はじめに┃バイリンガル子育てとは?
一言で、バイリンガル子育て=2か国語で子育てをすることです。
- バイリンガル教育
- 英語育児
同じ意味で、上記のように呼ばれている事もあります。
近年、社会の英語需要が高まり英語学習者は増える一方。自然な流れで子供の英語教育を検討する保護者さんも増加しており『バイリンガル子育て』にも注目が集まっています。しかし、
- 本当にできる?
- どうやってするの?
と、その詳細や、実際は広く知られていないようです。
この記事では…
- 長期スパンで考える『バイリンガル子育てロードマップ』
- 『バイリンガル子育て』について知りたい保護者さんが今すぐ始められるような実践例
について考えてみたよ!
『バイリンガル子育て』は日本在住でも可能?
うちのような日本の普通の家庭でも『バイリンガル子育て』ができますか?
結論から言えば、できます!!
『海外に住んで二か国語に触れる環境じゃない』『親の英語が流暢じゃない』…
人口のほとんどが日本人であるこの国だからこそ、不利といわれる点はあるでしょう。
しかし、バイリンガル子育ては可能です。
難しそうに見えるかもしれないけれど、いくつかの頑張りどころやポイントを押さえることでグッと効率が良くなるよ!
大切なのは正しい『バイリンガル子育てを知る』こと
現状『バイリンガル子育て』という考え方が広く日本の家庭に浸透しているとは言えず、ノウハウを熟知している人が少ないため『難しいもの』と考えられがちですが、見通しを持ち、有効な教育方法を知っていれば、難しいことではありません。
バイリンガル子育てを知ることで、お子さんにあった教育方法がわかり、成功までのロードマップが明らかになるでしょう。
そのために、まずは『バイリンガルってどんな状態なのか?』を解説します。
バイリンガルの定義・分類
まず『バイリンガル』というと、日本語と英語を流暢に話す人をイメージすると思います。
実際に、バイリンガルの定義は”二か国語を自由に使いこなす人”とされています。しかしひとことに『バイリンガル』と言っても、その言語レベルや習得度もさまざま。
ここでは、教育学・心理学研究によく使用されるバイリンガルの分類を紹介します。
これからバイリンガル育児を検討する方にとっては、『目指す言語レベル』を考える指標になるかもしれません。
バイリンガルの分類
まず、以下にはバイリンガルを言語の習得レベルに応じた分類を紹介します。
バイリンガルの基本的な分類
※↓文字をタップで解説を開きます。↓※
均衡バイリンガル(Balanced Bilinguals):
このタイプのバイリンガルは、二つの言語をほぼ同等のレベルで理解し使用できます。両言語を自在に操ることができ、それぞれの言語で高度な表現も可能です。ただし、完全に均等な能力を持つ人は少なく、多くの場合、どちらかの言語にわずかな優位性が存在します。
支配バイリンガル(Dominant Bilinguals):
一方の言語が明らかに優位なバイリンガルです。優位な言語は通常、その人の母語であり、もう一つの言語は学校や職場など特定の環境で後から学んだ第二言語となることが多いです。優位な言語は流暢で自然に話すことができ、第二言語はそれに比べると能力が劣る場合があります。
補完的バイリンガル(Complementary Bilinguals):
補完的バイリンガルは、特定の文脈や場面でのみ一方の言語を使います。家庭では母語を、職場では第二言語を主に使用するといった具体的な使用パターンが見られることが特徴です。彼らはそれぞれの言語を使い分けることで、異なる文化圏または社会圏に適応しています。
バイリンガルの習得パターンに応じた分類
次に、”その人がいつから、どうやってバイリンガルになったのか”習得方法に沿った分類を解説します。
※↓文字をタップで解説を開きます。↓※
1.同時習得(Simultaneous Acquisition):
生後すぐから、通常は3歳ごろまでに二つの言語を同時に習得します。この習得方法は、両親が異なる言語を話すバイリンガル家庭でよく見られます。同時習得をした人々は、両言語を自然に混在させて使用する能力(コードスイッチング)を発達させることがあります。
また、このようなプロセスを経たバイリンガルは初期バイリンガル (Early Bilingual)とも呼ばれます。
2.逐次習得(Sequential Acquisition):
最初に母語を習得した後、異なる時期に第二言語を学び始めます。逐次習得のバイリンガルは、第二言語の習得年齢によって言語能力に差が出ることが特徴です。成人してから第二言語を学ぶ場合、母語と同等の流暢さを達成することは難しい場合が多いです。
このようなプロセスを経たバイリンガルは遅発バイリンガル (Late Bilingual)とも呼ばれます。
『バイリンガル子育て』をしたい私にとっては、①同時習得(Simultaneous Acquisition)パターンが理想だなぁ。
バイリンガルの分類を頭に入れておくことで、お子さんに英語教育をする場合どれに当てはまるか?どんなイメージを目指せばよいのか?という目標を考えたり、お子さんの個性や発達を踏まえたバイリンガル子育ての手段をイメージするヒントになりますね。
赤ちゃんや幼児さんを持つ保護者さんがイメージする『バイリンガル子育て』は、上記の1.同時習得(Simultaneous Acquisition)に当たる方が多いのではと思います。
ここでは、日本語と英語の『同時習得』をめざすバイリンガル子育てについて解説します。
バイリンガル子育て=『英語・日本語の同時習得』?
