こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
お子さんに、早いうちから英語学習をさせたい!と思う親御さんのなかで、英語の”発音”に関心をもつ方はいるでしょう。たとえば「アメリカ英語?それともイギリス英語がいいの?」と質問される方がいるかもしれません。
子どもが英語に初めて触れるときから正しい発音を覚えた方がいいと思っても、「本当に正しい発音って、アメリカ?イギリス?」とハテナマーク…。
あとから修正するにしても、一旦覚えた発音を直すのは難しいと考えるからこそ、習う英語の発音を気にされるのでしょう。
アメリカ英語とイギリス英語、どちらを選べばいいの?
ところで、一般的にいわれるアメリカ英語とイギリス英語の違いはどこにあるのでしょうか。
そうかといって、初めて英語に触れる子どもにアメリカ英語とイギリス英語の両方をフォニックス的に学ばせるのは、子どもも親も大変になるでしょう。
また、アメリカ英語とイギリス英語は、発音のほかイントネーションなどに違いがあります。
この点を知っておけば、アメリカ英語に慣れているとしてもイギリス人の発音や言葉に若干違和感を覚えつつ「あ、やっぱり違うんだなあ、でも意味が分かるから大丈夫!」と思えるようになるでしょう。
つまり「いろいろな英語に触れ合う」…発音やイントネーションに関して”〇〇が正しいor悪い”と評価しないで会話を楽しむこと…が大切です。
知りたい!アメリカ英語とイギリス英語
ここでは、アメリカ英語とイギリス英語の違いについて、簡単に解説します。言語の背景にある歴史や文化についても触れられ、もしかしたらさらに調べてみたくなるかもしれません。
アメリカ英語とは?
アメリカ英語といえば、アメリカ合衆国で使われている英語のことを指します。アメリカといっても、大きく北部と南部の方言に分かれているとか。東海岸と西海岸によっても違いがあるようです。
ただ、アメリカ英語はイギリス英語と比べて地域による差がそれほどないと言われます。イギリスからの移民がアメリカに渡って400年以上もの長い間使われてきたことと関係しているかもしれません。
また世界的に使われる言語(公用語)として英語は重視されていますが、英語を公用語として使っている国のうち、そのほとんどはイギリス英語を基本としています。フィリピンなどはアメリカ英語を公用語として使っているようです。
日本の学校で習う英語や街で見かける英語はほとんどがアメリカ英語。日本人にとっては英語といえばアメリカ英語となるでしょう。
しかし実際は、イギリス英語が世界で広く使われている点については理解しておく必要があります。
イギリス英語とは?
英語はもともとイギリスで誕生しました。イギリスから多くの移民がアメリカに渡ったことはよく知られています。このことから現在のアメリカ英語がイギリスで生まれた元々の英語に近いといえるでしょう。
英語発祥の地、イギリスでは英語が変化したといわれています。それはイギリスという国家がさまざまな”方言”や”訛り”をもつ地域で成り立っていることを考えれば自然のことだったかもしれません。
現在イギリスにおける標準英語は、18世紀以降教育機関で教えられてきた英語が基礎となっています。これがReceived Pronunciation(容認標準発音RP)と呼ばれているもので、イギリスの国語辞典に反映されています。
カナダ英語とは?
