今回は、歌を活用した英語の「月の名前」の覚え方について紹介します。子どもの興味を引き付け、飽きずに練習できるYoutube動画や活用の仕方について詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
はじめに
お子さんに英語を教えているママさん、パパさんのなかには、英語の歌を上手に活用している方も多いでしょう。
子どもに覚えさせたい英単語の一つに「月の名前」があると思います。January、February…をDecemberまで順番に覚えることから始めて、たとえばママから「8月は?」と聞かれて子どもが「August!」と回答できるまでには、意外に時間がかかります。
そのため、英語の歌を活用して子どもに興味づけながら教える必要があるでしょう。
まずは、英語を習いたて、あるいは初めて「月の名前」を英語で覚える際に活用しやすい歌を紹介します。
習いたての子どもにおすすめの動画
ここでは、YouTubeで紹介されている簡単な英語の「月の名前」動画を紹介します。それぞれ、楽しい音楽やアニメーションが取り入れられた動画で、子どもによっては気に入って何度も歌って覚えることでしょう。
今回は5つの動画とその特徴について解説します。このほかにもYoutubeでは、さまざまな「月の名前」ソングが投稿されています。解説を参考に、お子さんと一緒に試聴してお気に入りソングを見つけてみましょう。
The Months Chant | Super Simple Songs
Super Simple Songsの「月の名前」ソングは、タイトルにあるようにチャンツ的に楽しめる動画です。
January・・January・・のように1人が月の名前を言って、もう一人がリピートする流れになっているため、先生から教わるように月の名前を復唱できます。
2巡目になるとJanuary ♪ ♪(子どもがリピート)♪ ♪のように、視聴する子どもが繰り返して単語を話すタイミングをとってもらえます。
画像は月をイメージしやすいイラストレーションで、どの子どもにも馴染みやすい動画といえるでしょう。
Twelve Month ( Calendar Song ) | Family Sing Along – Muffin Songs
Muffin Songsのこちらの歌は、ロンドン橋の歌に合わせた「月の名前」ソングです。JanuaryからDecemberまで流れがよく、簡単に口ずさむことができます。
会話にあるように、この曲を何回か聞いているうちに子どもは覚えてしまうでしょう。
簡単過ぎて飽きてしまった場合は、ママさんが「じゃ、7月と10月は言わないで、通して歌ってみよう」と少し負荷をかけてみましょう。子どもは新たな集中力で歌い、理解力の向上にもつながります。
思わずJulyと言ってしまった場合は、ミスであっても笑ったり慌てたりして、親子で楽しい雰囲気を味わえるでしょう。
Months Of The Year Song|Kids TV123
Kids TV123の月の名前ソングは、画面にアルファベットで書かれた「月」がジャジャ~ンと登場しながらも、スローペースで歌が進行します。
12月まで歌ったところでThese are the months of the year.(これらが一年の月です)といったフレーズが入ります。月の名前(つづり)だけが、画面上に現れます。
ただ、子どもは、January、 February、 March and April…のMarchと次のandの音のつながりが「まーちぇん」のように聞こえる場面があることに気づくかもしれません。あるいは、and Aprilの音のつながりとして「だ えいぽー」のようにandのdとAprilのAがつながって「だ」のように聞こえるケースです。
これは、英語の発音を学ぶ際に重要な「リンキング」といった現象です。子どもの発達段階や興味に応じて、その仕組みをさりげなく教えてあげると、子どもの知的好奇心を高めるでしょう。
ただ、ムリに覚えさせようとせず、歌を繰り返して聴くことで自然と理解を深められるようにしましょう。
また、この動画では、4回のリピート後に、JanuaryからDecemberまでを確認するために、無言で音楽のみ流れる箇所があり、子どもの理解度を確認する工夫がされています。
Months Of The Year Song Nursery Rhyme|Kids Tv – Preschool
こちらは「10人のインディアン」の曲をアレンジして作られた「月の名前」ソングです。普通のスピードで歌える歌で、月ごとに鮮やかなイラストが描かれており、日めくりのように移り変わります。
2回リピートしたのちに、ちょっとリズムや音楽を変化させて、月ごとに確認するタイミングを図っています。その後、再び2回リピートされ締めくくられます。
視覚的に月の名前の「つづりの長さ」を画面いっぱいに認識できる機会もあり、シンプルな動画ですが、細かな工夫が凝らされています。