子供の言語習得は、『コップに水を注ぐ』ようなもの
赤ちゃんや幼児の脳発達や言語発達のプロセスを表現する際、『コップ+水』の例えがよく使われています。
赤ちゃん・子供の脳は『コップ』新しい言語は『水』です。子供たちはコップに注がれる水のように、日々言語を吸収し、やがて自然にコップから水があふれます。これが『アウトプットの開始』そして、コップの大きさ(容量)は成長が続く限り広がります。コップが大きくなるほどに、抱えられる水の量も増えますね。子供の言語習得において、まさにこのような事が日々脳の中で起こっているのです。
バイリンガル子育てでは『2つのコップに同時に水を注ぐ』
同時習得でバイリンガルとなった人は、頭の中に『2つのコップ』が存在し、それぞれのコップがそれぞれの言語で満たされ、あふれた状態とも言えます。
さらに、水の量も大切。もちろん注ぐ水(=インプット)の量が多いほど、たくさんのアウトプットとしてあらわれるでしょう。
とにかくたくさん聴かせたり、たくさん話しかけてあげたらいいのかな?
大まかには、そうとも言えるね。バイリンガル子育てのポイントは、
- バイリンガル子育ては『2つのコップ』があるのを意識すること!
- 日本語のコップも英語のコップもたくさんのインプットで満たしてあげること!
それだけなら、私にも簡単にできるかな・・・?
ただ、やみくもにインプットを与えるだけじゃダメなの。
注意点もあわせて覚えてね!
英語・日本語『同時習得』の注意点
両方の言語のインプットをたくさん。これだけなら今からでも始められそうですが、気を付けたいのは以下のポイントです。これらを意識することによって効果を最大限に引き出したり、子どもが混乱するのを防ぐことにつながります。
- 『日本語』と『英語』は分けて考える
- 『日本語』と『英語』のバランスをとる
以下に、順に解説していきます。
①『日本語』と『英語』は分けて考える
日本語と英語の同時習得(Simultaneous Acquisition)を解説した際にコードスイッチングという言葉を紹介しました。
両言語を自然に混在させて使用する能力(=コードスイッチング)が、幼児期に両言語を習得した人に身につきやすいのは、この頭の中で自然にスイッチを切り替える能力自体がどんな子供にも備わった能力だからです。
バイリンガル育児では、こんな『子供の脳の仕組みに沿って行う』ことがとっても大事!!
例えば、子どもは関わる人ごとに自然と『頭の中のスイッチ』が切り替わり、コードスイッチングを行っています。
単純な例を挙げると、『パパが英語で会話し、ママが日本語で話す。』これによって子供はどの言語をどの人と話せば良いかを理解し、自然な流れで英語が身に付きます。
『これは、ドッグ!→いぬだよ。』などと、同じ人による両言語のインプットは、子どもにとって身に付きにくいものなんです。
き…急にハードル上がってない!?
