてしまう傾向にあります。
また、日本人はシャイであるのと同時に「違う」ことに敏感な国民性をもっています。日本において英語で会話するのは、ある意味日常とは「違う」シチュエーションであるため、緊張しやすいのです。
そのほか、まじめな国民性であり、完璧を求めたり失敗を過度に恐れたりする傾向にあるといえます。このため、外国人から突然話しかけられた場合、「え~、どうしよう、私の英語が通じなかったら」とすぐ考えてしまうのですね。
こうした国民性が悪いわけではありません。「シャイ→人にゴリ押ししない」「違うことに敏感→いざというとき結束」「失敗を恐れる→慎重に物事を運ぶ」など、ポジティブに考えられます。
ただ、英語を自在に使えるようになるには、シャイになりすぎたり、失敗を怖がったりするのはマイナスに働きます。
これを克服するには、やはり「経験」が重要です!。著者も、英語は好きでも表現力に自信がない時期がありましたが、経験を重ねることで少しずつ慣れ、英語で話しかけられても躊躇しなくなりました。
国民性やその人のもつ性格などをすべて変えられませんが、英語で話すときは「外国人になりきる」ようにすると、意外に話せるものなので試してみてくださいね。
それでは、ここまで解説してきたことをまとめてみましょう。
まとめ
ヨーロッパの人々に、英語をペラペラ話せる人が多い理由…それは日本との生活環境や学習方法の違いにありました。まとめると、下記のとおりになります。
- ヨーロッパの人々は生活環境に英語が必要
- 日本の英語教育は「試験」とつながっている
- ヨーロッパの学習方法は会話中心
- ヨーロッパは家庭でも自然に英語を学べる
- 日本人の国民性を超えるには「経験」が大切
上記の内容を考え、子どもに英語を教える場合のアドバイスとしては、生活の場面で英語を使うようにしたり、コミュニケーションを重視し英語で表現させる機会を増やしたりすることでしょう。
また、学校やスクールだけで英語を学ばせようとはせず、親子で自然なやり取りができる機会をもつように努めます。実際に外国人と触れ合うチャンスがあれば、失敗してもOK!の姿勢で経験をさせましょう。
ヨーロッパの人々が英語を話せるのは、英語の学び方や使われ方にあります。日本人は、英語を話す必要性があまりない環境で生活していますが、グローバル社会において英語で話せるのは子どもの可能性を拓くチャンスになります。
ぜひ、ご家庭で可能な限り英語タイムをつくり、さまざまな経験の場を子どもに踏ませてあげましょう。