こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
お子さんに英語教育をおこなっているママさん、パパさんのなかには「子どもが別の言語に興味をもっていて、英語を習いたがらない」といった悩みをもっているかもしれません。
今回は、英語以外の言語を習わせて大丈夫?といった声にお応えする記事になります。
このまま英語以外の言語を聴かせても大丈夫?
子どもがほかの言語や英語圏とは異なる文化に関心をもつのは、実はとっても良いことです。ただ、親御さんのなかには、英語と同時にほかの言語の音やリズムなどに触れることで、「あれもこれもやって中途半端にならないだろうか?」といった不安をもつ人も少なくないでしょう。
ましてや、母語である日本語の習得も道半ばというのに‥‥。言語を理解する力や運用する力が養われなければ、論理的思考力を低下させる可能性があるとすれば、保護者として子どもの言語学習に関心を寄せるのは当然かと思います。
たとえば、こんな人はいませんか?
グローバル化が進む現代、やはり世界で一番使われている言語である「英語」を習得してほしい…とママさん、パパさんは願っています。しかし、実際はK₋POPが人気でハングル語を習いたい!という子どもがいるかもしれません。
ハングル語は世界共通言語といえず、話す人や機会も限られます。社会や職場において一番役に立ちそうなのは、今のところ英語です。しかも社会に出る前に、すでに「英語科」が授業に組み込まれています。
とはいえ…
せっかく子どもが好きなことや夢中になれることがあるのに、「英語を習いなさい!」と子どもに言い切るのもどうかなあ…と悩みますね。
「K-POPはこれ以上聴かせないほうがいいかな?」と思って、英語の歌に切り替えようとするママさんもいるでしょう。しかし、「実際、私もK₋POP好きだしなあ…」と考えてしまいます…。
このような状態のときに、どう対処すればよいか、本記事で順番に解説していきます。
英語?ほかの言語?それとも日本語中心?
日本語も英語も、ハングル語も…といった具合に、脳内に次々と新しい言語をインプットできたらいいですよね。果たして実際はどうなのでしょうか。
次章でそれぞれについて解説します。わが子やママさん、パパさん自身にとって、どの考え方を採用したいか、すべきかを考えながら読んでみてください。
多言語で育つメリットとは
日本語はもとより、英語、ハングル語、中国語、フランス語など、複数の言語で育つと、脳の発達に良い影響を与えるといわれています。
脳は常に変化と適応を続けており、新しい言語を学ぶと、実際に脳の構造が変化するというのです。たとえば、バイリンガルには、言語処理に関与する脳の領域が大きく活性化していることが示されています。
National Academy of Sciencesによれば、2か国語以上の言葉を話しかけられて育った生後7ヶ月の子どもと、1ヶ国語のみで育った生後7ヶ月の子どもを比較したところ、前者のほうが認知機能における向上が見られたそうです。
また、Psychology Todayではバイリンガルは、1言語のみの話者と比べて、創造性を発揮しながら柔軟に課題解決に向かうとしています。
このように複数の言語を習得する人は、脳機能や思考力、創造性の発達にプラスの効果をもたらすと考えられているのです。
多言語教育にはデメリットもある?
