こんにちは!ミライコイングリッシュ運営事務局です。
英才教育という言葉を聞くと「頭のいい子に育てる教育」と考える人がいるかもしれませんが、実際「英才」とは英語でgiftedと表記され、生来備わっている才能を指します。
また、アメリカで「英才教育」といえば、GATE(Gifted And Talented Education)といった特別なカリキュラムが用意されている教育を示す場合があり、一般的にはギフテッド教育(gifted education)と呼ばれています。
つまり英才教育は、いわゆる”頭のいい子”に限定されず、gifted child(天性の才能をもつ子ども)を対象に、その能力を伸ばすために施す教育を指しているのです。
たしかに、「これだ!」と思える特性を発見して育てていくのは、意外に難しいのが現状です。
今回は、子どもの才能を伸ばすための教育をする際に、英語教育を取り入れた場合を例に挙げながら、英才教育のメリットやデメリット、留意点などを解説します。
子どもが自分の個性にポジティブな感情を抱き、伸び伸びと能力を伸ばしていける環境をつくる際に参考になる記事です。ぜひ最後までお読みください。
赤ちゃんに英才教育をするのはどうなの?
英才教育が「子どもの才能を見つけて最大限伸ばすための教育」とすれば、赤ちゃんの時代に「果たして天性を発見できるのか」と疑問をもつ親御さんはいるでしょう。
実際に赤ちゃん期に英才教育は可能なのでしょうか。ここでは、英語教育を例に挙げて解説します。
赤ちゃんに英語の音を聞かせるのは有効
赤ちゃん期に「この子は英語を覚える才能がある」と親が感じる場面はあまりないかもしれません。ただ、赤ちゃん、あるいはママのお腹のなかにいるときから、赤ちゃんに心地よい音楽や声を聞かせるのは、効果のある学習法といえるでしょう。
たとえば1歳未満の赤ちゃんは英語の音を聞き分けるといわれ、生後6ヶ月から8ヶ月ごろの間に、言語の統計処理を見事にやり遂げるとか…。生後8ヶ月以降になり「わたしは〇〇語をおもに聞けばいいんだね」と判断しているなんて驚きですよね。
このため、赤ちゃん期に英語で英才教育を施すのは、聴力や知力の発達にプラスに働くと考えられています。
※ただ、小学校入学前後まで子どものリスニング力は成長し続け、思春期の入り口でも音の違いを判断できる、とする学者もいます。実際は「赤ちゃんから学齢期にかけて英語に親しむ時間をつくるのは意義がある」といえるでしょう。
0歳~3歳までは右脳が優位!英才教育に最適
人間の脳は「五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)や直観力、創造性などをつかさどる右脳」と「言語や計算、論理的思考力などをつかさどる左脳」にわかれています。
とくに0歳から3歳までの脳は右脳が優位とされる時期であるため、英才教育は3歳までに始めるとよいとされます。なぜ右脳を育てる必要があるかといえば、下記の能力を向上させるためです。
- 想像力
- 判断力
- 記憶力
まず1つ目の想像力。想像力が高まると感性が豊かになり、クリエイティブな能力を発揮しやすくなります。
2つ目の判断力が向上すると、状況からベストな情報を抽出し、リスクを回避することも可能になります。とっさの判断もしやすくなるでしょう。
3つ目の記憶力の向上は、左脳的かと思われますが、実は右脳を鍛えることで叶えられます。右脳を鍛えると言語以外の情報(視覚や聴覚)でイメージ化できるため、物事を理解しやすくなるのです。
会話にあるように右脳を鍛えることで、情報処理スピードを上げて記憶力をより高めることができるのです。
右脳の発達が著しい点を考慮すれば、赤ちゃん期から英才教育を施すことで、子どもの可能性をより伸ばせると考えられます。
ただ、赤ちゃんから英才教育をおこなうにしても、具体的なメリットやデメリットを把握しておきたいところですね。
次章では、ミライコイングリッシュに関連づけ「早期の英語教育がもたらす影響」を視野に入れて解説します。まずはメリットからお伝えします。
子どもに英才教育を施すメリット
今回は、子どもに早期の英語教育をおこなうメリットを紹介します。前章で紹介した右脳の育成について加味しながら解説します。
早期の英語教育がもたらす英語力の向上
赤ちゃんから幼児期にかけての英語のリスニング力は、前述のとおり大変優れています。0歳児から英語の音RとLの聞き分けができるほどです。
大人は文法や英単語といった「文字」を通して覚える学習法が身についていますが、英語のリスニングに関しては悩む人が少なくないでしょう。
幼児期に英語の音に親しんでいればともかく、大人になってリスニング力を向上させるのは、意外に大変なのです。
しかし、小さいころから英語の音やリズムに慣れ、右脳的にイメージをつかめていれば、英語耳の形成だけでなく「英語で英語を理解するといった英語脳を育成できます。
小学校高学年や中学校での英語科授業で、文法的な内容を学習する場合も、何度も聞いて身についたフレーズが理解を助けることでしょう。
