はじめに
昨今のグローバル化やIT化、2020年から小学校の高学年でも英語が必修となり、英語教育の必要性はますます高まっています。
このなか、親御さんのなかには子どもを英会話スクールに通わせたりオンライン授業を受けさせたりする人もいるでしょう。また、赤ちゃんがママのおなかにいるときから英語の歌を聞かせて、バイリンガル教育を進めている人もいると思います。
ただ、次のような悩みや疑問をもつ人がいるかもしれませんね。
「おうち英語はいつから始めるのがいいのかしら」
「何をポイントにおこなっていけばいいのかわからない」
「おうち英語で実際に力がつくの?失敗はないの?」
そこで今回は、自宅で英語学習に関心をもつ親御さんに向けて「おうち英語」に関する情報をお伝えします。「おうち英語」で失敗しないためのコツがわかりますので、ぜひ通してお読みください。
おうち英語の始め方
おうち英語に関心のある人は「実際にいつから始めたらいいの?」と思うでしょう。また、何から始めるのが効果的なのか関心があると思います。
ここでは、うち英語を始めるタイミングやスタート時の方法について解説します。
いつから始めたらいい?
「おうち英語をいつうから始めるか?」を考える際、親として子どもに何を望むのか、子どものめざす姿をクリアにしましょう。
たとえばママさん、パパさんは次のように「おうち英語でめざす子どもの姿」を問い直してみます。
- 英語を話せる子ども
- 英語で自分の思いや考えを話せる子ども
前者は、ネイティブ並みの発音で流ちょうに英語を話す子どもの姿です。後者は、英語”で”何を話すのか、その点も重視しています。
さて、本題に戻りましょう。見出しにある「いつから始めたらいい?」ですが、結論を先にお伝えすれば次のようになります。
- 赤ちゃんから幼児期にかけて始める
- いつから始めるにせよ継続が大切
- 子どもが自分の力で学ぶ力を伸ばす
赤ちゃんから幼児期にかけて、おうち英語を始めたほうが良い理由は、子どものリスニング力が優れているためです。とくに生後1年未満の赤ちゃんは、英語と日本語の音の違いを聞き分けるといわれます。
英語の音に特有の、rとlの 区別に関しては、生後6ヶ月から8ヶ月の赤ちゃんに差はあまりありませんが、生後10ヶ月になるとだんだん難しくなるそうです。
つまり、この時期に日本語とは異なる英語の音に触れた赤ちゃんは、言語の統計処理を見事にやり遂げ、日本語と英語の音の区別できるといえるでしょう。
ただ小学校入学前後までに「おうち英語」をスタートすれば、日本語以外の言語でもスムーズに習得できるとされており(第2臨界期)、乳幼児期に英語学習をスタートするのは理にかなっているといえます。
学者によっては、思春期くらいまで臨界期は伸ばせるといった意見もあります。
いずれにしても「いつ始めるか」は、赤ちゃんや子どもの能力を最大限に生かしうる乳幼児期が適していますが、親が始めよう!と思う時期、そして子どもの反応を見ながら始めるのが良いでしょう。
また結論でお伝えしたように、いつから始めるにせよ「継続させること」「子どもの自学力をつけること」については常時、意識していきましょう。
何から始めたらいい?
