こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
子どもに英語を学ばせている親御さんのなかには、次のような悩みを抱えている方はいませんか?それは、「子どもがシャイで全然英語を話そうとしない」といった悩みです。
人見知りが激しい子どもが、いきなり英会話スクールでネイティブの先生に話しかけれらればどうでしょう…。きっとママの後ろに隠れたり離れなかったりするのではないでしょうか。
せっかく英語を学ばせたくても、子どもの様子をみて「やっぱり早いかしら」「いきなり英語を話させて英語が嫌いになっても困るし…」など、いろいろな思いが交錯することでしょう。
うちの子、口数が少なくて…
また、英語というより、日本語を表現する段階で「ほとんどしゃべらない」「人から名前を聞かれても恥ずかしそうにする」など…目の前の子どもを見て心配になる親御さんもいるでしょう。
「このまま英語を勉強させるのが、本当に子どものためになるのかしら」
「英語学習を無理強いさせてしまっては、余計に話さなくなるのでは」
こうした悩みはできることなら解決したいですよね。
ただ、そこまで心配はしなくても大丈夫!もちろん、もともと外向的な子どもの方が英語学習でアウトプットしやすいかもしれませんが、内向的な子どもだからといって語学を習得できないことはありません。
会話にあるように、呪縛から早めに解かれた方が、親も子も生きやすいでしょう。
つまり、何がよくて何が悪いと白黒つけるより、子どもや自分自身の良い面に目を向けた方が結局は子ども(自分)のためになるのです。
〇〇である方がいいと決めつけないで
華やかな世界で活躍している人々のなかにも、過去を振り返れば驚くほど内向的であったり、家族以外の人とはあまり話さなかったりしている人もいます。
とくに人を笑わせる芸人さんのなかには、テレビに出ているときと楽屋にいるときとでは”人が違う?”と思われるほど、オンオフを分けている人もいるようです。
ひとり静かに内省したり他者の様子を見たりして、自分なりに「人間の本質」をとらえる見方を養っているかもしれません。こうした内向的な側面が、実際の華やかな世界に異彩を放ち人気を博しているといえるでしょう。
結局…「積極的ー消極的、外交的ー内向的、明るいー暗い」など、性格分析に使われる表現は、「積極的な人間」「消極的な人間」という別個のものではないのです。
つまり、人は皆、心のどこかに「積極的な自分」「消極的な自分」の両方を抱えているのではないでしょうか。時と場合あるいは相手によって使い分けたり誤差のようなものが生じたりしているだけの話。
子どものころは消極的であっても、大人になるにしたがって変化したり状況によっては積極性を発揮したりできるようになるでしょう。
たとえ積極的になれなくても自分自身を認めて自分らしく幸せに生活できることが大切なのです。逆に「積極的でないからダメ」と自己卑下に陥ってしまう方が心配になります。
親が子どもに「もっと積極的に話しなさい」と強要し過ぎれば子どもはどんどん自信をなくしてしまいます。強制することなく、親として子どもの良さを引き出したり伸ばしてあげたいですね。
シャイな子どもに英語を教えるコツ
では、シャイな子どもに英語学習をさせるにはどうしたらよいでしょうか。
ここでは、シャイな子どもでも取り組みやすい内容を紹介します。実は、特別なことでもなく、ごくごく当たり前の内容です。たとえば…
- 親子で一緒に英語の絵本を読む
- お気に入りの歌や動画を探す
- とにかく英語シャワーで心地よく
シャイな子どもにいきなり「習った単語を教えて」「発音の仕方が合っているか確かめよう」といったアウトプット型のひと言をかけると、あまり良い結果は期待できないでしょう。
それよりもインプット中心で、楽しめる時間を増やしてあげたいものです。決して焦ってはいけません。
また、親が強制的に「〇〇の英語動画がいいから見なさい」とすすめるのではなく「一緒にお気に入りの歌や動画を探してみよう!」と誘ってみる方が、乗り気になるでしょう。
気に入った歌や動画を見つければ、くり返し視聴することも考えられます。語学の習得にはくり返し音やリズムをインプットすることが大切です。知らぬ間に英単語やフレーズを覚えてしまうかもしれません。
ママが子どもに読み聞かせをしたり、なかには「一人で読みたい」と言って静かに読書をしたりすることもいいでしょう。文字に興味をもてば、親から強制されなくてもノートにアルファベットを書き始める可能性もあります。
このように、シャイな子どもに英語を教えるコツといっても、ほかの子どもと同様であることがお分かりいただけるでしょう。
実は特別な内容のことをするというより、「させ方・向かわせ方」を工夫することが重要なのです。
シャイな子へのフォローで大事なこと