確かに…それができれば悩んだりしないよね。
このように、日本には流暢な英語を使える人のいる家庭は多くありません。
ただ、その分赤ちゃん・幼児に重要な沢山のインプットを補える教材は日々開発されています。子どもの『二つめのコップを満たす』ことは通常難しいですが、オールイングリッシュの教材を選べば、近い状況を作ることも可能です。
弊社ミライコイングリッシュも、子どもの言語習得期に良質なインプットがたっぷりと得られることを目的に製作されたオールイングリッシュのDVD教材です。20分の無料映像は以下のフォームにご入力頂いた方全員に配布中!ぜひお試しください。
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インプットに関してはオールイングリッシュのコンテンツを応用して、正しくて良質なものを積み重ねていくことがおすすめです。
『日本語』と『英語』のバランスをとる
英語のインプットと同じか、それ以上に母語(日本語)のシャワーもたっぷりと。
バイリンガル子育てでは、両言語でのコミュニケーション能力を均等に伸ばすことが重要です。しかし、母語である日本語の存在=ママやパパの話すことばが土台にあることもそれ以上に大事なこと。生まれる前から耳にしているご両親の声は、子どもの安心感そのもの。自信をもって日本語でたっぷり語り掛けてあげてくださいね。
さて、バイリンガル育児についての基礎知識はここまで。次の章では具体的な方法を解説していきます。
バイリンガル子育て実践編:具体的な方法を解説
まず第一に、目標設定
何よりも大事なのは、バイリンガル子育ての目標を決めること。
目標設定の際に参考にできるのが、前章までの『バイリンガル』の知識でもあります。
ここでは、例えば
子供が英語と日本語を流暢に話し、書けるようになること
これを目標だとして、達成するために日常的なバイリンガル子育ての計画を立て、それに沿って行動します。
設定した目標から、課題が見えてくる
目標地点までたどり着く道のりを考えるときに、課題が見えてきます。ここでは、前項の目標を達成するときに多くの家庭がぶつかりやすい課題の例をあげていきます。
- 時間の制約:フルタイムで働いているため、子供と過ごす時間が限られる。子育ても大変。
- 日本語に囲まれた環境:周囲が日本語を話す環境では、英語のアウトプットが自然と限られてしまいます。
- 教育資源:英語に特化した保育所や学校ではなく、公立の保育所や学校に通っています。
このような課題が見えた時に出てくる対策や手段が、お子さんのバイリンガル子育てを成功させるカギとなるでしょう。
課題を解決する手段を考える
ここでは、前項で見えた問題を解決できる例をあげていきます。
- 時間の制約:家族でゆったりとすごす大切な時間に、英語の音声や歌を聴いて良質なインプットを。
- 日本語に囲まれた環境:英語圏の家族や友人がいたら、交流の機会を作ってみる。海外の文化が学べるイベントや、アクティビティなどの利用もアリ。
- 教育資源:英語が学べるスクールへ通ったり、家庭でできる幼児向けの英語教材、Youtube動画も手軽で良い!正しい発音や文法を身につけるために、良質なモデルが必要だから、英語のネイティブスピーカーから学べる機会を作ったり、質の高い教材を選びたい。テレビ番組やYouTubeのキッズチャンネルも役立つけれど、見させすぎには注意。
目標への進捗を振り返る
ある程度具体的な手段が決まって、行動をはじめたら、時には振り返りフィードバックを行うことも大切です。
『子どもは楽しんでいるかな?』『こんな成長があったね』いろいろな視点から振り返り、バイリンガル子育てを見直し、これを継続していきましょう。
このような日々の小さな努力の積み重ねが、バイリンガル子育てへの成功に繋がります。
努力と継続…とっても大変そうだけど、目標をしっかり設定したら見通しがもてそう!
まとめ
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
バイリンガル子育ては、計画的に取り組むことで成功が見込める教育方法です。具体例からも分かるように、具体的な目標を設定し、課題をみつけ、その解決方法を考えること。
そして日々の努力と継続が成功への鍵です。何よりも子どもにとって、保護者さんが自分と真剣に向き合ってくれ、一生懸命教えてくれたことは『宝物。』バイリンガルとしての能力だけでなく、他の多くのスキルを伸ばす基盤となるでしょう。