この記事では、「子供の英語教育」について考える保護者さんに、早期英語教育をはじめるメリットや、おすすめの方法について解説します。
英語の必要性はどんどん上がっている!
日本人は「英語は難しい…やっぱり苦手」と思ってしまいがち。リスニングとスピーキングを学ぶ機会が少なかった親世代(以上の世代)は、とくに苦手意識をもってしまうようです。しかし、社会のグローバル化やIT化はますます加速し、英語の社会需要は高まる一方。
子どもに英語学習をさせたい場合、「いつから始めたらいいの?」と思う方も多いでしょう。
>>赤ちゃん・子どもに英語の『聞き流し』が効果的な理由を解説。
まずは、リスニングについて早めをおすすめする理由について順番に解説したのち、タイミングの図り方やベストと思われる時期について紹介します。
また、年齢や興味に合わせた英語教育の内容やポイント、注意点についても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
聞く力を育てるには早期教育がおすすめ!その理由
早期教育をおすすめする理由として挙げられる理由に、以下三点があります。
- 子どものリスニング力の高さ
- 第二言語習得の臨界期仮説
- 大量のインプットにつながる
以下で、順に解説していきます。
子どものリスニング力の高さ
子どもが音を聞き分ける力は天才的で、生後6ヶ月から8ヶ月の間に英語と日本語の発音を吸収しつつ、その2ヶ月ほどかけて音分析、つまり統計処理をするといわれています。
つまり1歳になる前に自分にとって必要な言語を認識するため、赤ちゃんのころから英語の聞き流しを続けるのは第二言語の習得に効果をもたらすといえるのです。
第二言語習得の臨界期仮説
一方、学者によって第二言語の習得時期(臨界期)に関する説は異なります。1歳未満の赤ちゃんを第1の臨界期、7歳前後が第2臨界期とする説や、幼児期から思春期(11~12歳ごろ)を臨界期として、それ以降は習得能力が失われるとする説もあります。
結論については確かな合意に到っていないのが現状といえるでしょう。ただ、「学習を始める年齢」が第二言語習得に影響を与えるのは多くの学者が認めています。
大量のインプットにつながる
会話にあるように、多くのリスニングを可能にする時間や環境があれば、インプット量を増やしていけます。
しかし、海外在住で日常的に英語を聞ける子どもと異なり、日本語シャワーの方が多い国内においては、大量のインプット量を達成するのに相当の時間が必要です。
なかには「国内環境ではインプット量がどうしても少なくなるため、早めに始めて大きな効果が上がるとは考えにくい」とする学者もいます。
この話を聞くと「やっぱり早期教育は無駄なの?」と思うかもしれません。
ただ、だからこそ早めに英語に触れる方が、何もしないよりインプット量を増やせると考えてみてはいかがでしょうか。
インプット量を増やすには早めにスタート
国内環境ではリスニング量が少ないため、小学校高学年から英語を学び始めても英語の習得までに想像以上の時間がかかるでしょう。そのため、英語に触れる機会を前倒して早めにスタートした方が必要量を確保できると考えられます。
実は日本人が英語を習得するには2200時間が必要ともいわれます。実際に小学校高学年から高校までの英語授業数は1000から1200時間程度…。
公立と私学、国際学科などによって授業数は変わりますが、2200時間の学習量を補うには、小学校中学年以前から英語に触れる時間をつくる必要があります。
つまり、圧倒的にインプット量が少ない日本国内で英語を習得するには、早めに英語のインプット量を増やす取り組みを始め、かつ継続して学べる環境をつくった方がよいといえるのです。
では早速、次の章で確認してみましょう!