一方、多言語で育てることに警鐘を鳴らし「まずは母語。母語の習得が論理的思考力の育成につながる」とする考え方もあります。
ミライコイングリッシュの記事を読むママさん、パパさんのなかにも「子どもが、母語である日本語のほかの言語を学ぶと混乱するのでは?」と考える人がいるでしょう。
ただ実際は、複数の言語を聴いて育つ赤ちゃんの脳は「言語の音を聞き分けて別々に処理している」ことが明らかになっています。
論理的思考力に関しては、母語が基盤となるもので言葉の意味や文法がまったくあやふやな状態では、順序立てて考える習慣が身につかなくなるといった考え方によります。
複数の言語の習得をめざす過程で、結局どの言語も身につかず中途半端な言語能力…となってしまう状況です。
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会話にあるように、多言語教育をおこなうかどうかは、子どもの年齢や特性を考慮する必要があります。子どもの言語発達に関しても、それぞれの子どもによって特徴があるのです。
2歳くらいの子どもが、難しいフレーズを話して周囲を驚かす場合もあれば、3歳ごろまでほとんど話さずただ聞いているだけの子どももいます。外国語に関しても「わかっているなら声に出すだろう」と保護者が予想しても、なかなかアウトプットしない子もいるでしょう。
とくに多言語で子どもに教えていきたいと考えるママさん、パパさんは周囲と比べることなく「わが子にとって何が一番よいのか」「可能性を伸ばすにはどうしたらよいのか」と考え、最適な教育方針を選択することが大切です。
子どもの特性を尊重して可能性を信じること
「英語も日本語も、ハングル語も‥‥となったら混乱しちゃう!」とあまり決め込まなくていいのです。世の中には2ヶ国語といわず、3言語以上の言葉を使いこなす人々もいます。
環境や状況、やり方次第で、子どもの脳も言語力もすべて「限界というものはないはず」と信じる姿勢も、言葉の教育をしていくうえで大切なことではないでしょうか。
先ほどお伝えしたように、赤ちゃんの時期から子どもは周囲の音を天才的に聞き分けています。統計分析して「これは聞き覚えのない音だけど、良く使われているなあ、一応とっておこうか」などと感じているかもしれません。
そう考えると、音楽にしろカラフルなおもちゃにしろ、赤ちゃんのころから好奇心旺盛だといえます。成長するにしたがって学んだことや教わったことの一種の「固定観念」になり、がんじがらめになってしまう…大人と比べると、子どもは実に自由なのです。
その時期に「〇〇をやると良くないだろう」「〇〇によって悪い影響が出るかもしれない」といった大人の感覚を通してしまうと、実はそれ自体が子どもにとってリスクになるでしょう。
子どもの特性を活かすには「〇〇だけやっていればいい」といった発想ではなく、さまざまな学びや経験をさせることで「○○が▢▢、あるいは△△とつながったり、合わさったりする」状況を作り出し、より良い成長を促せる…。そう考えてみてはいかがでしょうか。
親からの言葉も脳に影響を与える
この章では、親からの言葉、言葉のやり取りの大切さについて解説します。まず、これまでの話を簡単に整理してみましょう。
前章までは、二言語あるいは多言語教育をおこなうにあたっての親の姿勢について言及しました。子どもの特性や可能性を拓き、さらなる成長を促すためには、言語教育は重要です。
また、多言語といった異なる言葉を使うようになると、異文化理解や国際感覚、共感力などを磨けます。認知的にも良い影響を与え、よりクリエイティブになれる点もメリットでしょう。
ママさんやパパさんのなかには言葉を通じて論理的思考力を育てたい方もいるかもしれません。その場合「まずは日本語を習得することを重視して、英語は歌やCDを聴かせて英語耳になれるようにしていこう」と考える場合もあるでしょう。
保護者が、子どもが思ったり見たりした言葉を受け止めて返したり、さまざまな絵本を読み聞かせてあげたりして、言葉のやり取りをするなかで子どもは語彙を豊かにしていきます。
子どもは親の姿勢だけでなく、親からの言葉を通じて自分の考え方を形成していくのです。たとえばママから次のようにいわれたら、子どもはどのように感じるでしょうか。
「これをやらなきゃ力が付かないよ」
「英語の歌で発音を聞き取れないと話すこともできないよ」
こうした声かけばかりされれば、子どもは「ちゃんとやらないと上手になれない」あるいは「でも難しいな、ぼくには無理かもしれない」と感じるかもしれません。
逆に親から「この言葉、面白いね」「あなたはどう思う?」「へぇ、その言葉すてきね」といったポジティブな言葉をかけられれば、子どもは自分で考えたり新たな挑戦をしたりするでしょう。
周囲の大人や家族が発する言葉が、子どもの語彙力だけでなく、思考力や好奇心、創造性などに影響を与えるのです。
多言語の環境についても「あまり良くないだろう」と思えば、その思いが子どもに伝わり、親が「多言語によって子どもの思考が豊かになり、見方や考え方をより柔軟にできるだろう」と信じれば、子どももその期待に応えるかのように成長するでしょう。
ママさん、パパさんのなかにも「ポジティブな言葉を自分に投げかけると、前向きさが身につく」…そうして経験をされたことはありませんか?。ましてや子どもにとって、いかにより良い言語環境を整えるのが重要であることは明らかですよね。
せっかくなら英語も好きに!
