子どもに英語を教える際、アニメを活用する場面は多いことでしょう。昨今はサブスクやYouTubeなどで手軽に英語アニメを利用できますよね。
しかし、実際使ってみるにあたり「どのようなアニメを選ぶといいのかしら?」「アニメを見せる場合の留意点ってあるの?」といった疑問をもつ人もいるでしょう。
そこで今回は、子どもの英語学習に活用できるアニメに絞った情報をお伝えします。子どもに英語を教えたい場合、アニメが効果的な理由やメリット、デメリットについて解説します。
後半では、子どもの英語学習に使うアニメの選び方やおすすめのアニメについて紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
子ども英語学習にアニメが効果的な理由
英語アニメの活用は、子どもの英語習得にプラスに働きます。アニメは声や音楽、映像効果によって興味を引きつけやすく、子どもが楽しみながら英語を学習できるでしょう。

ここでは、英語アニメが子どもの英語学習に効果的な理由として2つ挙げます。
- シンプルでわかりやすい
- 楽しみながら学べる
次から順に解説します。
シンプルでわかりやすい
子ども向けの英語アニメで使われる表現や比較的簡単で短いため、英語になれていない子どもでも簡単に覚えられるケースが多いといえます。
初めて英語に触れる場合、内容が難しければ子どもが「英語はイヤ!」というかもしれません。英語アニメであれば、シンプルなストーリー展開で内容が理解しやすく、子どもはその世界にどっぷりつかれるでしょう。
つまり英語アニメは、子どもが英語に抵抗感を抱くことなく学べる教材といえるのです。
楽しみながら学べる
お気に入りのキャラクターが、同じように日常生活を送っている場面を観たとき、子どもはきっと真似をしたくなるでしょう。
また、子ども向けのアニメーションは子どもが飽きないように作られているため、映像を見ているだけで楽しめます。英語が聞き取れないとしても、アニメからストーリーの内容がイメージしやすく、最後まで楽しみながら視聴できるでしょう。
アニメを使った子ども英語学習のメリットとデメリット
アニメを使った子ども英語学習のメリットは、「楽しみながら学べること」と「子どもの英語に対する学習意欲を高めること」が挙げられます。
先ほどお伝えしたように、英語アニメは子どもの抵抗感を軽減する要素がふんだんに盛り込まれており楽しさ満載です。楽しさは学習意欲と密接につながっているため、子どもは英語アニメで継続して学習できるでしょう。
ただ、英語アニメにはデメリットがあるのも事実です。視聴覚情報で知識をストックしやすいのですが、受動的な学習となりがちです。

アニメは基本的に楽しく、子どもの興味を引き付けやすいからこそ、場合によっては間違った価値観を取り入れてしまう可能性があります。
このため、まだ判断力が備わっていない子どもにアニメを見せる場合は、目的や内容を親がしっかり把握し見届ける必要があるでしょう。
次章で英語アニメの選び方や見方などを確認しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
英語アニメの選び方と見方
子どもの英語学習でアニメを活用する場合、子どもの興味を引き付けるだけでなく、効果的な英語学習につながる工夫をしなければなりません。
ここでは下記の3点に絞って英語アニメの選び方を見方を解説します。
- 子どもの興味を引くものである
- 発達段階や英語レベルに合っている
- 日本語字幕を表示させない
これら3点について順に説明します。
子どもの興味を引くものである
英語学習にアニメを使うのは、子どもが楽しみながら学べるためです。この目的を達成するには、子どもの興味を引くアニメを選ぶ必要があります。
親が「このアニメは面白い」と思って子どもに見せても、意外に子どもはそうでもないケースもあるでしょう。大人目線で良質だとしても、子どもが興味をもたなければ強制的に見せるのはマイナスに働きます。
※ここで注意点!いくら子どもが興味をもつからといって、親の立場で「このアニメはちょっと違うな、見せたくないな」と思うものについては、見せたくない理由を子どもに伝える姿勢も大切です。
発達段階や英語レベルに合っている
英語アニメが子どもの英語学習に合っているのは、アニメ自体がシンプルでわかりやすいためです。
しかし、親が子どもに「どんどん英語を学んでほしい」と焦り、レベル以上のアニメを選ぶとすれば効果を感じられません。効果を感じないばかりか、子どもは英語嫌いになってしまうでしょう。
これを回避するには子ども目線に立ち、予想される段階より若干やさしい英語アニメを選ぶようにしましょう。子どもが「これは簡単!」となれば自信につながります。「もっとむずかしい英語アニメはないかな?」となったところで、次のレベルに進む…。
このように子どもの様子をよく見て、習熟度や自信のもち方など把握しながら英語アニメを選んでみてくださいね。
日本語字幕を表示させない
英語学習でアニメを使う場合は、日本語字幕を表示させず、英語の音声のみで視聴させるようにしましょう。
飽きるまで何度も視聴することで、自然に英語のインプット量を増やせます。インプット量が増えれば増えるほど、アウトプットにつながっていきます。
親の姿勢としては、決して焦らないこと。子どもにも100%理解できるのを求めすぎず、およそのストーリーをつかめればOK!といった姿勢で接しましょう。
親の姿勢を見て、子どもは安心して何度も見ると思います。いずれ「あ、わかった!」といった声を上げるかもしれません♪
おすすめの子ども英語アニメ5選
ここでは、おすすめの子ども英語アニメを5つ紹介します。なお、数値については2023年4月2日現在のものです。
PeppaPig
内容・特徴 | イギリスアニメ/pigの家族の日常がストーリー/1話5分程度のものもある |
備考 | YouTube(チャンネル登録3050万人・動画2791本) |
Peppa Pig(ぺッパピグ)は、イギリスの国民的アニメといわれています。英語がスローであるため聞き取りやすいのもメリット。Peppaが家族や友達と生活するなかでさまざまなことを学んでいく内容であるため、子どもが身近に感じやすいでしょう。
比較的短いアニメで、アットホームな雰囲気もあり、親が安心して子どもに見せられます。実際に使える会話表現もふんだんに盛り込まれているため、親子一緒に視聴し、実生活でアウトプットするのもいいですね。
Miffy
内容・特徴 | 絵本も世界中で人気/ミッフィーワールドを楽しめる/15分から1時間以上のバリエーション |
備考 | YouTube(チャンネル登録7.76万人・動画734本) |
絵本の世界そのまま、赤ちゃんや子どもが興味づけられるカラフルな世界観を楽しめるでしょう。
Miffyちゃんと家族、仲良しの友達とのやり取りやちょっとした冒険にほっこり癒されつつ、日常会話を学ぶことができます。親子一緒に、ほのぼの気分を味わってみてはいかがでしょうか。