早期に英語教育を始めるメリット
英語の早期教育は聞く力を伸ばしインプット量を増やすことにつながりますが、ほかのメリットも紹介したいと思います。早めにおこなえば以下のメリットを感じられます。
- 学習内容を吸収しやすい
- 英語に対する抵抗感を和らげる
- 多様な価値観や世界観をもてる
- コミュニケーションを楽しめる
以下に、詳しく解説します。
学習内容を吸収しやすい
たとえば、テレビやYouTubeで歌やダンスをすぐに覚えてしまうのも子どものころ。子どものころに覚えた歌詞は大人になってもすぐに口ずさめる経験をもっている方も多いでしょう。
英語学習も同様に、英語の音やリズム感などを身体で覚えいつのまにか習得できます。小さいころは、見たもの聞いたものを吸収しやすく、何度も見聞きすれば長期に定着しやすい時期といえるのです。
英語に対する抵抗感を和らげる
英語に対して抵抗感をもちにくいのも子ども時代。異なるモノに興味を示し、楽しみながら親しめる時期といえます。
グローバル化が進んだとはいえ、島国である日本で海外の人々と交流する機会は他国に比べて少ないのが現状です。この環境に慣れ過ぎると大人になって外国人と話すのに抵抗感を抱く場合があります。
しかし、子どものころから少しずつ英語や海外の人々と触れ合う機会をもてば、すくなくとも大人よりは英語に対する苦手意識をもたずにすむでしょう。
また、本格的に英語を”勉強”する時期になっても、まったく英語に触れていない子どもより学びやすくなると考えられます。
多様な文化や価値観を知れる
言葉は文化といわれます。言葉の学習を通して、その言葉を使う人々の生活や文化、価値観などを知ることができます。
テキストにある情報から海外の文化を知ったり、ネイティブとの会話のなかで日本とは異なる話し方やジェスチャーなどを理解したりできるでしょう。
島国に生きる日本人にとって、多様な文化や価値観に触れられるのは、グローバル社会に生きるうえで大切なことであり、その素地を養うためにも、小さいころから英語に触れるのはメリットがあるといえます。
コミュニケーションを楽しめる
母国語とは違う言語を学ぶのはコミュニケーション力や会話に対する姿勢にプラスの効果を与えます。
英語は感情表現や伝え方がストレートです。ジェスチャーを交えながら周囲に臆せず自分の考えを伝える言語といえます。
小さいころから英語に親しめれば、自分の考えを伝える力を育てられます。また、どのような場面でも多彩な表現を使って、楽しみながらコミュニケーションをとれるようになるでしょう。
さて、このようなメリットがあるとされる英語の早期教育。次章では、「早めがいいとされる英語教育は、いったい”いつくらいがグッドタイミング?”」にお答えするかたちで話を進めます。
英語教育を始めるタイミングはいろいろでOK
早期教育といえば「英会話スクールに通う」と考える方はいるでしょう。ただ、週1回の英会話スクールだけでは英語力をつけるのは難しく、やはり自宅でも英語に触れる機会をもつことが大切です。
最初は自宅で無理なく始めて継続していくことが大切でしょう。ここでは、自宅でも始められる英語教育のスタート時期としていくつか提案します。
親の思いだけでなく、子どもの特性や興味によって、始める時期ややり方はさまざまです。たとえば、次のタイミングで英語教育をスタートしてみてはいかがでしょうか。
良質なインプットはひとつの教材でも大量に稼げる!
- お子さまが小さい時から英語教育を開始したい!でも何をすればいいの?
- 手を変え、品を変え…色々と試したけれどどれもピンと来ない。
- あれこれ購入して、使うのも大変!
そんな保護者さんにおすすめしたいのが、弊社ミライコイングリッシュです。
ミライコイングリッシュは、NHK「基礎英語1 (2016〜18年度)」講師である田中敦英 先生監修のもと、全体で250本以上の豊富な教育シナリオを収録したDVD-BOXです。
ミライコイングリッシュを使用するメリットは、
- これ一つで乳幼児(対象年齢0歳~8歳)の英語教育をカバー
- 内容にこだわった全編オリジナル映像・オリジナルソング
- 子どもの『好き』と『習慣』の実現!
DVD-BOXひとつで上記を実現したうえで、保護者さんにとっても手間のかからない教材でありたい。たくさんのこだわりを詰め、製作期間は5年に及びました。
また、私たちの目標は『世界のどんな家庭においても良質な英語学習ができる』こと。
一般的な英語教材よりも安価でお届けすることにもこだわりました。
もちろんCDやユーチューブと同様、お子さんにとって合う・合わない問題が出てくるかもしれません。まずは無料サンプルDVDから『おうち英語』はじめてみませんか?