つきのなまえのうた (英語)| ABCタウン
前述と同様に「10人のインディアン」の曲をアレンジした歌です。ウサギやカエルのパペットが登場し、画面には季節のさまざまなアイテムが登場する動画となっています。
繰り返して歌うのは他の動画と一緒です。歌の合間には、We’re half way there.2 more times.(半分まできたよ、あと2回)のようにパペットが促す場面もあります。
Good job!といった褒め言葉も散りばめられており、月の名前以外のフレーズをさりげなく覚えるのに役立つ動画です。
それでは次章では、習いたての時期を過ぎて、ある程度「月の名前」を覚えてきたお子さん向けの動画を紹介します。
リズムや変化を加えた動画
子どもは気に入った歌であれば、繰り返して歌って覚えてしまいます。ただ、アレンジされた「月の名前」の歌のなかには、微妙に単語のアクセントの位置が変化していたり、音のつながりが異なっていたりする場合があります。
このため、慣れてきたところで、多様な歌い方があることを認識させるのも有効です。その理由は、英語の発音の仕方には世界各国、地域によって異なるケースが多く、違いを認識させておいたほうが多様な英語の音に慣れるためです。
それでは早速、リズムや変化を加えた動画を3つ紹介します。
1月から12月の歌 / months of the year song|Sepa Channel
Sepa Channelの「月の名前」ソングは、キャラクターが道を進みながら、頭上に登場するブロックをゲットしていくアニメーションになっており、見た目にゲーム的な印象を与えます。
2番はメロディーがやや緩やかな感じになり、月がブロックから「雲」に変化します。音を伸ばす箇所のメロディーが心地よく、子どもは単語の発音をイメージ的につかめるでしょう。
1番と2番のバージョンを再度繰り返して終ります。耳に残るフレーズであり、子どもによっては動画を見なくても、普段の生活で口ずさんで覚えるかもしれません。
Learn the Months of the Year – The Months of the Year Song! Homeschool family.
カントリーミュージック調のメロディで、新鮮な印象を与えます。2回ほど同じメロディーで繰り返されたのちに、ちょっとバージョンを変えて、月の名前を確認する場面が3番として画面に登場します。
曲に合わせて月のグループがセットになったところで「コケコッコー」と合いの手が入るなど、子どもが喜ぶ要素が散りばめられています。
全体的にキュートなイラストアニメーションで、目にも優しい配色です。子どもは今までの動画よりも親近感をもち、お気に入り動画として何度も視聴するかもしれません。
Months of the Year Song | Song for Kids | The Singing Walrus
こちらの曲は歌う声の大きさや歌のスピードを変えて、楽しみながら覚えるバージョンです。
まずは、カニさんが、Hi!Kids !Do you know the months of the year?のように挨拶します。字幕に日本語がついており、何をいっているのか確認できるため、英語が苦手なママさんも少し安心できる動画です。
優しい歌声がスタートして、下から上に月の名前カードが登場する仕組みになっています。打楽器の音がさりげなく入っており、子どもは手拍子や足踏みをしながらリズムに乗って歌うことでしょう。
3番くらいから、バックコーラスのようにママさんやパパさんも一緒に歌に加わってみましょう。意外と盛り上がりますよ。これが2回続いたのちに、今度は、静かに歌うバージョンに入ります(2回繰り返し)。そして大きな声で歌うバージョンに(2回)。
ラストは、速く歌います。ここまでくるとかなり盛り上がりそうです。
また「月の名前」以外に、英語のフレーズが入っている動画もあります。子どもによっては、月の名前だけでなく、さりげなく登場する表現も含めて覚えてしまうことでしょう。次の章では、あと3点ほど、英語のフレーズが入っている動画を紹介します。
月の名前以外に英語フレーズが入っている動画
月の名前だけでなく、簡単な英語のフレーズや日常的に使われる表現が学べる動画を紹介します。シンプルなフレーズを使った短い会話や歌詞が取り入れられているため、子どもは自然に覚えてしまうでしょう。
Months of the Year l Nursery Rhymes & Kids Songs
3D的アニメーションで、子どもに新鮮な印象を与える動画です。歌のメロディーも今までとは異なるため、子どもの興味を刺激することでしょう。
11月まで歌ったのちに、少し間があいてDon’t forget December.(12月を忘れないで)といったフレーズが入ります。続いてin the wintertim、 it gets so cold…(冬の間は本当に寒い)のように、寒さや暑さをitで表現するフレーズが登場します。