実はカナダ英語は、イギリス英語とアメリカ英語とも異なります。簡単にお伝えすると、カナダ英語のつづりはイギリス的、発音はアメリカ的といえるでしょう。
カナダとアメリカ英語の発音が類似するのは、アメリカ独立戦争(1776年)以降、当時イギリス領土であったカナダに中北部のアメリカ人が難を逃れて流入した経緯があります。
一方でカナダ英語のつづり方がイギリス寄りなのは、教育の影響を受けているためです。アメリカから逃れてきた人々はどちらかといえば王党派。イギリスに近しい人々であるため、イギリス的教育やイギリス英文法を学校で教えるようになりました。
このため、発音はアメリカ、文法やつづりなどはイギリス英語という特徴が生まれたのです。
同じ言語であれ、縦のつながりを見れば大きく変わっていると考えられます。また、地域的に横のつながりが増えれば、言語の特徴が交差されて独特の言い回しや発音を生み出すといえるでしょう。
では、最後にアメリカ英語・イギリス英語・カナダ英語の発音の違いを簡単にまとめてみます。
言葉 | アメリカ英語 | イギリス英語 | カナダ英語 |
センター | center | centre | centre |
色 | color | colour | colour |
気づく | realize | realise | realize |
お手洗い | bathroom | lavatory | washroom |
~できないcan’t発音 | キャント | カント | キャント |
水water発音 | トメェーィト | トマート | トメェーィト |
このほかにも実にたくさんの比較ができます。イギリス英語とカナダ英語のつづり方が類似するとはいえ、realizeのようにアメリカとカナダが同じ場合もあります。
また、発音についてはアメリカ英語とカナダ英語が似ていますが、appleの発音でいえば”アメリカが「ェアポーウ」、カナダが「アーポゥ」”のように違うこともあるのです。
英語を学ぶ際にどこの国の英語を選ぶかによって発音やつづり方の理解も異なります。しかし、それらの一つ一つにこだわるより、まずは英語の音や文字に十分に親しませる方が発音を聞き分ける力を養えるでしょう。
こだわらなくても大丈夫!
違いが分かればいろいろと気になるかもしれません。ただ「イギリス英語じゃなきゃいけない」「アメリカ英語の方がいい」と偏ってしまうと、カナダ、オーストラリア、フィリピンなどそのほかの国の発音に結局は違和感を覚えてしまいます。
それよりも、出会った音に驚いたり好奇心を抱いたりしながら、体験を通してその都度学んだ方が会話を楽しめるのではないでしょうか。
そもそも、英語といっても、さきほど挙げた英語を公用語とする国以外にも、さまざまな国の人々が使っており「いったいどれが正しい英語?」と思えるほど!発音だけでなく、イントネーションも多様です。
たとえば自宅でアメリカ英語中心のDVDを視聴し続けたのち、そろそろ英会話スクールで生の英語に触れさせたいと思ったとしましょう。その際、英会話スクールの先生がイギリス人でこれまで見聞きした発音と違うと子どもは戸惑うかもしれません。
ただ、大人よりも順応しやすいのが子どもです。最初は驚いても何度も聞いていけば少しずつ慣れていくでしょう。
おそらくイギリス人の先生もアメリカ英語の歌や動画を普通に視聴させると思います。「イギリス英語が正規の英語です!」という信念でもない限り、イギリスの先生であれ柔軟に対応できるでしょう。
インタビューを受ける人々の姿から「大切なのは、話す”内容”なんだ!」と感じますよね。インタビューを受けて「自分は〇〇だと考えています」と知っている英単語やフレーズを使いながら懸命に伝える姿を見て「これでいいんだ!」と感じる方は多いでしょう。
もしかしたら日本人は「聞こえのいい発音」を求めすぎているのかもしれません。しかし、いくら発音が上手だからといって英語で表現するのをためらっていては、英語を覚えても宝の持ち腐れとなります。
発音といえば、日本語のなかにも方言がありますね。違う土地を訪れて「理解のしにくさ」に驚く方もいるでしょう。一応標準語と決められているものの、実際使われる言語には関西、東北、九州など、バリエーション豊かな発音の世界が存在しているのです。