WiiPoo Kids
内容・特徴 | ディズニーの人気アニメ/比較的ゆっくりペース/5分以内のアニメが多い |
備考 | YouTube(チャンネル登録2800人・動画248本) |
こちらのチャンネルでおなじみのWinnie the Poog(くまのプーさん)は、子どもが好きなディズニ―アニメのなかでも人気がある作品です。
キャラクターの話し方がスローペースで聞き取りやすいのが特徴です。英語の字幕が流れるため、親子で見るときに大人も学びやすいかもしれません。
YouTubeでは、くまのプーさんの動画としてさまざまなチャンネルがあるため、お気に入りの作品を探してみてくださいね。
Curious George
内容・特徴 | 5分から1時間以上のものあり/好奇心旺盛なジョージに親しみがわく |
備考 | YouTube(チャンネル登録371万人・動画1570本) |
Curious George(おさるのジョージ)は、人気絵本シリーズをもとに作成されたアニメです。話の展開は比較的ゆっくりで流れを理解しやすい構成となっています。
また、ジョージと彼の友人との冒険ストーリーは、遊び心と楽しさ満載で、長年多くの子どもたちの心をとらえてきました。
Hey Duggee Official
内容・特徴 | 子どもを飽きさせない場面展開/くすっと笑える内容/1、2分~30分程度の動画 |
備考 | YouTube(チャンネル登録161万人・動画937本) |
The Squirrel Clubといわれるアクティビティクラブが舞台となっている話。英語を学べるだけでなく、ユーモラスな展開に笑える内容となっています。
音の抑揚やリズムなど、テンポのよい構成が子どもの興味を引き付け、ときには一緒に声を張り上げてしまう瞬間を味わえますよ。

このように、今回はYouTubeからおすすめのアニメを紹介いたしました。アニメーションのイメージによっても子どもの好き嫌いがわかれるでしょう。
子どもの好みや成長に合わせて、お気に入りのアニメを探してみてくださいね。
英語アニメを活用する場合のQ&A
ここでは、英語アニメを活用する場合に予想される質問をピックアップし、それに回答する流れで解説します。
英語アニメは字幕付きじゃだめ?!
子どもにアニメを見せて英語学習させたい場合、「字幕はやっぱりないほうがいい?」「日本語字幕はだめとしても英語字幕ならOK?」といった疑問をもつことでしょう。
結論を先にお伝えすれば、下記の通りになります。
- できたら字幕なしで見る
- 字幕を見せるとすれば英語字幕で
たしかに「英語を英語で理解できるように」するには、徹底的に英語シャワーで英語のみの情報をインプットさせる必要があります。
ただ赤ちゃんや小さい子どもが、字幕を見て「これ何?」と思っても、英語を読むといった行動はとりにくいでしょう。
英語の字幕であれば、自然と文字に興味を示し始めるかもしれません。
親子で見ている場合、親御さんのなかには英語の字幕があったほうが、子どもから「今、なんていったの?」と質問された場合、答えやすいですよね。
最初は英語の字幕バージョンを見て、しばらくして字幕を外してみる(可能であれば)と理解が深まる可能性があります。
音であれ文字であれ、「英語」と特定しているのであれば「字幕は絶対ないほういい!」と完璧に考え過ぎなくてもいいのです。ただし、くり返しますが日本語字幕は表示させないでくださいね。
英語アニメで英文法を学べるの?
赤ちゃんから幼少期にかけて英語を学ばせる場合、文法をまったく意識しないわけにはいかないでしょう。
ただ、be動詞と一般動詞の違い、疑問文の作り方などを明示して理解させるのは、とくに小さい子どもには難しいもの。強制して覚えさせようとはせず、楽しみながら英語アニメを見せることで、自然に文法的要素を理解できるようにさせましょう。
アニメを何回も聞いているうちに、be動詞を使って疑問文をつくる場合はbe動詞を前に出すことを理解できるでしょう。
また、英語アニメは自然な言い回しやフレーズを使っているケースが多いため、子どもがそのまま覚えて実際の場面で使うようになると考えられます。

