こんにちは!ミライコイングリッシュ事務局です。
今回は、幼稚園で人気の英語教育について、回数や内容、幼稚園で英語教育を行うとどのような効果やメリットがあるのかについて解説します。さらに、英語教育を取り入れている幼稚園を選ぶ時のポイントについても解説します。
英語教育を取り入れている幼稚園はとても多い
幼稚園、とりわけ私立幼稚園では、それぞれの園の特色を出すために、英語・スイミング・マーチング・体操・野外活動などのいろいろな活動を取り入れています。
2018年のベネッセの調査では、私立幼稚園の6割以上が英語教育を取り入れているということです。
現在では、もっと多いのではないかと予想されます。
また2020年から、小学校で英語が必修になりました。もともと幼稚園での英語教育は保護者に人気があったのですが、小学校で必修になったことで、保護者の方へのアピールとしても、より多くの幼稚園で教えられるようになったのです。
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幼稚園児に英語を教える効果
幼稚園児に英語を教えることは、どのような効果、言い換えればどのようなメリットがあるのでしょうか。
- 幼稚園児はいろいろなことを吸収できるので、英語も、大きくなってから勉強するより楽に覚えられる
- 耳から覚えるので、正しい発音を聞くことにより、ネイティブの発音に近い発音ができるようになる
- 遊びを通して楽しく教えることができるので、英語を好きにさせやすい
- 早くから始めることで、たくさん練習することができる
- 早くから始めることで、英語が話せるようになる
- 早くから始めることで、英語で物事を考えるようになる
- 外国人の先生や、外国の文化に触れることで、異文化に親しむことができる
- 学校で習う前に慣れておくことで、安心して学校の英語の授業を受けることができる
などの意見が聞かれます。このような考えから、幼稚園での英語教育は進められてきました。
幼稚園での英語教育は、どの園でも同じ?
小学校では、3年生から、教科書を使って英語の授業を行います。国の検定に合格した教科書を使い、学習内容や学習時間は国で決められています。
けれども幼稚園では、どのような英語教育をするかは、特に決められていません。
英語教育を行うかどうかも、それぞれの園に任されています。
ですから、英語教育を取り入れているといっても、内容も、時間も幼稚園によって様々です。
歌やダンス、ゲーム、簡単な会話が中心
英語教育を取り入れている幼稚園の多くは、歌やダンス・読み聞かせ・遊び・簡単なフレーズを使った会話などが主な活動です。
幼稚園によっては、アルファベットを書く練習も行います。
英語に親しむ
楽しく活動して、英語に親しむことが目的で、小さな子供の指導に慣れたネイティブの講師や、日本人の専門の講師が担当する場合が多いです。
英会話教室を運営している会社と提携して、講師が派遣されるシステムの幼稚園もあります。
1週間に1回、1か月に1回など、回数はそれぞれの幼稚園によって異なります。
英語に親しむこと、英語って楽しいと感じてもらうことがねらいなので、ペラペラにしゃべれるようにはなりませんが、何でもないふとした瞬間に、幼稚園で習った英語の歌を口ずさんだり、”I am ~”、”yellow”など簡単な英語を口にしたりする子も多いです。耳から覚えただけあって、発音が良いです。
小学校の英語の授業にも、不安がなくなる
小学校の英語の学習も、幼稚園同様、英語に親しむことから始めます。
歌やダンス、ゲームを取り入れ、簡単なフレーズを繰り返し練習しています。
幼稚園での活動と同じような活動ですが、楽しかった記憶と、やったことがあるという安心感があれば、小学校の英語学習にも抵抗感なく進んで参加できるでしょう。
課外に英語教室を開いている幼稚園も
正課の英語活動とは別に、課外活動として園内で専門業者による英語教室を開いている幼稚園もあります。保護者の方からすれば、別の英語教室への送り迎えをしなくてもよいので、便利ですね。正課の英語教育だけでは物足りない場合は、利用するのもいいかもしれません。
毎日1時間程度、英語を学ぶ幼稚園もある
英語指導に特に力を入れている幼稚園の中には、毎日英語の時間を設けているところもあります。
毎日1時間程度行っているという幼稚園では、「英語でコミュニケーションがとれる」ことを目標にしているそうです。
英語でコミュニケーションが取れるということは、英語で話したり答えたり、会話ができるということです。
話すこと・聞くことが中心のようですが、これも園によって様々です。
しっかりしたカリキュラムがあって、スモールステップで、楽しみながら、無理なく身につくように指導しています。
小さな子供の指導に慣れたネイティブの講師や、日本人の専門の講師が担当しています。