赤ちゃんから英語に親しませたい場合「何から始めればいいのかな?」と思うママさん、パパさんは多いでしょう。
おうち英語でやりやすいのが、英語の歌を聞き流すことです。子守唄やディズニーの歌など、赤ちゃんが心地よく聞ける音楽を選択しましょう。
またなかには、Youtube動画などを使って無料で簡単に、さまざまな英語のレッスン動画を見せる場合もあるでしょう。親子で一緒に楽しいアニメを見るのもいいですね。
実際におうち英語として、スマホやタブレット、テレビなどで英語の学習動画を見せる場合は、次の3点に気をつけましょう。
- 子ども一人だけで視聴し続けることがないように。
- 子どもの視力を悪くするような見せ方はしない。
- 就寝前に動画を見せるのは好ましくない。
最初にお伝えしたように、何を目的として「おうち英語」を始めるのか忘れないようにします。英語で何を話せるようになるのか、その点を念頭にいれるとすれば、子どもの心身共にすこやかな成長を念頭にいれるべきでしょう。
子どもは、心身の健康が約束されて親子のふれ合いを大切にしたなかで成長します。子どもに音楽や動画で英語のリスニング力を育てようにも、その過程のすべてを子どもに「させっぱなし」にしては、子どものコミュニケーション力は育ちません。
言語が人と楽しく豊かにコミュニケーションをとるためにあるとすれば、学習環境や方法を考える必要があります。
絵本の読み聞かせを通して、英語特有の音やリズム感、フレーズに親しめるだけでなく、日本語の絵本を読み聞かせるのと同様に、想像力や思考力、表現力などを伸ばせるでしょう。
記事の後半で、おすすめのおうち英語として、英語による絵本の読み聞かせについて解説しますので、ぜひお読みください。
『おうち英語』の鉄板、ミライコイングリッシュ
ミライコイングリッシュは0〜8歳が対象年齢のDVD-BOXです。5年間の開発期間を経て開発され、250本以上の楽しい教育シナリオがDVDに収録されています。
NHKラジオで「基礎英語」の講師を担当していた田中敦英先生監修。子どもに英語が身につくエッセンスがふんだんに取り入れられています。
「毎日30分間子供に見せるだけ」で、子供の英語に対する興味関心を高めつつ、英語に触れる習慣を作ります。
例えばミライコイングリッシュには、教材を見終わったら貼ることができるシールがついています。こういったちょっとした仕掛けによって、『おうち英語』でも子供の興味関心が自然と英語に向くようになります。
また、フォニックスについてもミライコイングリッシュを通じて学ぶことができます。
フォニックスを子供に学ばせようとすると、スクールに通わせる必要があり、スクールの受講料は月に8,000円程度かかります。しかしミライコイングリッシュであれば月額換算2,400円程度で英語を学ぶことが可能です。
ミライコイングリッシュでは無料サンプル映像を公開しています。申し込みは公式サイトから行えるので「どんな教材なのかな?」と気になる方はぜひチェックしてみてください。30秒程度で完了するフォーム入力が終わるとすぐに、約8分間のサンプル映像を確認できますよ。
おうち英語を始める前に知っておきたいポイント
読者の皆さんのなかには、赤ちゃんのころから始めたいと思っている人もいるでしょう。ただ、「おうち英語」を始める前に、知っておきたい注意点があります。
おうち英語を失敗させないための大切な視点です。ぜひご確認ください。
日本語の学習をおろそかにしない
おうち英語を始める際の懸案事項として「日本語の習得がおろそかにならないか」といった声が挙げられます。
実際におうち英語の失敗例として「日本語力を伸ばせない」ケースがあるのです。たとえば早期の英語教育をスタートして親が熱心に教えた結果、英語を話せる子どもに育ち、日本語ももちろんペラペラに話せるようになった…
そうであっても、あるときふと「失敗したかも」と思ってしまう場合があります。
「おうち英語が失敗だったかも」と気づくタイミングは、赤ちゃんの時代、幼稚園や保育園に通っている時期ではありません。実は国語や算数などの教科学習が難しくなり、抽象的な概念が必要とされる小学校中学年以降に感じる可能性があるのです。
つまり、日本語を基軸とした読解力や思考力、表現力などが充分に身についていない点に気づき、「おうち英語の弊害では?」と反省するケースも考えられるのです。
読者の皆さんのなかには「日本にいて日本人だけの環境で育っていれば日本語力は育つのでは?」と考える人もいるでしょう。
たしかにいくら英語漬けになったからといって、日本語が話せなくなることはありません。ただ、おうち英語で日本語と英語もペラペラという子どもを育てるには、日本語と英語の両方を100%にする必要があり、英語だけをやっていれば日本語の力が弱くなってしまうでしょう。
日本語は母語。母語が基軸となって思考力や表現力が育ちます。このため、おうち英語を始める場合は、たとえば就寝前の読み聞かせで英語にひたれる時間を設けつつも、日常生活では日本語をしっかり教える点を忘れずにおきましょう。
