英検Jr.=英語に慣れ親しみ、海外の文化を理解することを目標とした試験
英検Jr.は、幼児から小学生を対象とした英語の検定試験です。合否の判定はありませんが、英語学習における目標設定やモチベーションの向上に役立ちます。リスニング問題がメインのテストなので、英語初心者のお子さんでも気軽に受けられる試験です。
本記事では、英検Jr.の特徴やレベル、英検との違いなどを解説します。英検Jr.について詳しく理解できるだけでなく、英検Jr.の受験にお勧めの学習方法もわかるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
英検Jr.とは?特徴や費用を解説
英検Jr.は英語や外国の文化に親しみを持つことを目的に始められた児童を対象にした検定試験です。とはいえ、試験問題はクイズのような形式で出題されるため、幼い子供でも気軽に受けられます。英検Jr.の特徴は下記の通りです。
- 受験方法はオンライン・ペーパー・学校版の3種類
- 幼児から小学校低学年が対象
- 受験料は2,500円~2,900円
ここでは、英検Jr.の特徴や費用について詳しく解説します。個人と集団では受験方法や費用などが異なるので、ぜひ参考にしてみてください。
受験方法はオンライン・ペーパー・学校受験の3種類
英検Jr.の受験方法は、オンライン・ペーパー・学校版の3種類があります。
受験方法 | 特徴 |
---|---|
オンライン受験 | PCがあればどこでも受験可能。試験終了後、すぐに点数を確認できる。 |
ペーパー受験 | 問題用紙に直接書き込んで回答する一般的な試験。年3回行われる。5名以上の団体で申込みが可能。英語教室や塾で行われることが多い。 |
学校受験 | 学校で行われる試験。各学校でルールが若干異なるため、詳細は通学している学校に問い合わせる。 |
オンライン試験は、自宅で空いた時間に受験できて、受験料も安く済む点が魅力です。試験終了後すぐに点数を確認することもできます。成績証明書は後日自宅に送られてくるので、インターネット上ですべてが完結できます。
ペーパー受験は、紙とペンで答えを書く昔ながらの試験ですが、5名以上の団体での受験が条件です。そのため、塾や英語教室などが子供の学習意欲の向上のために取り入れています。学校版は個人では受けられないため、気になる方は通学している小学校に問い合わせてみましょう。
幼児から小学校低学年が対象
英検Jr.の対象年齢は小学生になっています。ただ、受験資格はないので、幼児からでも受験は可能です。レベルにはブロンズ・シルバー・ゴールドの3つがあります。
レベル | 対象年齢目安 | 試験時間 | 勉強期間の目安 |
---|---|---|---|
ブロンズ | 小学1・2年生程度 | 30分 | 6か月程度の英会話学習をしたレベル |
シルバー | 小学3・4年生程度 | 35分 | 1年程度の英会話学習をしたレベル |
ゴールド | 小学5・6年生程度 | 45分 | 1年半程度の英会話学習をしたレベル |
そもそも英検Jr.は、子供たちに英語に慣れ親しんでもらうことを目的に始められた試験なので、比較的簡単なリスニングを中心にしたテストです。そのため、難易度自体はそこまで高くありません。気軽に子供の英会話レベルをチェックするのにおすすめな検定試験といえるでしょう。
受験料は受験方法とレベルで違う
英検Jr.の受験費用は2,500円〜2,900円程度です。費用は受験方法や受けるレベルによって多少異なります。そして、下記の表でもわかる通り、最も安いのはオンライン受験です。
オンライン | ペーパー受験 | 学校 | |
---|---|---|---|
ブロンズ | 2,300円 | 2,500円 | ー |
シルバー | 2,500円 | 2,700円 | ー |
ゴールド | 2,700円 | 2,900円 | ー |
※料金はすべて税込み価格
学校受験の費用は非公式なので調べられませんが、個人で受けるのなら断然オンライン受験がお得です。支払方法はクレジットカード決済、またはコンビニ払いの2種類です。
オンライン受験の場合は、お支払い後にすぐ受験ができます。子供の現在の英語レベルが知りたいと思ったときに受験できるので、大変便利です。
英検Jr.と英検の違いは?