卒園後も継続して学習できるように、放課後に、習い事として通う卒園生もいます。
筆者は、このような幼稚園で英語を学び、一般の公立小学校に通う子を知っていますが、その子はネイティブのように発音し、物おじしないでネイティブの教師と会話していました。
口コミサイトでは、別の子の保護者が、「小学校の英語の授業で、他の子からすごいといわれるのがモチベーションになって、今でも学びを続けている」と書いていました。
幼稚園児に英語教育を受けさせるときに気を付けたいこと
このように、週1回程度英語に親しむ活動を行っている幼稚園や、毎日1時間程度英語でコミュニケーションが取れることを目標に取り組んでいる幼稚園、英語活動は取り入れていない幼稚園など、様々です。
また、幼稚園ではありませんが、すべての保育活動を英語で行っている「プリスクール」という幼児教育施設もあります。
最初に書いたように、幼稚園児に英語を学ばせることについてのメリットはたくさんあります。けれども、メリットがあれば、デメリットもあります。
幼稚園児に英語を学ばせることについてのメリットとデメリット
まずは、メリットについてもう一度見てみましょう。
- 幼稚園児はいろいろなことを吸収できるので、英語も、大きくなってから勉強するより楽に覚えられる
- 耳から覚えるので、正しい発音を聞くことにより、ネイティブの発音に近い発音ができるようになる
- 遊びを通して楽しく教えることができるので、英語を好きにさせやすい
- 早くから始めることで、たくさん練習することができる
- 早くから始めることで、英語が話せるようになる
- 早くから始めることで、英語で物事を考えるようになる
- 外国人の先生や、外国の文化に触れることで、異文化に親しむことができる
- 学校で習う前に慣れておくことで、安心して学校の英語の授業を受けることができる
共感できることも多いですが、「早くから始めることで英語が話せるようになる」や、「早くから始めることで英語で物事を考えるようになる」は、かなりの時間と努力が必要だと思います。特に英語で物事を考える、つまり「英語脳」はプリスクールのような英語だけの環境でないと、難しいかもしれません。
では、幼稚園児に英語を学ばせることについて、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
- 日本語の習得が難しくなる
- せっかく覚えても、使わないと忘れてしまう
- 英語が嫌いになってしまう
このようなことが、あげられます。
「日本語の習得が難しくなる」については、プリスクールのような英語だけの環境では心配ですが、日本語で話し、日本語で遊ぶ活動も十分ある一般的な幼稚園であれば、さほど心配には及ばないでしょう。
「せっかく覚えても、使わないと忘れてしまう」については、そのとおりらしいです。幼稚園時代を海外で過ごし、現地の友人と英語で普通に会話していた子が、日本に帰国し、日本の小学校で生活する中で、英語を忘れてしまうそうです。お家で英語力を維持するための努力をすればある程度維持できますが、英語を全く使わない生活の中では、忘れてしまうのです。
ですから、せっかく頑張って身に付けた力であれば、維持できるように、お家の方の働きかけが必要ですね。
3つ目の、「英語が嫌いになってしまう」、これが一番大きなデメリットだと思います。すべての幼稚園児が英語を学ぶことで英語が嫌いになってしまうわけではありません。けれども、教え方や、英語学習に費やす時間、教える内容がその子に合っていない場合は、嫌いになる可能性があります。
- できないからといって親や指導者がガミガミしかる
- 子供に劣等感を感じさせる
- 子供は他の遊びをしたいのに、親や指導者に無理やり英語を勉強させられる
- 子供はダンスが嫌いなのに、踊らないと親や指導者から怒られる
- ゲームで勝てない
このような状況の中で、子供は、「英語なんか嫌いだ!」と感じているでしょう。お家の方としては、良かれと思って、子供のためを思って幼稚園から英語教育を始めても、子供にとっては、嫌いになるきっかけになる場合もあります。一度嫌いになると、なかなか克服できないタイプのお子様もいます。みんなが楽しそうに活動していても、ご自分のお子様が楽しいと感じているかは別なのです。お子様の様子を見ながら、お子様が楽しく英語に親しめる環境を作ってあげてください。
大切なことは、英語教育に何を求めるか
お家の方が、幼稚園の英語教育に期待するのは、どんなことでしょうか?
英語でしゃべれるようになってほしいのでしょうか、英語に親しんでほしいのでしょうか、学校の英語の授業でつまずかないように前もって慣れてほしいのでしょうか、将来英語で困らないように今から英語をたくさん勉強してほしいのでしょうか?