まずはインプット量を増やしていくことを念頭におきます。そのほうが、本格的に文法を学ぶ際に抵抗感を抱かず理解を深められますよ。
英単語を覚えることは可能?
英単語についても英文法と同様です。
英語アニメなどでインプット量が増えてくれば、単語や熟語などをたくさん覚えられるでしょう。ただ、単語帳やカードなどを活用して集中的に学習するのも、効率的な学習方法といえます。
英語アニメを活用するのは、どちらかといえば活用の仕方や自然な表現をフレーズごとに覚えるのに合っているかもしれません。
このため、単語力をつけるには英語アニメだけでなく、単語帳や単語オンリーの学習を併行させながら覚えるようにするのがおすすめです。併行させることで、単語の意味理解がスムーズに進みます。
英語アニメ以外の英語学習を併用しよう
前章で解説したように、英語力をつけるには、「英語アニメだけ見ていればOK!」というわけではありません。
このように双方向の学習法を身につけることで、一つの単語に関する情報量をバリエーション豊かに増やしていけます。
英語アニメでストーリーがわかって「楽しかった!」と子どもが感じたとしても、実際に理解しているかどうかはわかりません。
親が「子どもは理解している」と思っても、似たシチュエーションで英語表現をさせる際、「え?なんといえばいいんだっけ?」とすっかり忘れてしまっている場合もあります。
英語アニメをくり返し見させると同時に、単語力や表現力に関する学習を併行させていくと、英語を理解したり表現したりするスキルを磨けるでしょう。
英語アニメ以外の英語学習としては、下記の例が挙げられます。
- 絵本の読み聞かせ
- 英単語のフラッシュカード
- 数多くの英単語がでてくる動画や歌
- 英単語をまなべるおもちゃ
- 英単語のゲームやアプリ
昨今は、YouTubeや無料アプリなどを使って、簡単に学習できる環境が整っています。ゲームやアプリ、おもちゃを使って覚えるメリットは、子どもの興味を引き付けながら楽しく学習できる点です。
アプリから出される問題に集中して回答する幼稚園児がいるかもしれませんね。
何でどのように学習させるにしても、まずは英語のリスニング力を就学前に伸ばしていくことを念頭におきましょう。リスニング力に臨界期があり、0歳児から小学校に就学する前後までに英語シャワーを心地よく浴びせてあげるのが大切です。
その意味で、今回紹介した英語アニメや歌などはリスニング力の向上に役立ちます。また、語彙を増やしたり想像力を伸ばしたりするのに絵本も取り入れたいところ。

一日英語づけにするのは、忙しいママさんやパパさんにとってかなりハードなことかもしれません。ただ、歯磨きをする時間や方法を根気強く教えるのと同様に、最初は時間を決めて一緒にやるようにしてみてはいかがでしょうか。
このように、各家庭のタイムスケジュールに上手に組み込み、少しずつ焦らずに続けていきましょう。毎日の積み重ねがきっと子どもの英語力向上につながっていきます。
まとめ
今回は、子どもの英語学習に使われる英語アニメについて解説しました。いかがでしたか。
以下のようにまとめてみました!
- 英語アニメはシンプルで分かりやすい
- 子どもが楽しみながら学べる
- 英語アニメを選ぶ際は「興味」「レベル」「字幕」に配慮する
- 英語アニメ以外の学習方法も併用する
英語アニメも、英語学習に使われる動画と同じように、英語のインプット量を増やすのに適しています。シンプルでわかりやすく、楽しみながら見れるのがメリット。
しかし、子どもの興味や発達段階などを把握しながら選ばなければ、効果を感じにくいといえます。まずは子どもの好きなキャラクターや声などから判断して、英語アニメを活用してみましょう。
今回紹介したアニメは5つですが、YouTubeやサブスクなどで数多くのアニメが紹介されています。映画を選ぶように親子でいろいろと探してみるのもいいかもしれません。
英語習得には継続が大切!そのためには、子どもが楽しめているかを常に確認しましょう。そして、一日のなかで有意義で楽しめる英語タイムをつくってみてくださいね。