英検Jr.と英検は、同じ検定試験ですが、試験内容や目的はまったく別のものです。難易度も異なるので、目的にあわせて選択することをおすすめします。
- 英検Jr.と英検は試験の目的が違う
- 英検Jr.と英検は試験内容が違う
ここでは英検Jr.と英検の違いを詳しく解説します。どちらの検定試験が子供によいのかわからない方は、ぜひチェックしてみてください。
英検Jr.と英検は試験の目的が違う
英検Jr.と英検では試験が行われる目的が違います。英検Jr.の試験の目的は下記のとおりです。
- 英語への親しみや興味・関心を持つ
- 積極的に英語でコミュニケーションをすることを楽しむ
- 英語がコミュニケーションのひとつの道具になることを認識し、英語を使うことによって世界の人々と交流ができる喜びや楽しさを知る
- 世界の様々な生活や文化への理解や知識、関心を深め、広い視野を持った国際人を目指す
引用:日本英語検定協会
読んでもらえるとわかる通り、英検Jr.は子供が英語に興味を示し、視野を広げることを目的として実施される試験です。高得点をとっても履歴書に記載したり、優遇を受けられたりするものではありません。
一方で、英検はグローバル社会を意識して実用的な英語の習得に力を入れている検定試験です。正解率で合否が決まるため、自身の英語のレベルを第三者に証明することができます。
日常の社会生活に必要な実用英語の習得及び普及向上に資するため、英語の能力を判定し、また様々な機会を通じてその能力を養成することにより、生涯学習の振興に寄与することを目的とする。引用:日本英語検定協会
英検は小学生から社会人まで幅広い年齢層を対象としています。高校や大学の入試試験や単位認定で優遇を受けられるほか、就職活動にも有利な資格です。英検Jr.で気軽に英語にふれ、本格的に英語を学び始めたら、英検を目指すとよいでしょう。
ちなみに英検Jr.はブロンズ・シルバー・ゴールドの3種類しかありませんが、英検には1〜5級まで全7段階にレベル分けされています。もっとも難しい英検1級の合格率は約10%ほどです。大学上級程度の英語力があることの証明となりますが、かなりの難易度を誇ります。
英検Jr.と英検は試験内容が違う
英検Jr.と英検は実施目的が異なるので、試験内容も大きく異なります。英検Jr.はリスニングを中心に構成されていますが、英検はリスニング・文章問題・スピーキングテストなど、さまざまな形式で試験が行われます。
レベル | 試験内容 | |
---|---|---|
英検Jr. | ブロンズ | リスニング40問程度 |
シルバー | ・リスニング40問程度 ・読む問題8問 |
|
ゴールド | ・リスニング40問程度 ・読む問題10問 |
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英検 | 5級 | ・リスニング25問程度 ・読む問題25問 |
4級 | ・リスニング問程度 ・読む問題25問 |
|
3級 | ・リスニング25問程度 ・読む問題25問 ・英作文1問 ・英語面接 |
英検は実用的な英語力を必要とするため、より難易度が高く、試験項目も多くなります。レベルだけなら英検Jr.のゴールドが英検5級程度の難易度と予想されているので、英語を習い始めは英検Jr.のゴールドを目指し、その後英語学習が本格的になってから、英検の受験を検討するのがおすすめです。
英検Jr.の勉強方法と対策
英検Jr.を受験するのなら、自分に合った勉強法を選択し、効率的に勉強するのがおすすめです。なかでも英検Jr.に効果的な勉強方法は下記の3つです。
- オンラインで学習できる「ラーニング」がおすすめ
- 英会話スクールでリスニングを鍛える
- 過去問で実力を確認する
ここでは上記の3つの勉強法を詳しく解説します。子供にどんな勉強方法で教えたらいいかわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
オンラインで学習できる「ラーニング」がおすすめ
英検Jr.の勉強にはオンラインで学習ができる「ラーニング」がおすすめです。「ラーニング」とは、日本英語検定協会が推奨しているドリルやゲーム、模擬試験がセットになっているオンライン教材になります。模擬試験は240問もあるので、英検Jr.の試験で高得点を狙いたい方におすすめです。