子どもが喜ぶのは、次のShake it ,shake it、 shake off the snow.の箇所です。実際に真似して「シェイキッ シェイキッ シェイク オフ ザ スノ~ウ」のように話すでしょう。
ほかに春、夏、秋…のように季節ごとに使われる単語やフレーズが登場します。月の名前を覚えることに加えて、応用的に語彙を増やしていけるのが、この動画のメリットです。
12 MONTHS!|Harry Kindergarten Music
12 MONTHS! and then you star back over、12 MONTHS!Shout it in a cheer…(12の月!戻ってみて、12ヶ月!歓声を上げて)といった感じのフレーズが入っています。
リズムに乗って、フレーズの音のつながりや流れも確認できる歌動画です。アニメーションも実にシンプルで、印象に残るカラーとシンプルな文字表示が印象的です。
THE MONTHS OF A YEAR | LARVA KIDS
こちらは「キラキラ星」のサウンドが主になっています。最初から1月から12月までを続けて歌うのではなく、たとえばJanuary、January、Happy New Year!February、February、 Happy Valentine’sのように、その月の特徴的なイベントを歌詞にのせています。
一通り、各月の解説のように歌が進んだのちに、1月から12月までを2回繰り返す歌詞内容です。
このように英語のフレーズがさりげなく入っているのは、子どもが自然に英語に興味をもつきっかけになります。
さて、月の名前を英語で勉強しようと始めたところ、子どもから「ねえ、どうして1月はJanuaryっていうの?」と質問を受けるかもしれません。次章では、月の名前の由来について紹介します。
「月の名前」の由来を知ろう
ここでは、「月の名前」の由来と子どもに「月」に対する理解を深めるための素材について紹介します。英語学習で知的好奇心を高める要素といえますので、ぜひ通してご確認ください。
「月の名前」の由来
英語の月の名前は古代のローマ暦に由来します。元々は10個の名前の月からなるローマ暦でした。しかし、紀元前700年頃のローマの第2代国王、ヌマ・ポンピリウスが1月と2月を加え、年の始まりを3月から1月に変更したといわれます。これにより、12の名前の月が誕生しました。
January
ローマ神話で「事の始まりと終わり」を司る神Janus(ヤヌス)に由来し、ギリシャ神話では「ゼウス」となります。ヤヌスは入り口と扉の神です。
February
ローマ神話に登場する慰霊祭Februaria(フェブルアーリア)の主神から来ています。この月は戦争の罪を清めるためのお祭りです。
March
ローマ神話の軍神Mars(マルス)に由来します。ローマ暦では、3月が1年の始まりの月でした。
April
ギリシャ神話の女神Aphrodite(アフロディテ)から来ています。Aprilisには「開く」という意味があり、花や緑が芽吹いたり開花したりする様子が伺えます。
May
ローマ神話の豊穣の女神Maia(マイア)に捧げられた月です。May Day(メーデー)は5月1日のお祭りで、自然の再生と芳醇を祝う行事が行われます。
June
ローマ神話のJuppitel(ユピテル)の妻Juno(ユノ)にちなんだ名前です。6月に結婚式を挙げる花嫁は、June bride(ジューン・ブライド)と呼ばれるようになりました。
July
ユリウス・カエサルが自分の名前をつけたことから起源します。7月は元々ローマ暦の5番目の月でした。
August
初代ローマ皇帝Gaius Octavianus(アウグストゥス)ことAugustus(アウグストゥス)が誕生月に自分の名をつけたことから来ています。アウグストゥスは閏年を制定した人物でもあります。
September
「第7の月」という意味で、ラテン語のSeptemは「7」を意味します。
October
「第8の月」という意味で、ラテン語のOctoは「8」を意味します。また、10月31日はハロウィーンの起源となるSamhain(サムヘイン)であり、万聖節(All Saints’ Day)の前夜でもあります。
November
「第9の月」という意味で、ラテン語のNovemは「9」を意味します。11月1日はAll Saints’ Day(万聖節)、2日はAll Souls Day(万霊節)とされています。
December(師走)
最後の月は、「第10の月」という意味で、ラテン語のDecemは「10」を意味します。12月25日はキリスト教のChristmasであり、他の宗教や文化でも特別な日とされています。
