子どもの英語教育・英語学習はいつから開始するべき?
はじめに
こんにちは!ミライコイングリッシュ事務局です。
2020年4月に、小学校3年生から『外国語』、小学校5・6年生は明確に『英語』の授業が必修科目となり、数年が経ちました。具体的には、英語の特性を踏まえて「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の各領域別に具体的な目標が立てられ、英語学習が進められています。
こうしたなか、親御さんのなかには「入学前に英語を習わせたいけれど…いつから始めたらいいの?」と思う方もいるでしょう。
ただ、学者によっていつから英語学習を始めることについては賛否両論分かれており、”絶対必要”といえない状況であるのも事実です。
ほかの習い事と同じように、英語の早期教育に関してもメリットとデメリットを知っておいた方が、より正しい英語教育を施せるでしょう。また、実際の効果を感じやすいのではないかと考えます。
本記事ではまず、「早くから英語教育を始めるメリットとデメリット」について解説します。そのあとで「いつから英語学習をさせるのがよいのか」「英語を始める場合のポイント」などをお伝えします。
なお今回の”早期”とは赤ちゃんから幼児期までを指しますのでご承知おきください。
早期に英語教育を始めるメリット
早期に英語教育を始めるメリットとして、今回は3つ取り上げます。
やはり早くから始めるメリットの一つめは「リスニング力」でしょう。英語の音を正しく聞き分けられれば話す力につながると考えます。
いつから英語教育を始めるか考える場合も、まずは早期の英語教育のおけるメリットを確認してみましょう。
英語の音を聞き分けられる
早くから英語を耳にすることで、英語の音を聞き分ける力(英語耳)が育つといわれます。
英語音の聞き分けが可能な時期については、ミライコイングリッシュのほかの記事でも何度か伝えています。英語耳を育てるのに適した時期(第1臨界期)は、なんと1歳未満。
生後6ヶ月から8ヶ月の間に「これからの生活に必要な音はどれかな?」と赤ちゃんなりに分析しながら音の聞き分けをおこなっているとか。いわゆる統計処理ですね。
くり返しますが、「英語特有の音RとLを聞き分ける力は、1歳未満で決まる」といわれているのです。
とはいえ、「いつから英語を耳にしているか」で、詳細が音の聞き分けに差が生じる可能性はあり、幼いころから英語の音に慣れ親しんでいた方が聞く力も磨かれるでしょう。
また、中学校以降の学習に対する抵抗感を減らすことも可能です。
ネイティブに近い発音で話せるようになる
小さいころから英語の音に親しむ際に、英語のリズム感も養えます。英語のリズムには、アクセントやイントネーションなどが含まれます。
何度も何度も耳にすることで、次第に英語の音とリズムが身体にしみ込みます。たしかに相当量のインプットや練習が必要ですが、継続次第でネイティブに近い話し方を身につけられるでしょう。
このように、英語の音やイントネーションなどに慣れている子どもは、ネイティブのように「チェキラゥ」と発音します。
しかし、英語にあまり触れていない子どもはCheck it out!の”文字”をそのまま読むイメージで「チェック イット アウト」と発音するかもしれません。
小さいころに英語を習い始める際は、最初に文字ではなく音から入ります。このため聞こえる音を身体にしみ込ませやすく、ネイティブのような発音が可能になるのです。
英語に対する抵抗感を和らげる
「いつから英語を学ばせようか」悩む親御さんのなかには、「できるだけ早めに始めた方が英語に対する抵抗感を減らせるかも」と考える人がいるでしょう。
実際に、小さい子どものころから英語を習い始める場合、小学校に入って初めて英語を耳にする子どもより英語に対する抵抗感を軽減できます。
この背景には、英語の教育法が影響しています。つまり赤ちゃんや幼稚園児が始める英語は基本的に「楽しさ」が重視されます。ゲームや遊びがたくさん盛り込まれ、子どもは「英語を習うのは楽しい」と感じやすいでしょう。
このような導入法であれば、英語を習得しやすく覚えることもでき、やる気も育まれます。
英語に対するポジティブなイメージが強くなれば、小学校から始める英語学習にも抵抗感なく向かえるはずです。
小学校英語でも「あ、それ知ってる」「わ、先生の言ってることわかる!」といった感覚でスタートできた方が、自信をもってさらに学びを続けていけますよね。
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早期に英語教育を始めるデメリット
メリットを確認できたところで、次は早期に英語教育を始めるデメリットを解説します。「いつから英語教育スタートしようかな?」と悩む親御さんも、デメリットについて確認した方が対策を講じられます。
ここでは、早期に英語を習い始めるデメリットを3つ紹介しますので、チェックしてみてください。
英語嫌いになるかも
子どもは「これ、いいなあ」「おもしろそうだな」と思うと意外に簡単に覚えてしまいますよね。子どもにとって「好き」や「興味」は学びの大切な源です。
しかし、。親から英語学習を強制させられ「覚えなさい」といわれた場合は、どうでしょうか?。あるいは、挑戦したけれどうまくいかなかったり失敗したりして「これじゃダメでしょ」と叱られるとしたら‥‥。
子どもはやる気をなくし、英語を嫌いになってしまいます。
子どもに良かれと思って始めた英語教育が無駄になり、しかも嫌いにさせてしまっては、小学校以降の英語学習にも悪影響ですね。
子どもの「好き」や「興味」を大切にして、英語が「楽しい」と思える教育を施さなければ、早期教育はデメリットにしか働かないのです。
日本語も英語も中途半端になるかも?