初めて聞く方言に付いていけず困った経験はあるかもしれませんが、慣れると意外に分かってくるもの。最初は分からなくても分かろうとするその姿勢がコミュニケーション力ともいえます。
「聞こえる言葉が自分の範疇とは異なるから困る!」と思うのではなく「え?今なんていったの?どういう意味?」「へぇ、そういう意味なの?びっくり!」と応じる姿勢の方が「言葉って面白いね、話すと楽しいね」と思えます。
英語も同じです。「その発音は今までとは違うから意味が分からない」と考えるのではなく「へぇ、そうやって発音するのね、なるほど!」「全然言葉が変わるのねえ、勉強になるわ」とポジティブにとらえる…。
このように、理解したり認め合ったりしながら会話をつなげる方がコミュニケーション力が向上し、人間性も豊かに成長できるでしょう。
とにかく…「あの言葉はいい、この言葉はダメ!」と決めつけず「言葉を使う人がいればその人のふるさとがあり、価値観もそれぞれ」と思ってみる、互いに認め合う姿勢を大人の私たちも身につけたいですね。
子どもたちも、違っているのを良し!としたり、なぜ違うのか探ってみたりできる方が、人生を楽しく生きられそうです。それぞれの違いを認め、理解し合える関係性を築く力が、グローバル社会に必要な要素ではないでしょうか。
英語の発音の違いを楽しみながら学ぶ
異なる英語の発音に柔軟に対応できるよう「いろいろな英語を聞きまくる!」という学習法を取り入れるといいかもしれません。
さまざまな音やリズム感、言葉に親しむ経験は語彙力だけでなく対応力をも向上させるでしょう。また、違いに気づき比較しながら学ぶのは、知的好奇心を刺激したり論理的思考力を養ったりできます。
まちがい探しのように「あ、これも違うね!」「あ、これも見つけた!」という感じで言葉にどんどん触れされていくのは、子どもにとって楽しい学び方になるでしょう。
いろいろな国の出身者と話す機会をつくるのもおすすめします。アメリカ英語の発音だけを習っているとすれば、インド人が話す英語の発音を聞いて「あれ?この人の発音は全然違うなあ、聞き取りにくいなあ」と感じるかもしれません。
しかし、音に興味をもって親しみ、違うことに対して寛容になれるのが子どもです。とにかく聞いて、試して、自分も話して…というようなプロセスを踏めば少しずつ耳が慣れていきます。
音楽を聴くようにさまざまな音に触れることで聴く力がつきます。小さいころから慣れていけば、どのような英語の音にも抵抗感なく聞き取り理解できるようになるでしょう。
また、英語学習を継続させるのはとても大切なことです。日常生活に英語を取り入れる習慣づけを意識していきましょう。
そのためには、最初に張り切り過ぎて三日坊主になってしまわないように工夫する必要があります。1日2時間の学習を義務付けて、1ヶ月くらいで疲れ切ってしまうのではアウト!30分でも15分でもいいから、毎日長期的に続けていきましょう。
60日くらい続けるとそのうち「なんだか英語をしないと気持ち悪い」なんて感覚になっていきます。これが本来いわれる学習の習慣化です。とにかく音にふれて触れて2000時間3000時かのストックを日々積み重ねていきましょう。
では、ここまでのことをまとめて、おさらいしていきます。
まとめ
日本でもっとも学習されているのはアメリカ英語。しかし留学はイギリスという道をいずれ選択する人もいるでしょう。そう考えると「子どもに習わせるのはイギリス英語の方がいいかな?」と思う親御さんがいるかもしれません。
ただ、正解はなく、どちらでもありません。アメリカ英語であってもイギリス英語であっても、発音の違いやイントネーションがどんなに変わっても、実はこだわって決めてしまわない方が、多様な英語の発音に対処できます。
いろいろなイントネーションで聴く耳を育てられれば、英語のリスニング力はさらに向上するでしょう。逆に「〇〇英語でなければいけない」とがんじがらめになれば、聞こえてくるのに”分からない”状態になるかもしれません。
この状況を回避するために、さまざまな英語の発音やいろいろな国籍の人々と出会う場をつくり、子どもに気づかせたり試行錯誤させたりして、音のストックを増やせるようサポートしていきましょう。