これらの月の名前には、古代ローマの神話や信仰、農耕の季節などの背景があります。それぞれの月を理解することで、英語学習だけでなく、文化や歴史にも興味をもつきっかけになるでしょう。
参照元:
・世界の民謡・童謡(年中行事・季節のイベント)「月名(英語)の由来・語源とローマ神話」
・All Aboutビジネス・外国語学習 英語「月の名前を英語でいうと(1月~12月)【由来・覚え方・省略】」
子どもに「月」に対する理解を深める素材
子どもに「月」に対する理解を深める素材として以下の方法が挙げられます。
英語の月の名前の歌
本記事で紹介したように、月の名前ソングを素材に楽しく歌いながら覚えさせることができます。リズムや振り付けを取り入れると、さらに楽しく学べるでしょう。
由来や季節イベントと関連付ける
各月の名前に込められた意味や背景、季節の変化を関連付けて話すことで、子どもの興味を引き付けます。
月の名前で物語づくり
子どもはお話を創るのが大好きです。自分や家族、友達の誕生月を使ったキャラクターを描かせたり、物語を考えさせたりして想像力を豊かにできるでしょう。
カレンダーワーク
英語の月のほか、関連する単語を学べるカレンダーも市販されています。たとえば、毎日マグネットで天月や曜日、天気などを変えるカレンダーや月ごとに覚えるべき楽しい英単語が提示されているカレンダーもあります。
発音を確認できるQRコードがついているアイテムもあるため、英語の発音を確かめながら、毎日アウトプットできるチャンスが広がるでしょう。
親子で楽しむ英語の歌の学習法
英語の歌を親子で楽しむことは、子どもの英語学習を促進する効果的な方法です。楽しさを重視しながら、子どもたちの好奇心を刺激し、英語学習を楽しく身につけるポイントを解説します。
音やリズムを楽しむこと
たとえば今回紹介した「月の名前」ソングの良い点は、発音はもちろん、英語特有のリズムやアクセントなどを楽しく身につけられることです。
月の名前のなかでもSeptember やOctoberのようにberといった同じ音が繰り返されることに気づかせたり、アクセントの場所を親子で確かめたりしてメロディに合わせて楽しく歌ってみましょう。
親子で一緒に歌うこと
歌を一緒に歌うことで、親子の絆が深まります。楽しい時間を親子で共有できれば、子どもは英語学習に対してポジティブな気持ちをもち続けるでしょう。
また、親子で学ぶのは、子どもの発音やアクセントを褒めたり、より良くするための助言をしたりする機会となります。ときに子どもから親の発音を指摘されるかもしれませんが、それを成長と受け止めれば嬉しい瞬間になりますね。
総合的な学習スキルを育むこと
歌の歌詞を通じて、フォニックス(音と文字の結びつけ)の基礎を学べます。たとえばJanuaryのJが「ジュ」のような音を発すること、あるいは-berが暗めのサウンド「バー」となることに気づきます。つまり、曲のなかで特定の音や音節を強調して歌うことを通じて、フォニックス的な学習が促されるのです。
歌の学習は単語を覚えるだけでなく、リスニングやスピーキング、リーディング、ライティングなど、総合的な英語スキルの育成に役立ちます。子どもが大きくなっても積極的に英語の歌を取り入れ、英語に対する興味を持続させましょう。
子どもの好奇心を刺激すること
今回のように「月」をテーマにした学習は、子どもの好奇心を刺激するものとなります。単に「英語の音や文字を覚えなさい」というよりも、月の名前の由来や季節を絡めながら学ぶことで、子どもは自然に学習意欲を向上させます。
子どもが自発的に歌を覚えようとする姿勢をサポートするためには、子どもが「歌いたい」番組やチャンネルを選定する必要があります。親子で、さまざまな月の名前ソングを探してみる過程で、子どもは自然と「これはちょっと発音が分かりにくいなあ」「これは英語のリズムが心地よい」といった感覚を養います。
今回は「月」をテーマにした歌でしたが、ほかにも「週」の歌もたくさん紹介されています。テーマを絞って学習を進めるとしても、関連する単語やフレーズ、由来などさまざまな要素とつながっていることに気づくでしょう。
親子で、そうした学びの過程を共有できるのは、子どもの好奇心の育みにとっても素晴らしいことです。
まとめ
英語の歌を通じて楽しく月の名前を覚える方法は、子どもの学習にとって効果的です。月の由来や季節との関連を理解させることで単語の覚えが深まります。親子で一緒に歌えば、親子の絆が強化されるとともに、子どもの発音やアクセントも向上するでしょう。
気に入った曲があれば、動画を視聴しながら繰り返し真似させましょう。子どもの記憶力が向上し英語のスキルが総合的に育めます。動画には文字も多く登場するため、子どもは文字と音のつながりについても、自然に認識しやすいと考えられます。
また、楽しい雰囲気をつくりながら、子どもたちの自発的な学習意欲を育て、無理なプレッシャーを避ける姿勢も大切です。親子で一緒に歌を楽しむことで、英語学習を軌道に乗せていきましょう。