子どもが恥ずかしがりやで内向的である場合、英語学習をさせると余計に話さなくなるのでは?と思う方がいるかもしれません。
意識すべきは「強制はしないこと」。子どもの内面は大人が思う以上に育っていきますが、すぐに芽は出ず、大きくなって花を咲かせるまでは何年もかかるかもしれません。
しかし、日の当たる場所で土壌を良くして毎日適量な水を与え続ければどうでしょう。きっと芽を出し少しずつ成長していきます。
つまり、温かな眼差しで、子どもの「見えないところの育ち」を支える姿勢が大切なのです。
これも新たな課題になりますね。恥ずかしがりやの子どもをどうフォローするのか、ここでは、フォローする際に念頭におきたいポイントを紹介します。
- 認める
- 反応する
- 支える
順番に解説します。
フォローのポイント1:認める
親が子どもにやる気をもたせたいと思う場合、「ほめる」ことが大きく推奨されます。ただ、ほめる言葉やほめ方によっては、子どもにプレッシャーや不信感をもたせる可能性があります。
たとえば、いつもシャイであった子どもが、勇気を振り絞って簡単な英語のフレーズを発音したとしましょう。親としてうれしい瞬間ですよね。「すごいね!やればできるじゃない!上手にできたね!」などたくさんのほめ言葉をかけるでしょう。
しかし、子どもによっては大げさにほめられることで、かえってプレッシャーに感じるケースもあります。「やっぱりちゃんと発音しなきゃいけないな」「話さないのは悪い事なんだな」ととらえるかもしれません。
ほめちぎるよりも「子どもの今をそのまま認める」姿勢を大切にしましょう。大げさでなく自然体で「rの発音がネイティブみたいね」「聞き取りやすい英語ね」など具体的に伝えるのです。
フォローのポイント2:反応する
子どもが英語で発音を始めるまでは、相当量のインプットで量や質を豊かにしてからでないと難しい場合があります。
焦りはよくありません。ただ、子どもが少しでも英語で話したり伝えようとしたりする場合は、親はしっかり反応しましょう。
まだ話す段階でない場合は、CDや動画を一緒に見ながら親が子どもに「How about you?って便利な表現ね。あなたはどう?How about you?」のように返してあげます。
つまり、親が子どもの発話をうながしたいと思えば、まずは親が子どもに語りかけたり、親の気づきを子どもに返したりする必要があるのです。
フォローのポイント3:支える
内向的な子どもにその子らしい表現力を付けさせたいと思えば、親の支えは必要です。
子どもがどのように答えてよいかわからない場合、「とにかく自分で考えなさい」「これは前にならったでしょ?」と親が子どもに追い詰めるほど、子どもの発話は遠くなるでしょう。
本当に忘れてしまっている場合、子どもは親の一言に傷つき「なかなか覚えられない自分がダメだ」と判断してしまう可能性があります。
この場合、親が子どもの自尊心を傷つけることなく「”お風呂に入る”は確か…take a …」とヒントを出して、子どもが「あっ、言わないで!わかった。take a bathだ!」といえるようにフォローしましょう。
覚えていないことを責めるのではなく、”引き出し”に何が入っているか「チラッ」っと見せてみる感覚でフォローします。親自身が教え方を工夫するのです。
親がこうした感覚をもっていれば、子どもは安心して学びを進められるでしょう。
再度確認!発話を始めたら親はどうする?
シャイな子が言葉を発するのはとても勇気のいることです。その勇気を振り絞って一生懸命発話したのに、笑われたり冷やかされたりすれば、大きなショックとなり、なかにはトラウマになってしまう子どももいるでしょう。
「認めて、反応して、支えること」を意識して、子どもが失敗したとしても上手にフォローしてあげましょう。最大限のほめ言葉は「大げさな言葉」ではなく、「自然な言葉かけ」を心がけます。
たとえば、take a bath(風呂に入る)と表現すべきところをwash a bathとした場合、子どもが「ダメでしょ」の言葉ではなく「惜しい!wash a bathだとお風呂を洗うってなるわね、t…」のようにヒントを出してあげます。
こうした声かけを自然にできるようになれば、子ども自身は失敗を引きずらないでしょう。
適度なプレッシャーをかけられた子どもは…
ただ、次のような疑問をもつママさんもいるでしょう。
「でも、いつも子どもに気を遣いながら教える感じで、かえって疲れそう」
「ある程度のプレッシャーがあった方が、子どもの成長につながるのでは?」
とってもわかります。シャイな子どもに「自信をもって英語で話せるようになってほしい」の思いが強ければ、どうにかしたいと思います。しかし、道中長くて、親の方が根負けしてしまいそうです。
プレッシャーのかけ方についても、子どもの性格をとらえつつ、適量を意識してみます。ゼロにする必要はないのです。