子どもの早期教育に反対意見を述べる人は、ダブルリミテッドの考え方を用いる場合があります。ダブルリミテッドとは、複数の言語を使用する環境にいても、どの言語も中途半端に終わってしまい年齢相応の習熟を確保できない状態を指します。
ダブルリミテッドになりやすいのは、帰国子女やハーフの子どもなどが挙げられます。つまり母国語などメインの言語力が定着していないことによるのです。
言葉を理解するための脳機能「言語野」は3歳ごろまでに急速に発達するといわれます。いつから英語教育を始めるにしても、母国語の力を育て、思考力を伸ばす基盤を作っておくのは念頭におきたいですね。
※ただ、早期教育に懐疑的な学者であっても、早期の英語教育すべてが、子どもの脳に悪い影響を及ぼすわけではないとしている点もお伝えしておきます。
アイデンティティが失われるかも
幼児期に外国語の文化に触れるのは「多面的かつ多様な見方や考え方を知る良い機会」とする人もいれば「日本人としてのアイデンティティが失われる心配がある」とする人もいます。
親の考えで子どもが英語オンリーの生活を”させられた”場合、「私は日本人なのに、日本語や日本文化、おもてなしの精神など身についていない」と感じてしまう可能性がゼロとは言い切れません。
やはり「私は〇〇である」といった感情は人間が生きるうえで大切なものだと考えます。英語を学びながらも日本語や日本文化を学ぶ環境は整えたいものですね。
また、”日本”を知り日本の良さを知ることは、海外の人と話をした際に役に立ちます。海外の人との触れ合いのなかで日本文化をもっと勉強したくなるかもしれません。
英語教育をいつから始めるにしても、英語だけを学ぶ姿勢ではなく、日本語や日本文化について学んだり両者を比較させたりしながら育てていきたいですね。
子ども英語教育スタート!ベストな時期は?
子どもの早期英語教育のメリットとデメリットについて確認できたでしょうか。デメリットを知れば「そうならないようにどうしたらいいか」考えることが可能になります。
メリットとデメリットを理解できたところで、実際に子どもの英語教育をいつから始めたらよいか考えてみましょう。
最初に結論を挙げれば次のようになります。
英語教育をスタートする時期は0歳から6歳ごろがベターな時期。
ただし英語教育のベストタイミングは子どもによる。
ただ、神経系が急速に発達する乳幼児期に英語教育を始めるのはメリットがあると考えられます。
たとえば赤ちゃんのころから英語教育を始めるとすれば、次のようなプロセスで学ばせましょう。
- 赤ちゃんのころから親子のふれ合いタイムとして英語の子守唄を活用する
- 1歳を過ぎたころから歌や動画、遊びなど親子一緒に英語を親しむ
- 幼稚園に入ったころから英語の絵本や会話などを適宜入れる
このように、子どもの英語力を育てるには、「いつから」といった始める時期を問わず、リス二ングからスタートして徐々に視覚情報を活用するとよいでしょう。その際「遊び」を取り入れるのをおすすめします。
常に「子どもが喜んでいるか、楽しめているか」が基準です。
また、絵本の読み聞かせや人とのふれ合いの場を設けることで、コミュニケーションの取り方を工夫します。生活に溶け込むようなやり取りが理想ですね。
「いつから英語を始める?」と聞かれたときの”ベストタイミング”は、親が「学ばせたいなあ」と思った時期ともいえます。ただ、親が学ばせたいと思っても子どもが「イヤだ」といった素振りを見せる場合は無理をしなくて大丈夫。
親は3歳から英語学習を始めたいのに、子どもがなかなかその気になってくれないときでも急かさない方がいいでしょう。親子で英語を聞く時間を共有できればOKと考えます。
聞くだけであれば、子どもはそこまで抵抗感を抱かないでしょうから。
このように、「いざ、英語学習!」といった感じで子どもがスタートしたがったときが、本当のベストタイミング。
子どもの様子をみて小学校以降から始める場合でも、最初から難しい文法や書くことを強要しないように。いつから始めても最初はリスニングを基軸にしてくださいね。