子どもに歌を聞かせたいと思ったら
赤ちゃんが生まれて子どもとの触れ合いタイムを充実させたい場合、”英語を覚えさせよう!”と意気込むのではなく「子どもに心地よい音楽を聴かせたいなあ」と思って始める方がいいでしょう。
ガッツリと英語教育をおこなうというよりむしろ、子どもと一緒に英語シャワーを楽しむイメージです。英語のナーサリーライム(子守歌のようなもの)を聞かせてもいいですね。
ママが覚えて直接語りかけるようにすれば、赤ちゃんはきっと喜んでくれるでしょう。
子どもに絵本を読み聞かせたいと思ったら
子どもに英語の歌を聞かせるのと同様に「この絵本、子どもが気に入っているから英語版を探してみようかな」と思ったら…英語の絵本で読み聞かせをしてみましょう。
日本語の絵本と英語の絵本を読み比べながら反応を確かめてみてもいいですね。また、最初から難しい絵本でなくても、挿し絵が美しく言葉のリズム感を感じられる絵本であれば、子どもに寄り添いながら一緒に楽しめるでしょう。
子どもと一緒に英語を学びたいと思ったら
親が「私はとくにリスニングが苦手だから子どもには好きになってもらいたい」と思って、まずは子どもに英語の聞き流しを始める親御さんがいるかもしれません。
ただ、「親の私も学び直したいわ」と思っていたら、子どもと一緒に学ぶスタイルを取り入れてみましょう。おうち英語として、歌CD、DVD、YouTubeなどを使って英語のシャワータイムを習慣化していきます。
また、家族割のある英会話スクールやオンラインレッスンもあるため、親子一緒に申し込んでみるのもいいですね。
子どもが英語に興味を示したら
たとえばお店の看板やメニューを見たり、お気に入りのキャラクターが話す言葉を聞いたりして英語に興味を示したら、英語に触れさせるタイミングかもしれません。
小さいころから英語の歌や絵本に親しんでいれば、「アルファベットを覚えたい!書きたい!」と言い出す子どももいるでしょう。
子どもの好きなものや興味をもつものについて親が気づいてあげるのは大切です。それがグッドタイミングだととらえて、学ぼうとする意欲をさらに育ててあげましょう。
「やっぱり早期教育は大切!」と思ったら
小学校でも2020年から高学年の教科に英語が加わりました。中学年までは英語に親しむことが中心になりますが、高学年からは「読む」「書く」「聞く」「話す」の4領域が入ってきます。
高学年になっていきなり英語に触れるより、小さいころから英語の音やリズムなどに慣れさせておいた方が、高学年以降の英語学習にプラスになるだろう…こう考える親御さんは多いでしょう。
そこで、「できるだけ早めに」英語教育を始めるご家庭もあります。
赤ちゃんの聞き分ける力や言語習得の臨界期などを知っている親御さんであれば「結果はどうなるかわからないけれど、習得のチャンスが大きいうちに始めさせた方がいいだろう」と考えますよね。
早期教育が大切!と判断できたら、どうしよう、どうしよう…とずっと悩むより「まずはやってみよう!」と考える方がすっきり楽しく始められるでしょう。
ということで…次章で取り上げます、よろしければ参考にしてみてください。
それでも知りたい!何歳からがおすすめ?
この結論としては、!英語の聞き流しは赤ちゃんのころから、英語の「勉強」となれば文字に興味をもち始めたことから少しずつ、とお伝えします。
意味のある音の学習は、声をかけると振り向くとされる生後6ヶ月ごろといわれますが、音に対する反応を示す生後3ヶ月ごろから少しずつ始めてもいいでしょう。
赤ちゃんがお腹にいるときから胎教のように聞かせるママさんがいるかもしれません。いずれにしても、!赤ちゃん(ママも)が気持ちのよい音を選んで聞かせてあげましょう。
文字の導入時期も、同様です。音の世界を充分に楽しんだり見聞きする単語を増やしたりする過程で、子どもが「ェアポ―(apple)ってどうやって書くの?」「ェアaとヌnとトゥtでantってなるよ」のように文字に対する疑問や気づきが生まれたころがベストでしょう。
決して強制はせず、とくに乳幼児期は親子で楽しみながら英語シャワーを浴びることを心がけましょう。そのうえで、おもちゃやゲーム、フォニックスなどを通して文字に親しませるていきましょう。
英語の早期教育で母語習得に影響はない?