言語以外のスキルが身につく
コミュニケーションを円滑におこなうには、言語情報だけでなく視覚や聴覚などあらゆる感覚を駆使する必要があります。
この点において、日本語とは異なる「音やリズム」を実感させる英語教育は、子どもの右脳を育てるのに役立ちます。
たしかに聞こえる英語の音は一種の言語情報ですが、子どもにとっては音楽と同様に「音」であり聴覚情報といえます。また、外国人の先生やお友達の話す姿や口元、ジェスチャーなどを視覚的に捉えるのは、日本人どうしのコミュニケーションより右脳に刺激を与えるでしょう。
つまり、日本語とは異なる発音や表現方法をもつ言語を学ぶのは、言語以外の情報を把握する力や感性、表現力などを磨けるのです。
学習意欲を高められる
英語を早期に始めるメリットとして挙げられる3つ目は、学習意欲の向上です。ふだんの生活では使われない異なる言語は、子どもにとって大きな刺激になります。
また「机に向かって勉強する」スタイルではなく、赤ちゃんのころからの英語教育は「遊び」が主体です。先入観がなく子どもが「したいようにしたいまま遊べる世界」は楽しいものであるはず。
学習意欲が高まると子どもは主体的に学ぼうとするため、理解力や思考力の向上にもつながるでしょう。
では、次に英語を通して英才教育をおこなうデメリットを紹介します。
子どもに英才教育を施すデメリット
ここでは、英才教育をおこなうにあたって生じやすいデメリットについて解説します。
乳幼児期から英語教育を施す際、今回紹介するような負の面があることを念頭におきましょう。デメリットにならないようにするための視点や対策も紹介しますので、参考にしてみてください。
多くのプレッシャーを与える可能性
たとえば、英語の英才教育をおこなう際、「英語はこれから絶対必要!」「グローバルな人間に成長するには英語は必須」といった親の思いが強いため、子どもに過度のプレッシャーを与える可能性はあります。
右脳教育との併用で、子どもの聴覚や視覚、感性などを豊かに育てようにも、成果が目に見えない場合は親として焦りますよね。
英語で英才教育をする過程で、子どもが嫌がっていると感じる場合は、一旦時間を置くゆとりをもちたいものです。英才教育のもとがgifted(天性の才能)とすれば、親の見方ではなく子ども自身の可能性にしっかり目を向けましょう。
楽しい体験や遊びができなくなる
英才教育として塾に通わせたり、家庭教師を雇ったりするだけでなく、朝から晩までスパルタ教育を施せば、子どもの成長にマイナスに働きます。子どもは「親に怒られるのが嫌だから机に向かう」ようになり、学習そのものに否定的な感情を抱くでしょう。
赤ちゃんから幼児期にかけて必要なのは、右脳を育てることです。右脳を育てるには、子どもの「好き」や「興味」を大切にしながら、楽しい体験や遊びを充分にさせるのが重要です。
下記のようにおすすめしたい遊びはさまざま挙げられます。
- ブロックや積み木遊び
- カードやボードゲーム
- お絵描き
- ごっこ遊び
- 外遊び
- 絵本の読み聞かせ
- 音楽や歌、音遊び
英語教育の場合、歌や絵本の読み聞かせはもちろん、フラッシュカードや積み木、お絵描きなどを取り入れながら子どもと楽しく遊べそうです。
また、ピアノの英才教育をおこなうにも、単にピアノに向かわせるだけでなく、上記の遊びを上手に取り入れましょう。
適切な教育が受けられないリスク
英才教育をおこなう際に注意したいのが「適切でない教育」を施すことです。適切でない教育とは、子どもの「好き」や「興味」があまり尊重されず、可能性を狭めてしまう教え方を指します。
たとえば、言葉をまだ発しない赤ちゃんが泣いているときに無理やり英語の歌を聞かせても、赤ちゃんは英語の音を吸収できないでしょう。
また、早めに英語学習をスタートした子どもが、ある日「サッカーをやりたい」と話したとすれば、親としてどのように回答するでしょうか。
- 「でも、せっかくがんばってきたから続けよう」
- 「英語は絶対必要だから、やらなきゃだめ」
このように子どもに伝えて、無理やり続けさせたとしたら…。子どもは気もちを受け入れてもらえない状況にストレスに感じるでしょう。もっとも避けたいのは、子どもが「英語が嫌い」になり、しかもサッカーに対する興味さえ失ってしまうことです。
もしかしたら「サッカーをやりたい」と話した子どもは、「瞬発力が抜群」「ボールさばきが天才的」といった天性の才能をもっている可能性があります。
親は、いつでも子ども目線で多様な見方ができるように努めましょう。親目線の言葉を伝えるのではなく、たとえば次のように子どもに伝えてみるのもいいですね。
- 「そうねぇ、おじさんがサッカー上手だからちょっと教えてもらおうか」
- 「サッカーもいいわね!今はサッカー選手も海外にどんどん行くしね」
- 「英語話せると、チャンスも広がるかもしれないよね。どう?英語続けられそう?」
といった感じになるでしょうか。
子どもの「好き」や「興味」に関心をもち尊重する親の姿勢は大切です。この気もちがあれば、子どもへの教え方や伝える言葉も工夫できるでしょう。