英語以外にも目を向ける
前述のように日本語の力をつけさせるのは、子どもの学力を底上げするために大切です。つまり、おうち英語をスタートする際も「英語だけやればいい」といった考えをもたず、子どもの育ちを総合的に見て教えなければなりません。
母語である日本語教育のほかに「英語以外にも目を向ける」とは、次のような学びや体験をさせることを指します。
- さまざまなものの見方や考え方に触れさせる
- 自分の好きなことや興味のあることに没頭できる時間をつくる
- 自然や動植物に親しませたり社会的な体験をさせたりする
- 音楽や芸術、料理、スポーツなど五感を使う学びの機会をつくる
- ブロックや積み木、カードゲームなどで遊ばせる
これらを推奨するのは、幼児期に右脳の発達を促すためでもあります。右脳はとくに幼児期に発達するとされ、直観的に物事を理解するスピードが速いのが特徴です。
逆に、言葉で物事をより深く理解する左脳の発達がなければ、イメージしたものをいかに形作るか考えたり順序立てて創造物を組み立てたりするのが難しくなるでしょう。
このように、右脳、左脳の育て方においてもバランスが大切なのです。
おうち英語”だけ”、英語の歌を聞かせてリズムにのって躍らせる”だけ”、文字指導”だけ”といった「〇〇だけ」よりも、子どもが生来もつ能力を自由に拓くような取り組みが大切です。
インプットを重視しつつ親子でやり取りを
インプットが英語の習得に大切であるのは事実です。ただ、アウトプット(ここでは親子間でのやり取り)を大切にしましょう。
言語の習得にはインプット量が必要であることから、おうち英語でもひたすら英語の歌を聞かせたり動画を見せたりするケースもあります。
たしかに研究では2,000時間以上のインプット量がなければ英語の習得はしにくいといった話もあります。英語の達人といわれる人々も5,000時間から10,000時間もの英語の接触量があるとする研究もあるほど…。
その数字を確保するために、おうち英語としてひたすら英語の音やリズムを視聴させる親御さんも多いでしょう。
ただ、ほかの記事でもお伝えしたように、インプットの時間であっても「親子で楽しく、ふれ合いながら」の姿勢は大切です。子どもはさりげない親子のやり取りを通して、言葉を使ってコミュニケ―ションをする大切さを学んでいきます。
日本語であれ、人と言葉を介してコミュニケーションするのは、言葉の力を養い左脳の育成につながります。子どもの脳をバランスよく育てたり、思考力や表現力を高めたりするために、たとえ「おうち英語」であっても、言葉を介したやり取りは忘れずにおきましょう。
おうち英語が進めているときに意識したいポイント
さて、ここでは「おうち英語」を実際に始めて、うまくいっている際に意識したいポイントを2つお伝えします。
楽しいだけでいいのかな?と立ち止まる
おうち英語だけでなく、英語学習を始める場合、多くは「英語を楽しく学べるように」と意識すると思います。
ただ、なかには「英語学習は楽しいほうがいいとはいえ、歌を聞いたりゲームをしたりするだけでいいのかしら」と思う人もいるでしょう。
楽しく学べていたとしても最終的な目的地にたどりつかなければ、やっていたことが無駄になってしまいます。遠回りをしたとしても、「英語で話せるようになる」といった目的を達成できるよう、そのための策は講じなければなりません。
もしも「楽しいだけでいいのかな」と疑問が生まれた場合は、楽しさをキープしながらも、絵本のレベルをワンステップ上げたり、単語やフレーズを少し増やしたりして工夫しましょう。
絵本が読めるようにする
おうち英語を楽しく進める過程で意識したいのは「絵本を自分で読めるようにする」こと。絵本の読み聞かせで使う本の種類を変えたり、徐々に本を子どもに読ませたりする時間を組み入れましょう。
右脳の発達が著しい幼児期で、歌や絵本の読み聞かせなどを通して直観力や想像力を磨くのは大切です。楽しみながら学ぶのは、脳の発達にも有効でしょう。
ただ、おうち英語で学んだ「内容」をしっかり定着させるには、左脳的な要素を取り入れる必要があります。言葉の音やイメージをとらえながら、言葉の意味理解に移行させるのです。
その際、絵本を読み聞かせる習慣を保ちつつ、おうち英語でもごく簡単な絵本を一緒に「読む」機会を取り入れましょう。つまり読書のできる子どもへと一歩進めるのです。
つまり、聞く力に続いて読む力をつけることが、英語力を長期的に向上させるために欠かせません。
みずから学ぶ力は、読書ができるかどうかで決まるといっても過言ではないでしょう。
聞くだけ、話すだけの「だけ英語」は忘れていきやすいととらえ、習得したリスニング(スピーキング)力や思考力などを総合的に養うためにも「英語で〇〇を読む」取り組みをしてみてください。
おうち英語の成功の鍵は「英語の本を自分ひとりで読めるかにある」ともいえるでしょう!
