脳の仕組みを生かすってどういうこと?
お子さんに、英語ペラペラになってもらおう!と奮闘しているママさん、パパさんへ。
英語学習のスケジュールは、どんな風に組み立てていますか?もちろん、無理は禁物!あくまでも、その子の体力や集中力に合った、ほどよいペースでこなせるプランを立てるのが良いことは大前提とした上で、です。
せっかくなら、脳の仕組みを生かして効率の良い一日の学習スケジュールを組み立てる、なんてどうですか?
脳の構造は1人1人微妙に違っていますが、ざっくり「こういう傾向がある」と言える共通の仕組みがあるので、積極的に活用しながら、プランの形成に取り入れていった方がいいでしょう。
この漫画のママさんも、今まさにお子さんの英語のスケジュールを組み立てている真っ最中のようです。朝にはこれを、夜にはこれを、…とやるべき内容をどんどん決めていっているようですが、どうして朝にやるのか夜にやるのか、その1つ1つにこれといった根拠はないようです。
これではちょっともったいないかもしれません。ではどうやって、朝にやるべきことや、夜にやるべきことを決めていったらいいのでしょうか?
脳の働き方は1日のうちで微妙に変化する
人間の脳は、1日のうちで働き方が微妙に変化するということをご存知でしょうか?
以前、何かで見聞きしたことがあり、既に知識として知っている人もいれば、聞いたことはないけれど本能的になんとなく解っていたなんて人もいるかもしれませんね。
さて、そのことを踏まえた上で、スケジュールをどう組めばいいかというと…
まず、朝について。
朝、人間の脳は論理的な思考が得意になります。とても冷静になり、ものごとを客観的に捉えることができるのです。
よく、前の晩に書いたラブレターを、翌朝になってもう一度見直してみたら、恥ずかしくて顔から火が出そうになった!なんて話がありますよね?あれは、朝になると人間の脳が冷静になって、論理的に捉えられる様をまさに象徴しているエピソードです。
つまり、英文読解や文法学習など、難しいことに着手するのであれば、夜よりも朝やった方がいいということです。
では、夜になるとどうなるか。
夜になると、人間の脳は記憶力がアップします。よく、眠る30分前に単語を暗記するといい、とか、何かを覚えた状態で、その後すぐに眠ると記憶が定着するなんて言われているのを耳にしたことがありませんか?
単語をたくさん覚えたい、フレーズを暗記したい、なんて願望がある時は、その学習を夜間に回すといいでしょう。
また、夜になると人間の脳はクリエイティブにもなります。英語を使って劇の脚本を作ってみようかな、なんて学習方法を試みたい人は、そういった時間も夜に回すといいでしょう。
感受性が豊かになり、何でもロマンチックに捉えることができるので、洋画を観て英語の勉強をする時も、朝にやるよりは夜にやった方がいいでしょう。
このように、人間の脳は1日のうちで微妙に得意なことが移り変わるので、その特性を生かしたスケジュールを組むようにすると、学習の効率がアップします。是非、覚えておいてくださいね。
また、脳のために「集中力を発揮しやすい環境」を作ってあげることも大事です。
シーン…としている自宅の勉強机が誰だって一番集中できるに決まってる!と決めつけて考えがちですが、決してそうとは言えません。
無音の状態で学習するよりも、ある程度の雑音を耳にしている方が、人間は安心して集中力を発揮しやすいなんて言われているんですよ!
よく、受験生があえて家から外に出て、塾の自習室や図書館やカフェで勉強をしようとしますよね?あれはまさに、脳が適度な雑音を求めているからなんです。もちろん、大きなBGMが掛かっている店や、他人のおしゃべりが聞こえ過ぎてくる環境では、集中できないでしょうが、ちょっとザワザワしているくらいだと、人間の脳は最高に調子が良くなるんですよ!