赤ちゃんに英才教育(英語)を施す際の留意点
ここでは、赤ちゃんに英才教育を施すべきか?の質問に回答する内容でまとめます。
最初にお答えすれば、赤ちゃんに対する英才教育は慎重におこなうべきでしょう。
英才教育に効果があるとはいえ、やり方次第ではその後の成長に支障をきたす可能性があります。
英語で英才教育をおこなう場合も、これから紹介する点を考慮していきましょう。
タイミングと頻度をどうするか
子どもに英才教育をおこなう場合、みなが同じタイミングに合わせられるわけではありません。ただ、遊びを通して英語に親しませたり、親子で歌や絵本を楽しんだりするのは、赤ちゃんのころから有効でしょう。
一般的に2歳~3歳ごろをめどに英語を始める家庭もあれば、小学校入学を機に学び始める子どももいます。いずれにしても、子どもの年齢や発達、個性などを考慮する必要があります。
また、言語習得の場合、「継続」が重要ポイントでインプット量を増やすのが大切ですから、続けやすい環境を整えるのも大切にしたいですね。
限定的な英語環境で意味があるのか
日本の赤ちゃんや子どもは、英語に触れる機会が限られます。だからこそ、親は子どもが音声を自然に耳にしたりコミュニケーションをとったりする環境を提供しなければなりません。
ただ、限定的な英語環境、つまり「あえて英語を使う必要のない環境」である場合、英語教育一辺倒になってしまうのも、子どもの個性や才能に気づきにくくなる可能性があります。
つまり「英語”を”学ぶ」というよりむしろ「英語で〇〇を学ぶ」といった視点の方が、英語力も子どもの個性や人間性も伸ばせるのです。
※子どもの才能や可能性を広げたいと思えば「英語でサッカーを学ぶ」といった視点での英語教育の方が、実になると考えられます。
英語の英才教育によって日本語が遅れないか
子どもに早くから英語を学ばせる場合、親御さんのなかには「日本語の習得が遅れないか?」と心配される人もいるでしょう。
国内でバイリンガル教育を進める場合、ふつうに生活している分には、英語よりも日本語を聞く量が圧倒的に多いため、日本語の習得に過度の遅れが生じるケースはあまりないでしょう。
ただ、母語の確立は、子どもの思考力を伸ばす際に重要な役割を果たします。このため、赤ちゃんのころから英語教育をおこなう場合は、英語のみを使わず、日本語とのバランスを保ちながらおこなうのが望ましいでしょう。
ちなみにバイリンガル教育に関しては、別記事『バイリンガル子育て法|赤ちゃんから幼児期の秘訣』で紹介していますのでぜひ確認してみてください。
英才教育を成功に導くには
英才教育のメリットとデメリットでお伝えしたように、子どもにプラスに働く場合もあれば、子どもの可能性を狭めてしまう場合もあります。
これを避けるには、メリットとデメリットの内容を把握し、子ども目線で「わが家はどうしていくべきか」考えることが重要です。
たとえば、下記の3点を念頭におきましょう。
- 子どもの「好き」を大切に
- 遊びを中心に楽しく
- スキル以外の成長にも目を向ける
英語教育を始めるにしろ、サッカーをならわせるにしろ、子どもの「好き」や「興味」につながるものか確認しましょう。遊びを通して培われる右脳の発達を重視すれば、楽しさが根底にあるか見極める姿勢も大切です。
また、英語の力やサッカーの技能など、目に見える部分ばかりを評価せず、子どもの内面や意欲などに目を向けます。
その過程で親が「この子は実は、〇〇に才能があるのではないか」と気づけば、ときには方針転換する必要もあるでしょう。
いずれにしても、子どもの個性に合わせた教育をおこなうことが重要です。
よりよい教育を、と考える場合、親はどうしても「コストをかける」ことに目を向けがちですが、実は探してみると高いコストや無駄な時間をかけずに利用できる「学びの場」があることは念頭におきましょう。
まずは子どもの気もちや特性に目を向けること。そして、親が子どもの才能や可能性を信じること。親が”一番のサポーター”として何ができるか考え行動していきましょう。
まとめ
おわりに、今回の記事のまとめをしたいと思います。
- 英才教育とは生来もつ才能や特性を伸ばす教育
- 右脳の発達を支える教育方法がポイント
- 英才教育はスキル向上以外の力や意欲も高める
- 英才教育を成功させるには、子どもの「好き」を大切に
- 遊びや体験で右脳の発達をサポートしながら
- 親が心にゆとりをもって
英才教育はgifted educationと表記され、子どもが生来もつ才能や特性を大切に育てることを指します。親が教育熱心なあまり、強要してしまえば、子どもの可能性を奪ってしまうでしょう。
大袈裟かもしれませんが天から授かった才能や特性を、親がまっさらな目で観察し気づくことが大切です。
赤ちゃんから英才教育を始めようと思っているママさん、パパさんは、今回紹介した内容を今一度確認し、最終的に子どもが自信ともって自分の特性を伸ばしていけるようサポートしていきましょう。