大切なのは子どもの「やる気」を引き出すこと
いずれにしても、親の思いを前面に押し付けるのではなく、子どもがみずから「英語を学びたい」「英語で〇〇を話せるようになりたい」と思えるようにすることが大切です。
語学習得に欠かせない「継続」。「いつから英語教育を始めるか?」以上に「いかに英語学習にやる気をもたせるか?」が重要だといえます。
ここでは、英語をいつから始めるにせよ、子どものやる気を持続させるコツを紹介します。
子どもと一緒に英語学習の目的を考える
会話にあるように、あまりにも子どもが小さければ英語学習の目的を考えるのは難しいでしょう。会話ができるようになるのは3歳を過ぎてからで、相手を意識したり真意を理解したりするのは5歳ごろ…。
会話…といっても、難しい内容をやり取りするわけではありません。
たとえば次のような会話を想定してください。
このように、目的をしっかり確認できなくても、親子の会話を通して子ども自身が英語について”考える”時間をもてることが大切なのです。
つまり、親が目的は〇〇ですよ、と教えるのではなく、子どもが考えるきっかけや質問をするようにしましょう。これが「親子で一緒に考える」意味となります。
楽しい雰囲気で学べるようにする
いつから英語を始めるにしても、楽しい雰囲気で学べるように工夫しましょう。具体的には下記のように、さまざまな教材や活動を取り入れます。
- 子どもの好きな歌や動画
- 子どもと一緒に遊べるカードゲームやアプリなど
- 絵本の読み聞かせ
- 国際交流イベントに参加
乳幼児期の子どもに「学習」や「勉強」といった感覚を植えつけるより「遊び」をふんだんに取り入れた方が、子どもに楽しさを届けられるでしょう。
五感を通して遊ぶのは、ただの遊びではなくおのずと「学び」につながります。子どもが気に入った英語の”遊び方”があれば、気のすむまで何度もさせましょう。自然にインプット量を増やしていけますよ。
失敗を責めずにがんばりを認める
子どものやる気を継続させるためには、英語のミスを執拗に指摘し注意するのはよくありません。子どもの取り組みを否定し続ければ、子どもは英語嫌いになってしまいます。
発音や文法的なミスについても「〇〇は▢▢でしょ!」というより、さらっと正しい表現を教えて終わり!という感じの方が、子どものやる気につながるでしょう。
いつも大げさにほめる必要はありません。ただ、子どもの良さを聞き(見)のがさないよう、その都度気づいたことを認めてあげましょう。
子どもの興味や好きなこととつなげる
「子どもはいつから英語を学び始めたらよいか?」と考える場合、子どもが英語に興味をもち始めた時期を選ぶのも一つの方法です。
子どもの興味や関心、好きなコトとつなげるのは、子どものやる気や学習意欲にプラスの効果をもたらします。
やる気をもたらす神経伝達物質とされるドーパミンは、意欲や幸福感を向上させる働きをもちます。また、好きなことをしたりしているときや目標を達成したときに、大量のドーパミンが分泌されるそうです。
ドーパミンの分泌により、情報を記憶したりワーキングメモリを高めたりするといいますから、まさに”幸せホルモン”といえるでしょう。
つまり、英語教育においても「好きなコトをする⇒ドーパミンの分泌⇒ますますやる気になる」といったプラスのサイクルをイメージしながら進める必要があるのです。
英語学習が軌道に乗り始めれば、たとえば子どもが虫が好きであれば虫の名前を、車であれば車種を…のように、興味や好きなコトとつなげて英語を教えるのもいいですね。
子どもの英語教育で重要なポイント
モチベーションをアップすることを念頭に「では実際は、どのように英語教育をおこなっていけばよい」に対する答えについて」、本章で解説します。
ポイントをお伝えする前に、親の考え方として大事にしたい内容を次のように紹介します。
- 「英語を覚える」△⇒「英語で何を伝えるのか」〇
- 「英語で何を伝えるか」の”何”を育てることが大切