プレッシャーが少なすぎて、将来とてつもないプレッシャーのかかる場面で自分を見失ってしまえば、その方が子どもにとっては酷な結果となるかもしれません。
ただ、その子に合うプレッシャーをかけたとすれば、その結果がどうであれ、必ず挑戦したことやがんばったことについて認めてあげましょう。ありのままの姿を認め抱きしめてあげてください。
そこに、特別な言葉を伝えようとせずとも、子どもは親の愛情を感じ取って大きな安心感を得るでしょう。それが次のステップにつながるのです。
内向的な子どもの特徴と可能性
最後になりますが、ここで改めて確認しておきたい内容をお伝えします。内向的な子どもの特徴についてです。
発達心理学では、つぎのように気質と性格に分けて考えるのが一般的です。
- 気質:生まれながらにしてもっている傾向
- 性格:後天的に環境が要因となって生まれたもの
人は生まれながらにもっている「気質」があります。これを改善しようと躍起になるより、「もって生まれた~らしさ」を大切にする接し方が重要です。
内向的な大人のなかには、もともとの気質と環境要因、つまり後天的に生まれた「性格」があります。ただ、環境や見方・考え方を変えることで、性格は変容するとも考えられるでしょう。
この記事を読んでいる親御さんのなかには「自分の内向的な性格が子どもに影響を与えているのかしら」と思う方がいるかもしれませんね。しかし、そこまでご自身を責めないでください。
外交的であることが理想とされがちなアメリカでは、ある本が人気となりました。それは『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』(スーザン・ケイン著)です。
こちらでは、内向型の良さや魅力を明確にしながら、その個性を大切に伸ばす方法を伝えています。ご興味ある方は一度手に取ってみてください。
こちらの本には、何人もの著名人が内向的傾向をもつと伝えています。たとえば、下記の人々です。
- アインシュタイン(科学者)
- スピルバーグ(映画監督)
- ショパン(音楽家)
- ビル・ゲイツ(マイクロソフト社)
- ラリー・ページ(グーグル社)
- エイブラハム・リンカーン(米国大統領)
- バラク・オバマ(米国大統領)
- エマ・ワトソン(女優)
文筆家や芸術的な分野で活躍している人が多いかと思えば、実はそうでもありませんね。ビジネスや政治家など、公の場でスピーチをする人々も含まれているのです。
たとえば、内向的な人は環境に対して敏感に反応し、場の雰囲気や状況を深く読み取ろうとします。そして、読み取った内容を丁寧に分析し、自己判断をしているのです。忍耐力や自己コントロール力も備わっているといえるでしょう。
反面、ちょっとしたことで傷つきやすく、感情のコントロールがしにくくなる傾向もあります。また、プレッシャーに弱くメンタル面でのサポートが必要な場合もあります。
大切なのは、自分の弱みを認識し「ここまでいくと自分が太刀打ちできなくなる」程度を知っておくこと。そして、それ以上に、強みに視点を移し伸ばしていく姿勢です。
親が内向的な子どもを育てるとき、頭のすみに「外向的にさせたい」といった思いがあるとしたら、それは子どもにとってよくありません。「外向的な方がいい」という思いが根底にあり、子どもが前に進めない要因なります。
子どもの可能性を広げたいと思えば、過度のプレッシャーに弱いことは念頭におきつつ、超えないレベルでの挑戦を少しずつ増やす方法が望まれます。まずは超えやすいハードルを与えて、達成感を味わわせながらレベルを上げていくイメージです。
無理のない範囲で一歩一歩乗り越えていく…。そして小さな子どもの頃は、親子で一緒に乗り越える姿勢を大切にしましょう。
さて、それではここまでお伝えしたことを、まとめていきましょう。
まとめ
わが子に英語学習をさせているママさんのなかには、「うちの子がシャイで全く話さないけれど大丈夫かしら?」と心配になります。
ただ、子どものそうした性格を長期的にとらえれば、大きな飛躍のチャンスとなるかもしれません。そう信じることが大切です。
愛情たっぷりに「認めて、温かく反応して、支えて」いきましょう。
そうすれば子どもは自信をもち、少しずつ芽を出して成長していきます。いずれ自分の力で大きな花を咲かせるでしょう。
決して焦る必要はありません。愛情たっぷりに英語シャワー、一緒に絵本を読んだり歌・動画を視聴したりして、英語の楽しさを一緒に味わいます。
初めて発話したときは、間違っていたとしても「発話」を認めて優しく正してあげます。もしも叱ってしまいそうなときは、一旦深呼吸をして再びこの記事を読んでみてください。
親もまた完ぺきではない…これが普通なのです。親子一緒に成長していく…。その過程が親子関係を温かいものにしてくれます。こうした関係性で育つ子どもは、きっと少しずつ自信をつけていくでしょう。