「ラーニング」は単体、または受験費用がセットになったフルパックの2つが用意されています。学習期間も1ヶ月~6ヶ月まで選択できるので、子供の学習ペースに合わせられる点が魅力です。インターネット環境とPCさえあれば自宅で手軽に取り組めるため、ぜひ「ラーニング」を検討してみてください。
ラーニング単品 | ラーニング+試験セット | |
---|---|---|
ブロンズ | ・1ヶ月2,000円 ・3ヶ月3,900円 ・6ヶ月6,000円 |
・1ヶ月3,900円 ・3ヶ月5,400円 ・6ヶ月7,300円 |
シルバー | ・1ヶ月2,000円 ・3ヶ月3,900円 ・6ヶ月6,000円 |
・1ヶ月4,100円 ・3ヶ月5,600円 ・6ヶ月7,500円 |
※料金はすべて税込み価格
英会話スクールでリスニングを鍛える
英検Jr.はリスニング重視の試験なので、英会話スクールでリスニング力を鍛えるのがおすすめです。英会話スクールならネイティブスピーカーとの会話ができるので、自然な発音やリズム、アクセントなどが身に付きます。
英会話スクールでリスニング力がつけば、英検Jr.も自信をもってチャレンジできるでしょう。英会話スクールには、マンツーマンや少人数クラスなど特徴があるので、子供の性格にあった授業を選ぶことが大切です。
また、忙しくて送り迎えや付き添いが難しいようなら、オンライン英会話を検討してみましょう。オンライン英会話なら自宅から出ることなく、PCとネット環境があれば授業が受けられるので、無理なく継続できます。
過去問で実力を確認する
英検Jr.では、公式サイトで過去1年間(3回分)の過去問を無料でダウンロードすることが可能です。子供のレベルがどのくらいなのか試験前にチェックしたいのなら、公式サイトの過去問を解かせてみるとよいでしょう。
もし、過去問で合格ラインの80%を越えられなくても、課題や問題点の把握はできます。苦手な部分を克服するために対策を考えることもできるので、英語力の向上に役立つでしょう。
英検Jr.でよくある質問
英検Jr.を受験する意味は?
英検Jr.を受験する意味は、子供たちに英語に慣れ親しむきっかけを作ることです。最近では国際的な活躍の場も広がっているので、英語への関心はかなり高くなっています。
そのため、小学校で本格的に英語授業が始まる前から備えることで、子供が英語に苦手意識を持つのを防ぐ効果も期待できます。
英検Jr.という目標があれば、計画を立てて学習ができるため、英語学習のモチベーションアップにもつながるでしょう。子供自身にも自分の英語力の成長を実感させられるため、英語学習を始めるのなら英検Jr.を目標にするのがおすすめです。
英検jr.の難易度はどのくらい?
英検Jr.の難易度は、初めて英語学習を始めた幼児から小学生を対象としているため、英検と比べると難易度はやや低めです。
例えば、英検の5級をやや簡単にしたくらいが英検Jr.のゴールドくらいと言われています。英検Jr.は英検とは異なり、基本的にリスニング問題が中心なため、英語に慣れ親しんだ子供なら受験できるレベルです。
英検Jr.の合否ラインは?
英検Jr.には合否はありませんが、合格ラインはあります。英検Jr.の公式サイトでは「正解率80%以上で次のレベルに挑戦できる」と記載されています。テスト問題は100点満点なので80点以上を取ると合格といえるでしょう。
まとめ
英検Jr.は、幼児から小学校低学年までを対象に、英語に慣れ親しみ、海外の文化を理解することを目標とした試験です。受験方法はオンライン・ペーパー・学校版の3種類がありますが、個人で受けるのならオンライン試験一択です。
オンライン試験ならネット環境とPCがあればいつでも受けられて、試験終了後すぐに点数を確認できます。リスニングを中心にした試験なので、英語を習い始めの子供でも受験しやすいのがメリットです。
公式サイトでは、英検Jr.の試験勉強にピッタリなラーニングや過去問なども用意されています。試験に合否はありませんが、今の実力を試すのにおすすめの検定試験なので、ぜひ子供の英語力向上のために英検Jr.を検討してみましょう。