いつから英語教育を始めるにしても、上記は重要な見方・考え方として忘れずにおきましょう。
英語で伝えるもの(何)を見つけるには、やはり子どもの好きや興味を尊重する姿勢が大切です。また子ども自身が考え行動する力を重視しましょう。
英語を覚えて話すだけであればAIで充分となり「残された私は何をすればいい?」と途方に暮れてしまうでしょう。
前置きが長くなりましたが、「英語で何を伝えるか」についてはしっかり覚えておいてください。そのうえで、英語教育のポイントを紹介しますね。
- リスニングを中心に楽しみながら
- 遊びを入れて英語に親しみを感じるように
- 子どもの成長に合わせて思考力を
それぞれについて詳しく解説します。
リスニングを中心に楽しみながら
0歳から6歳までの神経系の発達を支えるためにも、英語学習を活用するのは意義があるといえるでしょう。
お伝えしたように、乳幼児は視覚情報より聴覚情報の方によく反応するといわれます。聴覚、つまりリスニング力が高い乳幼児の特性を生かすとは、つまり子どもの脳機能を高めることを指します。
子どもの好きな歌や音遊び、読み聞かせなどのリスニングを上手に取り入れるのがおすすめで!この際、親子で一緒に見たり聞いたりしながら、英語でやり取りしたり感想を交換したりすると、より一層心と脳の成長を促すでしょう。
遊びを入れて英語に親しみを感じるように
前述のように、歌や音楽、読み聞かせなどで英語に親しむ際、「遊び感覚」を取り入れるのは、子どもの英語学習にプラスの効果をもたらします。
遊びは基本、楽しいもの。やりなさい!といわれてやるのは「遊び」ではありませんよね。親子で一緒にカードゲームをしたり、英語のクイズを出し合ったりして遊びを取り入れましょう。
子どもの成長に合わせて思考力を
遊びながら子どもは英語を学んでいきます。遊びを通しての学びは(子どもが学習だと認識していないとしても)右脳から左脳への情報伝達をスムーズにするといわれます。
「右脳から左脳への情報伝達」とは、イメージや直感的に得られた視聴覚情報を言語や論理を扱うとされる左脳で認識させることを指します。
この時期は小学校の低学年といわれ、幼児期で育てられた「右脳的英語力」を定着させるうえで重要な時期です。
小さい子どもは好奇心が旺盛です。大人にたくさんの質問を浴びせるときがあるでしょう。この際「そんな質問しないで、これはこうなっているの」と返しては、子どもはがっかりして二度と質問しないかもしれません。
子どもの質問には真摯に対応し、質問に答えられない場合は親子で一緒に調べてみましょう。また、子どもとの会話では、大人が先走って答えることなく、子ども自身がどう考えるのか尋ねる姿勢も大切です。
まとめ
今回は「いつから英語教育を始めたらいいのか?」の質問に答える形で話を進めました。まとめると次のようになります。
- 英語教育スタートでベターな時期は0歳~6歳ごろ
- ベストなタイミングは子どもによって異なる
- 早めの英語教育はリスニング力を向上させる
- やり方次第では英語嫌いになる可能性も
- 楽しさを重視しやる気をアップさせるのが大切!
- 子どもの興味と英語学習をつなげる視点で
- 子ども自身が考える場をつくる
子どもに「学習」をさせるといった感覚より、英語の音やリズムを一緒に楽しむ方が、子どもは英語に対して好感をもつでしょう。実際に「楽しさ」を味わえると子どもの幸福感も増し、意欲へとつながっていきます。
ただ、子どもの脳機能の発達上、リスニング力にベストな時期は存在しています。0歳から6歳ごろまでに英語の音に親しんだ方が、その後の英語学習にプラスに働くのはたしかです。
今回の記事をお読みいただいたうえで、わが子にいつから、どのように始めるのか、じっくり考えつつも、親子で楽しく歌を聞いたり歌ったりできれば…♪。それはそれで、楽しい英語タイムのスタート!
親子のふれ合いタイムが、いつのまにか英語タイムに…。といった流れがもしかしたら理想的かもしれませんね。