子どもがK-POPについて興味を示して、歌っているのであれば親も一緒に楽しみましょう。そして、親が「せっかくならば英語の歌も好きになってもらいたいわ」と思えば、英語も歌も一緒に歌ってみます。
つまり「これだけ」といった制限を加えすぎず「こっちも」といった感じで対応するのです。英語の歌を進める場合も「あくまでもさりげなく」がポイントです。
K-POPアーティストが英語でインタビューに答えている場面をYoutube動画で見せてみるのも、英語学習へのモチベーションにつながるかもしれません。
韓国語や中国語、フランス語、ドイツ語などが話せるようになったら、人生がより豊かに楽しくなる、自由に海外にも行けるし、日本に訪れる観光客に日本の良さを伝えられる…など、妄想レベルかもしれませんが、発想を広げてみましょう。
今後、グローバル化はますます加速します。そのなかで、日本人が世界の人々と自由にコミュニケーションをしていくためには、まずは英語を習っておくとメリットを大きく感じられます。
ただ、かどうしても子どもが他(多)言語に興味を示す場合は「英語じゃなきゃダメ」と限定せず、「じゃ、ハングルも英語も両方楽しんじゃおう!」といった姿勢て対応してみるのも一つの方法なのです。
もしも「あれもこれも、全部やると、やっぱり、どれも身につかなくなるのでは」といった不安がまだぬぐいされない場合でも、あまり気にしないで…とお伝えします。
この過程で、子どもが英語交じりの日本語、日本語交じりのハングル語…といったように完璧でない表現を口にするケースもあります。その際、頭ごなしに「ダメでしょ!英語は英語で」と叱れば子どもは多言語環境にマイナスの感情を抱くでしょう。
「日本語や英語、ハングル語が、完璧な発音できれいね」といった表現を使うことなく、子どもが楽しみながら学べる環境づくりを整えることが重要です。焦って子どもにプレッシャーをかけるのは避けなければなりません。
子どもが言語学習に興味をもって楽しく学べると実感できれば、継続して学び続けるようになるでしょう。修正は、その都度おこなえば良く、保護者が最初から子どもに完璧を求めるのは子どもの学ぶ意欲を低めてしまいます。
誰とも比べることなく、お子さん自身の個性を尊重し、楽しく学べる言語環境を整えていきましょう。
さて、それではここでは解説してきたことを振り返り、まとめていくことにしましょう。
まとめ
子どもに英語の能力を身につけてほしいと考えるママさん、パパさんのなかには、子どもが英語以外の言葉に興味を示しているだけで、なんとなく不安を感じてしまう…といった人もいるでしょう。
一度にさまざまな言語を教えると脳が混乱して、それも中途半端になってしまうのでは、と考えるのは自然なことです。
母語の習得をしてから英語教育、あるいは同時進行で…など、親御さんの考え方や家庭の事情によってさまざまな挑戦がされています。どれが「絶対正しい」とはいえません。
大切なのは「いかにわが子の特性を理解し尊重して、より良い言語環境を整えていくのか」といった視点であり、行動力です。ご自身が子どもに投げかける言葉をふり返ったり、よりポジティブな考え方でどう子どもにアプローチするのが適切なのか考えたりしてみましょう。
ご家族で話し合ってもいいですね。今回の記事がお子さんのバイリンガルあるいはマルチリンガルをめざす保護者の方にとって参考になれば幸いです。