- 英語でしゃべれるようになるには、たくさんの時間とたくさんの努力が必要です。本人の意欲も大切です。
- 英語に親しむには、楽しい活動をお子さんに合う形で与えてあげることです。
- 英語の授業は、小学校だけでなく、中学・高校と長く続きます。全部を幼稚園時代に先取りするには無理がありますから、まずは英語の入り口にスムーズに入れるようにしてあげましょう。英語を楽しいと思う気持ちと、英語の歌やダンス・ゲーム・簡単なフレーズに慣れておくことです。
- 将来英語で困らないようにするためには、最終的には英語がペラペラというのが望ましいです。でも、幼稚園の年齢でしゃべることができなくても、一生しゃべることができないわけではありません。お子様が興味を示せば幼稚園からトレーニングできる機会を作ってあげればよいし、あまり興味を示さなければ、他の面を伸ばしてあげることも大切です。英語嫌いにしてしまうと、将来お子様は困ります。
お家の方が英語教育に求めるものを決めてから、幼稚園選びをすることが大切です。
幼稚園選びの5つのポイント
「英語教育をやっている幼稚園に入れたいけれど、どの幼稚園を選べばよいのかしら?」と思っているお家の方へのアドバイスとして、幼稚園選びの5つのポイントを解説します。
幼稚園の英語教育で、お家の方が重視することをはっきりさせよう
- 回数や時間(月に何回か、一回の活動は何分か)
- 指導するのは、ネイティブの講師か、日本人の専門の講師か、担任か
- 楽しさを重視しているか
- 英語に親しむことをねらいとしているか
- 英語でコミュニケーションが取れるようになることをねらいとしているか
- 英語教育の評判はどうか
この中から、優先したいことをはっきりさせて、希望に沿う幼稚園を探していきましょう。
漠然と、「英語教育をやっている幼稚園は?」と探すのではなく、「1週間に1回くらいで、ネイティブの講師が教えてくれて、評判のいい幼稚園は?」、「毎日1時間くらい、英語でコミュニケーションが取れるように教えてくれる幼稚園は?」などと、英語教育のタイプをイメージしながら探しましょう。
また、ネイティブか日本人かという以上に、講師の教え方は重要だと思います。
できるようになることを求めすぎる講師では、お子様は威圧感を感じたり、英語が嫌いになったりする可能性があります。幼稚園の英語教育に対する考え方も確認しましょう。
英語以外にも、何を重視するか、優先順位をつけよう
幼稚園は、英語教育だけを行っているわけではありません。英語教育の評判が良くても、他の面ではどうなのかも、しっかり調べましょう。1週間に1回の英語教育や、毎日1時間の英語教育が魅力的だと思っても、幼稚園で過ごす時間の中で、英語教育以外の時間のほうが長いのです。
- 園長先生や、担任の先生たちは信頼できそうか、幼稚園の雰囲気は良さそうか
- カリキュラムにしばられずのびのび育てたいのか
- しっかりしたカリキュラムの中でたくさんのことを身に付けさせたいのか
- 人間関係をはぐくむことを大切に考えてくれるか
- 体を鍛えることや、体験を重視したいか
- 安全面は行き届いているか
- お弁当持参か給食か
- 通園バスがあるか
- 同じ小学校に上がる子が多いか
- 園庭は広いか
- 通園しやすいか
- 建物はきれいか
など、英語教育以外でも様々なことが気になると思います。優先したい条件は、優先順位をつけて、あらかじめ考えておいたほうがよいです。
体験に参加したり、質問したりして、情報を集めよう
入園案内やホームページに、「英語教育をやっています!」と写真付きでアピールしていても、実際には月に1回だったり、年長さんだけだったりという幼稚園もあります。
先日、近所の保育園児から英語で話しかけられてびっくりしていたら、保育園で英語を教えてくれているとのことでした。でも、その保育園のホームページには一言も書いてありません。口コミサイトを見ていたら、その保育園では、かなり前からネイティブの先生が週に1回来ているようでした。
入園案内や、ホームページ、口コミサイトだけではわからないこともあるので、英語教育以外のことについても、積極的に情報を集めましょう。
- 体験入園を実施していれば参加してみる
- 説明会や見学の時に気になることは聞いてみる
- その幼稚園に子供を通わせている知り合いがいたら、聞いてみる
- 説明会などに参加している他のママやパパに、知らない人でも話しかけてみる
など、できそうな方法で情報を集めましょう。
お子様が興味を持つかも参考にしよう
まだ小さなお子様に、どの幼稚園がよいかを決めさせることはむずかしいですが、体験入園に参加して、明らかに拒否反応を示す場合や、逆に興味を持っている様子が見られる場合もあるかもしれません。お子様の反応がはっきりしている場合は、幼稚園選びの参考にしてあげてもよいでしょう。
英語は習い事で身に付けるという選択も考えよう
色々調べてみると、どの幼稚園が良いか、ますますわからなくなることもありますね。
「A幼稚園は、英語教育はよさそうだけれど、遠くて通うのが大変そう。」、「B幼稚園は、評判もいいし、先生たちの雰囲気もいいのだけれど、英語教育をやっていないのよね。」など、すべて希望通りの幼稚園はなかなかないかもしれません。
そんな時は、幼稚園と英語教育を分けて考えてみてはどうでしょうか。英語にこだわらず、安心してお子様を預けられる幼稚園を選び、英語はお稽古事としてお子様に合った英語教室に通うという方法です。
お子様の興味やレベルに合わせて、回数やコースを変更したり、途中でやめたりできるのも魅力です。
まとめ
幼稚園でどのような英語教育が行われているのかについて、また、幼稚園選びの5つのポイントについて解説しました。
色々な考え方はあると思いますが、幼稚園に通う年代の子供にとっての英語教育は、英語に親しむことと、英語が楽しいと感じることが何より大切です。英語を楽しめる環境を、お子様に与えてあげてください。