最近では、リビングで学習をする子の方が成績が伸びるなんて研究もされているようですね。もし、お子さんがなかなか自室へ行って1人で学習してくれないようなら、あえて、リビングやダイニングでやらせてみるといいかもしれません。
脳のために気をつけてあげるべきこと
人間の脳はとても繊細に出来ているので、音以外にも色々な条件で集中力は変化します。
たとえば、色調や温度などもそうでしょう。
派手な色調を目にしていたら、アドレナリンは出るかもしれませんが、ずっとその状態だと疲れてしまうかもしれません。だからこそ、部屋の壁やデスクやカーテンの色、洋服の色、ノートやペンの色も、できるだけ落ち着いたものにするなど、こだわった方がいいでしょう。
また、寒過ぎたり暑過ぎたりしてもいけません。部屋が暖かければ身体は最高に快適でしょうが、快適過ぎると今度はボーッとして眠くなってしまうので、暖かいよりは涼しい方がいいなど、室温に関してもこだわってみてください。
また、姿勢も重要なポイント。
姿勢が悪いと脳は最高のパフォーマンスを発揮できないので、こたつで背中を丸めてグニャンとした状態では勉強をしない方がいいでしょう。
その他、お腹の満腹度合いによっても集中力は変化します。
食べてすぐは、身体が「消化」に集中するので、脳の働きは低下します。海外の人はランチ後にシエスタといって昼寝の時間を設けていたりするのですが、あれはまさに身体のことを考えた習慣と言えるでしょう。
お腹が空いている状態だとパワーが出ないのでは?と思うかもしれませんが、どちらかと言えば空腹状態の方が集中力は増すので、そのあたりのことも考慮してスケジュールを組んでみてください。もちろん、お腹が減り過ぎているとイライラして勉強どころではなくなってしまうので、その絶妙なさじ加減も考えてあげてください。
最初、完璧なスケジュールが出来上がるまでは少し苦慮するかもしれませんが、一度これがベストなプランだ!と定着してしまえば、後はそれを実行するだけなので、気楽に捉えてくださいね。
脳は「~してはいけない」という命令を実行できない
もう一つ、脳の仕組みについてお伝えしましょう。
脳は、「~してはいけない」「~するな」という否定形の命令を受けることができないんです。「どういうこと?」と思うかもしれませんが、例えば、「りんごのことを考えないで」と言われるとどうでしょう?どうしても、りんごのことを考えてしまいますよね。
つまり、「間違ってはいけない」とか「ミスをしてはいけない」と言われると、ミスのことばかり気にしてしまうということです。ミスをしてはいけない、と思えば思うほど緊張してミスを重ねてしまう、誰しもそんな経験をしたことがあるでしょう。
ですから、お子さんに対して「間違えてはいけない」「間違えるのはよくないことだ」という否定形のメッセージを送るのは逆効果だということです。
人間ですから、間違えない人はいません。小さなものから大きなものまで、人は間違いを重ねて、その経験から学んでいくものです。間違いを恐れる気持ちは誰でも持っているものですが、お子さんが間違いを恐れてばかりいるようだったら、パパさん、ママさんが意識的に対応を変えてあげる必要があるかもしれません。
「何度失敗しても大丈夫。そんなことであなたの価値は下がったりしないんだよ」「いつでもパパとママはあなたの味方だよ」、そんなポジティブな言葉をたくさんお子さんにかけてあげてください。
「ほんとうにそうなのかな?」とお子さんは最初は半信半疑かもしれません。「ほんとうなんだ」とお子さんが納得できるかどうかは、お子さんが失敗してしまった後のパパさん、ママさんの反応にかかっているんです。
お子さんに「ダメじゃないの」「また間違えたの?」なんて言っていませんか?ハッパをかけているつもりかもしれませんが、これではお子さんが安心して失敗することができません。
お子さんの性格にもよりますが、たとえ失敗してしまっても、「よくがんばってるね」「ここまでできたんだね」と声をかけてあげてください。言われていやな子はいないはずです。努力やプロセスを認めてあげることで、お子さんは安心して失敗できるようになるのです。
すべて自分の思い描いたとおりに進むことなどありません。いいことがあれば悪いことがあり、それでもまたいいことがある。そんな繰り返しで子どもは成長していくものです。
小さなころからたくさん失敗して、また立ち上がって再チャレンジする経験をしていれば、どんなことがあっても大丈夫、と思うことができるでしょう。
まとめ
それでは最後に、この記事でお伝えしてきたことをまとめていきます。
英語学習のスケジュールを組む時には脳の仕組みを最大限に生かしたプランを練りましょう。
朝になると論理的思考力がアップし、夜になると記憶力や創造性がアップする、そんな脳の特性を生かしたスケジュールを組むことができたら、学習の効率がアップします。
また、脳は繊細に出来ているので、集中力を発揮しやすい環境を作ることにも気を配ってあげるといいでしょう。
たとえば、音について。完全に無音であるよりも、そこそこ雑音が聞こえている方が集中力はアップすると言われているので、あえてリビングやダイニングで、両親の気配を感じながら勉強をさせてあげた方がいいかもしれません。
派手過ぎる色調の中で勉強をさせたり、暑過ぎる、寒過ぎる、または暖かくて快適過ぎる環境で勉強させたりしないように。落ち着いた色調でなおかつ、ほどよく涼しいと感じられるような、学習に意欲的になれる環境を作ってあげましょう。
正しい姿勢で勉強することも大事です。
また、空腹過ぎても満腹過ぎても脳はパワーを発揮できないので、食事の時間についても考慮しながら学習のスケジュールを練ってみてください。
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