とはいえ、いきなり読みなさいといって読めるわけではありません。リスニングといったインプットだけでなく、リーディングによるインプット量を確保することで、子どもの英語力を向上させられるのです。
次章では、おうち英語で子どもが一人で読めるようにするための、重要な段階「英語で絵本の読み聞かせ」に関する質問と回答をお伝えします。
絵本の読み聞かせをする際のQ&A
ここでは、絵本の読み聞かせをする際に「親が困ったわ~」となりそうな場面を想定して、その解決法を交えながらお伝えします。
「日本語で読んで」と言われる
子どもは成長するにつれて「日本語で読んで」といわれる場合があるかもしれません。およそ会話ができるようになる時期、3歳ごろの子どもが親に「日本語で読んで」と伝える傾向にあります。
会話にあるように、日本語を母語とする子どもにとっては、日本語のほうが理解しやすいし「もっと理解したい」といった気持ちの表れと考えられるでしょう。
まずは、成長の表れとしてポジティブに受け止めてくださいね。ただ、子どものすべての要求にしたがう必要はなく、いつものように英語での読み聞かせを続けてみましょう。
ただ、ここで重要なのは「英語で読んでもらうのが楽しいと思える状況」をつくる親の姿勢です。子どもにいわれるがまま、日本語訳を教える必要もありません。
実は、絵本の選び方や読み聞かせ方、環境、声かけ次第で変わります。子どもが理解しやすいように楽しいイラストの絵本を選んだり、声質を変えたり、ときには場所を変えて読んだりします。
また、あまりにも「日本語で読んで」といわれる場合は、日本語訳の本を読み聞かせてから「英語になるとどうなるのかねえ」と声かけをして、英語の原書を読み聞かせてみましょう。
子どもの質問に答えられないときはどうしたらいい?
これもよく聞かれる質問です。実はおうち英語がうまくいっている場合、子どもが親に質問するケースが見られます。
こんな感じで、子どもはどんどん質問してくるかもしれません。ママさんによってはインターネットや電子辞書で調べるでしょう。
実は、こうしてママが「ちょっと待って」といって調べる姿勢を見せることが大切なのです。
おうち英語を始める場合、立場的に親御さんは「教える人」としてとらえます。ただ、子どもが英語を学ぶにつれて、立場が逆転する可能性もあるでしょう。この際、教える人を放棄して「一緒に学ぶ人」に変わってもいいのです。
また、親が調べるのではなく、子どもの成長段階に合わせて子どもに調べさせるのも良いでしょう。子どもが不安がれば一緒に調べて、調べ方を教えてみます。
このようにおうち英語で「親が教えるべき」といった呪縛から解かれて、子どもと一緒に学ぶ姿勢でいたほうが、実は子どもにとってプラスになります。きっと子どもは、学びそのものを楽しめるようになるでしょう。
英単語には意味やつづり方、言葉の由来などさまざまな要素が含まれています。言葉に興味をもつのは、とても大切なこと。決して「その意味もつづり方も決まっているの!」といった返し方はしないようにしましょう。
親の発音が上手でない場合は…?
おうち英語として英語の絵本を読み聞かせるときに、親御さんが一番といっていいほど心配される内容かと思います。
ただ、英語の読み聞かせに完璧を求める必要はないというのが、ここでの結論です。どうしても「発音に自信がないし、間違った発音を教えたくない」と思う場合、音声付の絵本もあるため、上手に活用しましょう。
ただ、音声付の絵本で読み聞かせる場合も、子どもにぴたりと寄り添って雰囲気づくりをするようにします。また、子どもがイラストを指さしたり反応したりした場合は、Yes,butterfly! Its beautiful,isn’t it?のように返してあげましょう。
英語の発音が上手であるに越したことはありませんが、それがすべてではありません。話を「聞く」「感じる」「共感する」といった親子のやり取りは、子どもの聞く力やコミュニケーション力を伸ばします。
また会話ができるようになって、ストーリーについて思ったことを交換し合えば表現力をやしなったり、違う見方を知ることでさらに想像力を膨ませたりできるでしょう。
おうち英語で使える絵本については、別の記事「英語絵本の効果とは?赤ちゃん幼児の読み聞かせ&音読におすすめの絵本を紹介」でも紹介しています。ぜひそちらも参考にしてみてください。
まとめ
- 英語で自分の思いや考えを話せる子どもをめざそう
- 赤ちゃんから幼児期にかけて始めよう
- いつから始めるにしても継続は大切
- 子どもが自分の力で学ぶ力を伸ばせるように
- 英語だけにならないよう日本語教育はしっかりと
- 親子で絵本を!やり取り&楽しむ姿勢を大切に
今回は「おうち英語」について耳より情報をお伝えしました。おうち英語を始める前に不安な点、疑問点などをもつ人は多いと思います。
不安に思った場合は、上記にまとめた内容をときどき読み返しながら、おうち英語を進めていきましょう。
大切なのは「おうち英語をおこなう目的を忘れずに、かつ子どもの能力をバランスよく育成すること」です。親子でその過程を楽しみ、一緒にやり取りする時間を大切にしましょう。
今回の記事が、おうち英語を成功させるためのコツを得る機会になれたらうれしいです。