読者のみなさんのなかには「英語を早く学ばせると、日本語の習得が遅れないかしら」と心配になる方がいるかもしれませんね。最初に結論をいえば、母語習得の遅れについて過度に心配する必要はないでしょう。
その理由としてE.レネバーグの説を少し紹介します。
母語習得の臨界期に関して有名なドイツの言語学者E.レネバーグ(1967)は、習得能力は幼少期に頂点に達したのち下降し、12歳前後を超えると正常な母語習得は不可能になるとしています。
つまり、母語学習力のピークとされる2、3歳ごろに英語学習を始めるにしても、思春期のころまで日本語をないがしろにし続ければ、母語習得にマイナスに働くかもしれないのです。
とはいえ…海外在住の日本人の子どもと比べれば、日本国内で普通に生活している子どもは圧倒的に母語のインプット量が多いことは周知の事実。絶対的に日本語の多い生活環境のなかで英語を聞いたり話したりしても、母語習得に影響はないと考えられます。
継続が大切!英語学習を続けるポイント
ここまで英語の早期教育をいつから始めたらよいかお伝えしました。
ただ、言語学習は早めにスタートした方がいいとはいえ、始めてすぐにやめてしまえば英語の習得はできません。
日本人が英語を習得するには2200時間が必要といわれるなか、継続することが重要なポイントになります。
そこで、英語学習を継続させるポイントとして以下の3つをご紹介します。
- 長期目線で焦らずに
- 子どもが楽しめる要素を取り入れる
- 親子で一緒に楽しむ
ここから順番に解説します。
長期目線で焦らずに
英語習得にかかる道のりは相当かかります。短期決戦で考えるのではなく、長期目線で目標設定しましょう。たとえば20年後にネイティブと臆せず会話を楽しめるようになればいいなあと思って、毎日少しずつリスニング量を増やすイメージです。
また、最初から「1日1時間は英語タイム」あるいは「1日10単語確実に覚える」などの行動目標を立てると、途中で息切れしてしまう可能性があります。
マラソンのスタート時にモーレツダッシュをすれば決して勝てません。はじめは簡単なタスクから始めて子どもに達成感を味わわせる方が長く学び続けられます。
子どもが楽しめる要素を取り入れる
子どもは自分が興味をもっていたり、好きなことができたりすれば喜んでずっとやり続けます。英語学習をさせる場合も、子ども目線を保ちつつ子どもの様子を見ながらおこなうようにしましょう。
たとえば大好きな絵本があれば何度も読み聞かせてあげたり、親子でカードゲームを楽しんだりします。
また、子どもは飽きてしまえばまったくやらなくなってしまうため、英語の歌やDVD、おもちゃや絵本など、やり方にバリエーションをもたせると飽きずに英語学習を続けられるでしょう。
親子で一緒に楽しむ
親子で一緒に英語を楽しむのは、言葉を学ぶうえでとても大切な視点です。DVDを見せっぱなしで「覚えなさい!」といっても子どもは覚えにくいでしょう。
子どもが小さいころはとくに、大好きな家族と一緒に過ごす時間が必要です。安心しながら学ぶことができ、何よりDVDを見ながら自然なやり取りができます。
子どもの質問に答えたり子どもの気づきを認めたりすれば、「ああ、なんだか楽しいなあ」というプラスの感情を増やし、ずっと続けたくなるでしょう。楽しさや喜びは内容理解や記憶力にも良い影響を与えます。
早期教育を始める前に知っておきたいこと
英語教育を始める場合は、前章でもお伝えしたように「継続」することを念頭におこなう必要があります。
これは早期教育を始める方全員にお伝えしたい2文字です。いくら早く始めても途中で英語嫌いになって学びが中断!となっては早めに始めた意味がなくなってしまいます。
継続させるには、「長期目線で」「子どもが楽しめるものを使って」「親子で一緒に」がポイント!
それに加えて、1点お伝えしたいことがあります。それは、「非認知能力」についてです。
グローバル化やIT化にともない世の中の変化のスピードが加速かつ複雑になっており、予測不可能な時代に入っているといわれます。
この時代をいきぬくために必要な力とされるのが「非認知能力」です。
現在の早期教育とは「非認知能力を育てる教育」といえるでしょう。
非認知能力の土台は3歳までに作られるとされており、幼児教育や保育の現場でもこの能力を高める方向に動いています。認知能力を高めるためにも、まずは非認知能力の育成が重要だとされているのです。
英語学習で、無理やり教え込もうとしたり、うまくできなかったりして叱りつけたりすると子どもの非認知能力(自立心や達成感、失敗から立ち直る力など)を阻害する可能性があります。
英語シャワーが愛情シャワーであればいいのですが、冷たくて強烈なシャワーであれば逆効果です。親の愛情をたっぷり注ぎ、子どもの”好き”や”興味”を大切にしながら非認知能力を育てていきましょう。それが、ゆくゆくは語学力の習得につながります。
それでは最後にまとめてみましょう。
まとめ
今回は、子どもに英語学習をさせる場合、いつから始めるのがよいのか、その時期についてお伝えしました。
赤ちゃんや子どもの聞く力は天才的!といわれるほど優れています。聴覚の発達に発達に合わせて、英語の子守歌などを選んで音に親しむ時間は、赤ちゃんのころから始めていいでしょう。
ただ、第二言語習得については海外在住の日本人の子どもと比べるとインプット量はどうしても追いつけません。とはいえ、まったく英語に触れさせなければゼロのまま。
このため、長期目線で焦らず、子どもが楽しみながら学び続けられる方法を考え、ストック量を増やす取り組みが必要です。そうした意味で、早めに英語に親しむ機会を設定するのはまちがいではないのです。
非認知能力の大切さについてもお伝えしました。親子で一緒に学ぶ英語シャワータイムでも、その力は養えます。今回の記事を参考に、早期の英語教育に関する視点をふり返っていただけたらうれしく思います。